未曾有の大震災が起きる前々日、北海道・札幌である事件が起きた。
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女子高生、全裸男に下着奪われる 札幌・北区9日午後11時25分ごろ、札幌市北区の路上で、帰宅途中の女子高校生が、背後から近づいてきた全裸の男に押し倒され、身に着けていた下着などを奪われた。男は徒歩で逃げた。女子高生は手に軽いけがをした。札幌北署は強盗事件として調べている。同署によると、男は30～40歳ぐらいで身長約165センチ。小太りで眼鏡をかけていた。（「北海道新聞」3月10日）
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まず、下着強奪事件というのは、決して珍しい犯行ではない。例えば、1994年には23歳の男が5カ月で約20件も女性を襲っては下着を奪う事件を起こしていた。いずれも目的は女性のはいていたパンティーだけで、女性本人には一切興味を示さなかった。身体に触れたのは女性が抵抗した時のみで、抵抗せずに下着を脱いで渡すと、そのまま受け取って逃走したという。
ほかにも、次のような事件が各地で起きている。
◎2000年8月、都内で女性を襲っては身に着けていた下着を奪って逃走していた34歳の宗教法人職員が逮捕される。自宅から約100枚の女性の下着が発見。
◎2004年8月、福岡県で41歳の高校教師が帰宅中の女子高生を路上で押し倒し、下着をはぎ取って逃走。「4、5年前から20人以上やった」と供述。
◎2005年3月、31歳無職の男が女子高生ばかりを狙い、脅してはその場で下着を脱がせ奪っていた。「10回くらいやった」と供述。
◎2006年4月、埼玉県富士見市で27歳の男が下着を奪おうと22歳の女性を襲う。
◎2006年11月、24歳の男が深夜1時過ぎ、帰宅中の24歳スナック勤務の女性を路上で押さえつけて下着を強奪。
上記は多くの事件の一部であり、なかには強制わいせつに及ぶケースもあるが、ほとんどは下着だけが目的の犯行である。
しかし、今年札幌で起きた犯行は、犯人の男が全裸という点で珍しいケースといえるだろう。ただ、全裸で犯行に及ぶケースというのは、ほかにも聞いたことがある。都内に勤務するあるデリヘル嬢の証言だが、彼女は被害者で、その日の売り上げをすべて持ち逃げされたのだという。
手口は次の通りだ。いつものようにお客から呼ばれたので、ホテルに入った。「見かけは普通のサラリーマン風。別に怪しい様子はなかった」（デリヘル嬢）という。そして、ごく普通の仕事を済ませた。
ところが、ひと通りプレイが終わってから服を着ようと後ろを向いていたその隙に、背後でバタバタッという足音がしたかと思うと、ドアを開け閉めする音が続いた。あわててデリヘル嬢が振り向いたが、客の男の姿はなかった。そして、彼女の財布の入ったバッグもなくなっていた。
「やられた！」
そう思った彼女だったが、裸で外に出るわけにはいかない。すぐに着替えて部屋を出ようとしたが、見れば男の服や靴などがそのまま残っていた。
「上着やズボン、下着に靴下までそのまま。素っ裸で逃げたとしか思えません」（デリヘル嬢）
その日も、11月の下旬ごろだったという。全裸で逃げた男は、その後どうしたのだろうか。仮に近くに自宅があったとしても、往来を通らないわけにはいかない。深夜ならともかく、時刻は夜の8時ごろだったというから、まだ人通りがある時間帯だ。それとも、タクシーにでも乗ったのだろうか。そうだとしたら、運転手はさぞ驚いたに違いない。
ちなみに、彼女は財布に入っていた数万円とメモ帳などの私物を盗まれた。一方、男が置いていった上着のポケットにも財布が入っていたが、所持金は350円ほどだったという。
それにしても、所持金をそっくり盗まれたデリヘル嬢には気の毒だったが、ケガが無かったのが不幸中の幸いだったというべきだろうか。
（文＝橋本玉泉）
少年時代定番の遊びでした。