「低スペックでも結婚できる」はホント!? 低収入、低身長、低学歴の低スペック記者が検証!!

*イメージ画像:小説『SPEC I』著:西荻弓絵、豊田美加

 「三高」という、いまいましい言葉がある。「高収入」「高身長」「高学歴」の3つがそれで、「女性が結婚相手に望むもの」として語られていた。対義語はというと「三低」で、「低収入」「低身長」「低学歴」がそれ。一般に三低は、結婚相手として選ぶのにふさわしくないとされる。

 本稿を執筆するタコ野パウル(仮名)は、絵に描いたような「三低」男子である。安月給で働く末端労働者であり、住まいはJR新宿駅から特快電車で1時間、家賃3万円の安アパート。身長は164.5cmで、日本人男子の平均よりも8cmも低く、これを偏差値に直すと 36.04となる。最終学歴は、世間的には高校卒業よりも下とされる、大学中退だ。顔面は下の中といったところか。これをもって堂々と、社会の最底辺、「ウルトラ低スペック男子」を自称させていただくこととする。  そんな現状ゆえに、いかに「婚活」華々しかろうとも、結婚とは無縁だろうと思っていた筆者にとって、朗報とも言えるデータが飛び込んできた。

 電通総研が、23歳から49歳までの757人の独身女性を対象に「結婚に譲れない条件」を調べたところ、

「年収が高い」15.1%
「身長が高い」11.1%
「学歴が高い」4.8%
「大企業に勤めている」2.2%

 という結果となり、世の女性たちの「三高」へのこだわりがもはや過去のものとなったようなのだ。

 一方、結婚に譲れない条件の中でも特に回答数の多かったものは、

「信頼できる」68.0%
「価値観が近い」64.1%
「安心できる」61.4%
「一緒にいてラク」60.1%

 となっており、経済面よりも精神面に重きをおいた項目がランクインしている。もっとも、51.0%の女子が、結婚に譲れない条件として「仕事や収入が安定している」を挙げているのも事実。特別高収入でなくてもよいけれど、低収入なオトコは問題外、やっぱり結婚には「定収入」が必要、ということだろう。

 もちろん筆者のような三低男の場合には、「仕事や収入が安定している」などという状態とはかけ離れており、この時点で結婚できる女性は、全体の49.0%まで一気に下がる。結局のところ、経済力が結婚のカギとなっていること自体に、大きな変化はないようだ。  

 それでは、婚活市場における「三低男」の価値はどの程度のものなのか。それを確かめるために、携帯のメモリダイアルに登録されている女性計10人に、メールを利用し、年収や学歴などの”スペック”をつぶさに記した上で、「結婚してください!!」と求婚を申し出てみた(一斉送信!!)。その結果、計3人から返信を得ることができたので、以下に紹介したい。

1.サキさん(仮名)25歳 ※巨乳
真っ先に返信を返してくれたのが、美術学校に講師として勤めるサキさん。その内容は、「今の彼氏とうまくいっているので、パウル君のことは考えられません。ゴメンね」というもの。その後詳しく聞いてみたところ、結婚も考えているという1歳年上の彼氏は、身長こそ160cm台であるものの、大手メーカーに勤務するイケメンエリートとのこと。順調な恋愛を応援していきたい。

2.ユミカさん(仮名)24歳
「どうした、頭が逝かれたのか?」という、ある意味当然の返信をくださったのがユミカさん。気まず〜い感じになったところで、今回の企画趣旨を説明したところ、 「お前のそういう、ひがみったらしいところがダメなんだと思うよ(´・ω・`)」 という、絵文字入りのかわゆいお返事をいただくことができた。

3.アケミさん(仮名)推定32~33歳
適齢期も後半にさしかかり、唯一の望みか!? と思われたアケミさんだったが、筆者からのアプローチに対しては、「婚活中なので×」と、そっけない返事。いやいや、婚活中ならなおのこと、ワタクシのプロポーズをお受けいただいてもよろしいのでは? と詰め寄ったところ、 「あんたみたいなのと結婚しなくてすむように、みんな婚活してるんだから」 という、ごもっともなひと言が(これも、世に言うツンデレだろうか)。  

 さて、この中で一番まともに取り合ってくれたアケミさんに、今回の企画趣旨を話した上で、例の統計に目を通していただいたところ、以下のような意見が得られた。

「信頼感とか安心感のある男の人って、大抵仕事もキッチリこなしてくれるから、生活に支障ないでしょう。稼ぎがあまりに悪い男は『信頼できる』にも『安心できる』にも当てはまらないわけだし。結局、世の女性の求める理想のダンナ像は、あまり変わってないんじゃないですか」  

 つまるところ、非モテを嘆いているような男たちは、まずは仕事に精を出しなさい、というのが彼女からの助言であった。  

 「現在の20代男性の3人に1人が生涯未婚」という調査結果もあり、結婚へのハードルが過去に例がないほど高いものとなっている現代。バブル期のように、「三高が当たり前」の風潮こそ衰退しつつあるものの、今回の結果からも、やはり三低では結婚を前提とした恋愛はキビシイ、という女性たちの本音が聴こえてくる。「貧乏だけど家庭を築きたい!!」という世の男性たちには、かなりの努力が必要なようである。
(文:タコ野パウル)

『あなたより貧乏な人』著:岡崎武志

 
見たいような見たくないような


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