昨年の『School Girl Complex』(イースト・プレス)などのフェティッシュ系写真集の売れ行きを見るに昨今、ストレートなエロス作品よりもフェチ系作品に人気が集中しているように思える。そんなフェティッシュ系全盛の中、スカートをはいてモノを拾った場合、どのような拾い方だとパンチラせずにすむかを研究し、検証している「絶対に下着がみえない拾い方の研究と考察」という、ありそうでなかったフェチ系ど真ん中の動画を作成した方がいる。それが、妄想科学研究所を主催している野平花男氏だ。なぜ、このような動画を作成するに至ったのか? お話を伺った!!
──まず、なぜこのような動画の作成に至ったか、経緯をお伺いしてもいいですか?
野平花男(以下、野平) 私は、元々映像作品のディレクターをしています。その仕事の中で、あるタレントさんに出演をお願いして某動画サイト用に、歩道橋の階段では膝上何cmのスカート丈ならばパンツが見えるか、という実験の動画を作ったんです(笑)。でも、その動画はエロすぎると判断され、お蔵入りになってしまいました。しかし、私はその動画は絶対に面白いと感じていたので、YouTube上でコンテンツを発表していく場を作り、動画を作成していくことにしたのです。自主規制に縛られずに自らの作品を表現する場が欲しかったというのもあるのですが、やっぱりパンチラが好きなんですよね(笑)。
──男ならば非常に共感できます。では、なぜ今回は野中あんりさんに出演をお願いしようと思ったのですか?
野平 私が野中さんのファンだったというのもあるのですが、人気があり、かわいらしく、お尻がボリューミーな女優さんがいいという考えがありましたので、ダメもとで話を持って行ったんです。すると、野中さんからすぐに「おもしろそうだから出演したい」とOKが貰えました。
──しかし野中さんは、ロリ系の女優さんとして人気の方です。スレンダーなイメージが強いのですが。
野平 彼女の3サイズは上からB74cm・W56cm・H84cmと胸とウエストに比べ、非常にお尻が大きいんですよ。衣装制作をお願いした方にも、胸も腰もあまりないのにお尻がここまで大きい人はそうはいないと言われました。
──なるほど、パンチラに対してピッタリの人選だったのですね。こちらの動画は作りこまれていますが、撮影日数はどれくらいだったのでしょうか。
野平 撮影自体は1日で終りました。午前中は、拾い方の練習と見えるか見えないかの確認をし、午後から撮影を始めました。野中さんは、すごく演技に対して勘が良い方でしたね。普通は1発でOKは、なかなか出ないのですが、ほとんどがOKでした。そして撮影にあたり白パンツと、フリル付きのかわいらしいパンツの2つを用意し、野中さんにどちらを着用するか尋ねたんです。すると、彼女が選んだのは見えてドキッとする方、白でした。フリル付きだと、アンダースコートに見えてしまうのではないかと考えていたみたいです。パンチラに対するこだわりを感じましたね。彼女にお願いして本当に良かったと思いました。
──この動画では、シュシュを21通りの拾い方で拾っています。ところでこの『絶対に下着がみえない拾い方の研究と考察』はパンツは見えた方がいいのですか? それとも、見えないところに意味があるのでしょうか?
野平 僕は見えない方がいいと思います。撮影を初めた当初は、すべての拾い方でパンツが見えた方がいいと思っていたのですが、撮影しているうちになぜか見えると、悔しくなってきたんです。見えない拾い方を考察するという自分で作ったルールがあったからかもしれません。
──ちょっと、分かる気がします。タイトルを見て、「これは見えないだろうな」と思いながら再生し、パンツが見えてしまった場合は、「えっ!? 見えちゃうんだ」という、ありがたいような残念な感覚がありました。そんな中、「ボールボーイ」が見えなかった時はちょっと感動すら覚えましたね。
野平 そうなんです。でも、あれが見えないのは意外でした。あのあと、あのポージングを取ってもらったまま、下から覗き込んだりしたのですが、見えなかったですね(笑)。実は全部の動画をローアングルで撮影しているので、通常の立っている目線では見えない拾い方もあるんです。例えば「片手前屈拾い」なども、本当ならば見えないですね。
──なるほど。しかし、日常生活の中で一番多い拾い方だと思われる「片手前屈拾い」でパンツが見えるって夢がありますよ! ちなみに今回のユニークな拾い方は、どのようにして思いつかれたのでしょうか?
野平 名前先行の部分がありますね。まず、「クラウチングパビリオン」を思いつきました。しゃがみ込むクラウチングスタートの体勢を取ってもらい撮影したいなと。ただパビリオンは、響きがいいなと思ったので後付けです(笑)。そしてそこから、どのような拾い方があるだろうかと考えました。しかしそれだけだとつまらないので、ちゃんと拾い方を考えて名前を付けたものもありますよ。
──「篤姫伝説」は名前も拾い方も異色で面白かったです。
野平 これは作っていく中で自分が拾わずに、誰かに拾ってもらうのもいいのではないかと思い、お姫様のイメージで作成しました。なぜ篤姫なのかというと全体的に「乱れ牡丹」など和風な感じの名前が多いためです。ちなみに呼ばれて出てくる男性は、野中さんのマネジャーさんです(笑)。
──急に登場されてビックリしましたよ(笑)。あと異色と言えば、「けんと淳子の夫婦拾い」が挙げられると思います。こちらのモチーフは何ですか?
