芸能取材歴30年以上、タブー知らずのベテランジャーナリストが、芸能界の裏側に横たわるオトコとオンナの深い業を掘り起こします。
ロックンローラーの内田裕也容疑者が、元交際相手の50歳の会社員女性に復縁を迫って、強要未遂と住居侵入で逮捕されたが、彼のストーカーまがいの行為は今に始まったことではない。しかも、女性への依存度もすこぶる高い。そんな内田が、年末年始に不倫騒動で世を騒がせたジャーナリストの山路徹氏を「正義を振りかざしてだました女に買ってもらった車に乗って、何が正義だ」と一喝して、メディアから喝采を浴びたが、内田と、女優・島田陽子の不倫劇を取材した筆者からすると、どの面を下げてそんなことを言っているのか、と違和感を感じたものだ。
島田は1980年に出演したハリウッド製作のドラマ『将軍 SHOGUN』でゴールデングローブ賞を受賞して”国際女優”と呼ばれるようになり、それ以降、芸能マスコミは島田の男性関係に目を光らせるようになった。筆者は当時、休刊になった隔週刊誌「微笑」(祥伝社)の記者だったが、同誌も結婚相手の男性を追って、取材に動き回っていた。確か、Sという男性の存在をつかんだと記憶している。しかし、その男性が本命かと思いきや、島zハワイのコンドミニアムで、内田とのツーショットを写真誌に撮られた。清純派女優と、不良性を売りにしたロッカー、この組み合わせには驚いたものだ。
この後も、内田は、妻・樹木希林と訴訟ざたにもなりながらも、離婚が成立しなかったために不倫関係は続いた。気性の激しい二人だけに、痴話げんかの話は常に聞こえてきたが、島田が当時所有していた伊豆の別荘で、内田のストーカー事件は起こった。島田が、伊豆の別荘から電話で別れ話を切り出したことに逆上した内田が、別荘に乗り込んで刃物を振り回し、復縁を迫ったのだ。大声で逃げ回る島田の声に、近所の住民が気がついて事なきを得たという記事を「微笑」が掲載したのを記憶している。幸い島田にケガがなかったことから、内田のストーカー行為は単なる痴話げんかとして片付けられた。
また、このトラブルで二人の関係は清算されるとばかり思っていたが、91年に内田が東京都知事選に出馬すると、島田は経済的援助を行う。しかし、金の切れ目が縁の切れ目ではないが、その後、島田が借金地獄に陥ったことで、不倫は終わった。
その後、こんなこともあった。内田は年末年始になると、毎年、ハワイにバカンスに出掛ける。その時のことだ。ハワイの寿司屋で、芸能人関係者が食事しているところに内田が現れて、全員の食事代を内田と同行していた40代半ばの理知的な女性が支払った現場を、筆者はたまたま目撃した。親しい芸能関係者に聞くと、女性は内田の愛人で航空会社の幹部だという。金に困らない独身女性が、見えっ張りの内田の大盤振る舞いを支えていたのだ。要するに島田の時もそうだったが、内田は”ヒモ男”と変わらない。
裏を返せば、内田という男、理知的な女が貢ぎたくなるほど、母性本能をくすぐるのかもしれないが……ストーカー行為はいただけない。
(文=本多圭)
ロックなオトコの品格は?