オナニー難民の聖地!? 今夏はビデオボックスへ!!

※イメージ画像:渋谷にて

 7月から本格化した節電の夏に、もうぼちぼち慣れてきた頃かと思う。職場や飲食店での室温高め設定にもようやく体が順応し始め、「快適な環境とはいえないが、まぁこんなものかと諦めがつくようになった」と、脳内がシフトチェンジしてきたのだろう。しかし、どうにもこうにも諦めがつかないのが、既婚男性にとっての家庭内節電なのではないだろうか。

 ご存知の通り、15%の節電が求められているのは電力の大口需要家(つまり、いわゆる大手企業)のみで、一般家庭にはそういったしがらみはないし、むろん罰則もない。しかし、世の中の風潮がこれだけ節電を叫んでいると、一般家庭の主婦たちも「家でも節電したほうが良いのかしら」という結論に至り、エアコンの室温を上げ始める。その結果、光熱費が安くなるのだから、家計的には悪い話ではない。

 しかし、夫側からは「たまったもんじゃない!」という声が多く聞かれる。何もこれは、「オフィスも暑いんだから、家くらい涼ませてくれよ」などという時代の流れに逆らった主張ではない。家ではエアコンを効かせてほしいという背景には、実に深い事情があるのだ。

「仲は良いがセックスレスである」というカップルが多い日本の夫婦事情下、「性欲処理は専らオナニーである」という既婚男性は非常に多い。さて、そのオナニーを行なう場所についてだが、「自宅の寝室」という声が圧倒的多数。「奥さんにバレないの?」と疑問に思う人もいるかもしれないが、最近は、夫婦で寝室を別にしているというライフスタイルが珍しくなくなってきている。「共稼ぎなので、寝る時間もバラバラなので、寝室は分けている」「自分も妻も、1つの布団に2人で寝ると、疲れがとれないという考え」という人もいれば、「子どもが生まれてから、妻は子どもと寝るようになり、自然な流れで寝室が分かれた」という人もいた。

 問題は、その寝室である。昨年の夏までは、暑さで寝苦しいと寝不足になるという理由から、就寝時もタイマーなどでエアコンをつけていた家庭も、今夏は「夜は多少涼しいのだから」と、エアコンを切り、窓や部屋の戸を開け、床に就いている家庭が多いという。妻や子供が寝ている寝室のドアが開け放たれ、自分の寝室もエアコン禁止が言い渡されているので、窓や戸を開けることになる。ということは、別々の部屋でありながら、諸々筒抜け状態となってしまうのだ。

 そうなると、困るのがオナニーである。以前は部屋のドアを閉め切り、何の気兼ねなく1人黙々と手淫に励むことが出来た。しかし今夏はそうはいかない。結婚5年目のAさん(40歳・会社経営)は、1LDKのマンション住まい。妻と5歳の娘が寝室を使い、彼自身はリビングのソファベッドを利用しているそうなのだが、寝室のドアが開け放たれ、彼が寝床とするリビングと筒抜け状態になってしまっているため、夜な夜な閲覧していたネットのアダルト動画を見るどころか、エロ本すら読めない状態だという。

 ではAさんは今夏、どのように性欲処理をしているのか? さすがに溜め込むわけにはいかないだろう。睾丸がパンパンになってしまう。ましてや、夢精という歳でもない。風呂場という手段も考えたそうだが、蒸し暑くてオナニーには不向きである。そもそも、バスタブには浸からず、シャワーのみということは妻も知っているので、シャワーの音がしないと不審に思われる危険性がある。トイレも、あまりにも長いと不自然だ。職場でヌクのも落ち着かない。あれこれ考えた結果、Aさんが出した結論は『ビデオボックス』だった。

 ビデオボックスとは、料金は時間制になっており、棚から好みの作品を選んで個室に持ち込み鑑賞することができる店舗のことである。レンタルビデオを家に持ち帰るのは都合が悪いという男性も、安心してオナニーが出来る仕組みになっているのだ。Aさんは溜まってきたなと感じたら仕事帰りにビデオボックスに駆け込み、1発ヌイて帰宅し、夜は開けっぱなしのドアを気にすることなく安眠を得ているのだという。「なぜ風俗店ではなくビデオボックスなのか?」という問いに対しては、「女性がサービスを提供する店舗は、妻への罪悪感が生じてしまう」とのこと。他にも、ビデオボックス利用者に聞いたところ、「女性とどうこうしたいのではなく、目的はあくまでもオナニー」という人もいれば、「ヘルスやピンサロよりも、ビデオボックスのほうが安い」という意見もあった。

 以上を踏まえると、今夏はビデオボックスの利用が大幅に伸びるのではないかと考えられる。家庭での居場所はあるが、オナニー場所はないという既婚男性は、ビデオボックス利用を検討してみては如何だろうか。
(文=菊池 美佳子)

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