野平 これは、「8時だョ!全員集合」の志村けんさんと桜田淳子さんのコントからですね。桜田さんが、志村さんに叱責されて落ち込み、最後にフォローされて機嫌が良くなるという一連の流れを入れています。
──幼少時に見ていた記憶があります。数ある拾い方の中で、ネーミングがお気に入りのものはありますか?
野平 「内股のリヴィエラ」ですね(笑)。これは当時僕が「冬のリヴィエラ」という森進一さんの曲にはまっていまして。『紅白歌合戦』の森さんが最高にかっこいいなと思い、身体を屈ませながら半回転する拾い方を「内股のリヴィエラ」と名づけました(笑)。
──ええ!? では、タイトル自体に意味は……?
野平 まったくないですね。完全に名前先行です(笑)。しかしこれは拾った後の野中さんが、非常にいい表情をしているのでそこに注目してもらいたいです。
──動画の最後に野中さんがカメラ目線になると、女性のパンチラを見たのがバレた時のようなドキドキ感がありました。程良いエロスな動画ですので、再生回数も多いのでは?
野平 実はそこまで多くはないんです。YouTubeで公開しているので、全世界の人に見てもらいたかったんですが、海外の友人には「これ世界ではウケないよ」と、言われてしまいました。パンチラを愛でる文化はあまりないそうです。あとYouTubeは、規制が厳しいので、再生ランキングの上位に入ってもすぐランキングから外されてしまうんです。削除まではされないのですが、一応18禁にカテゴライズされたものもあります。
──確かにフェティッシュの感覚は、外国人には理解しづらいのかもしれませんね。ちなみに18禁とされてしまったのはどちらの作品ですか?
野平 「乱れ牡丹」ですね。これがやらしすぎると。
──なるほど。こちらより私は「ふんわりパニエ」の方がいやらしいと思いましたけどね。
野平 確かに「ふんわりパニエ」はいやらしいですね。一番のお気に入り動画です。しかしあれはいやらしすぎるので、正しい拾い方として認定はできませんでした。これは、パンツは見えていないのですが、パンチラ以上のエロスがあるなと。あとは、「ボーゲン拾い」が気に入っています。あれはパンチラをせず、認定もされたうえで、内股でかわいらしさが強調されていると思います。
──下着を見せずに着替えを行うさまは、女性の妙技ですよね。悔しいけど、感動すら覚えます。
野平 次はそれを収録しようかとも考えています。あの奇跡はぜひ映像化したいです(笑)。あれにもさまざまな流派があると思うので、それを探って形にしていきたいと思っています。
──数ある衣装の中から、制服を選んだ理由はあるのでしょうか?
野平 初めはOLも考えたのですが、スーツにタイトスカートではパンチラはあまりないですよね。加えて、世界に対して発表するので、人気のある女子高生の制服だろうと思いました。また、普段着だと基準が明確に出来ず、パンツが見えるか否かの境界線が測りづらいと思ったんです。そのため、今回は制服で収録することになりました。これって実は『けい●ん!』の平●唯の夏服をイメージしています。黄色のヘアピンがなかなか売っていなくて苦労しました。
──再現率は、コスプレAVで有名なTMAさんにも負けないクォリティですね。撮影途中で衣装変更などは考えられなかったのでしょうか?
野平 ありませんでしたね。本当に途中から真面目に実験として行ったので、基準がブレるのは良くないだろうと思っていました。
──これだけクォリティが高いものなのに、無料というのは少々勿体ない気もしますが。
野平 いえ、いいんです。作りたくて作ったので、これらを商品化することもあまり考えていません。
──自分の表現したいものを作り続けられるのは、素晴らしいと思います。いずれ女優さんたちから逆オファーが来たら面白いですね。
野平 そういうお話をいただけたらうれしいですね。あと野中さんは今度写真集を発売されるそうなのですが、この動画が出版するきっかけの一つになったそうなんです。出版社側もどのように出すのか悩んでいた際にこの動画を見せたところ『よし、制服でいこう』と決まったそうです。評価された気がしてうれしかったですね。
──今後も様々なフェティッシュ動画を作られるのでしょうか?
野平 そうですね。お蔵入りになった階段の角度もそうですが、先ほどの服の着替え方、もちろん違うシリーズとしてカッコイイ雑巾での床の拭き方などもしたいです。拭き方はもう純粋にキレイなポージングありきで撮りたいですね。もちろん、ちょっとフェティッシュな部分も入れたいなと思ってます。見ていると「あれっ!? 今見えたかも!?」くらいのものから、絶対に見えると思わせておきながら、見えないものなど、どのような形になるのか、広がっていくのかはまだ分からないですけど、こういう研究と考察は続けていきたいです。
パンチラから始まった熱いフェティッシュ魂を語ってくれた野平氏。彼が今後どのような実験をし、我々のフェチ心をくすぐってくれるのだろうか? 今後も彼の”研究”から目が離せない!
(取材・文=明日春人)
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