業界の裏話だが、新人のAV女優がデビューするとき、セルショップの店長たちを一堂に集めたお披露目イベントがある。通常なら、その場での女優本人からの挨拶は形通りの二言三言で終わり。だが「どうしても自分の言葉で語りたい」と長々と自分語りを始め、感極まってついには泣き出してしまった新人女優がいる。その衝動的とも言える赤裸々な本心の吐露は、多くの店長方の心を鷲づかみにし、結果的に幸先の良いスタートを切るきっかけとなった―――。その一本気でまっすぐな新人女優とは、10月8日発売の『絶対少女 葵つかさ』(アリスJAPAN)でAVデビューする葵つかさちゃん。見た目は清純派、中身は表現力に溢れ、そして脱いだら豊満……。そんな魅惑的なギャップを無意識に、しかし奔放に操る彼女がAVデビューを果たすに至ったきっかけとは? そのルーツを探るべく、葵つかさの「自分史」への旅を開始する。
――一番古い記憶はどういうものですか?
つかさ「何歳くらいの頃だったかな……。ミッキーとミニーちゃんのぬいぐるみを持って歩いていたのをぼんやりと覚えています。ディズニーが大好きでしたね」
――幼い頃はどんな子どもでしたか?
「どちらかというとボーイッシュな女の子だったかも。放課後や休みの日は、男女関係なくみんなで仲良く遊んでいましたね。私の家に5~6人で集まって、アイスを食べたりとか(笑)。秘密基地を作って、こっそり猫を飼ったりもしましたね。あとは冒険。『今日はひたすら南に行こう!』なんて。ほかにも川を水源に向かってずっと辿ったりとか、アウトドアな遊びが多かったです」
――その頃好きだったテレビ番組は?
「『世界ふしぎ発見!』とか『金曜ロードショー』とか。冒険家志望だったので(笑)、旅モノが好き。母親が海外旅行が好きで、私もよく連れて行ってもらっていたんですよ。アメリカだったらロスとかシカゴ、ラスベガスとか。ケアンズやカナダに行ったときは壮大な自然に感動しました!」
――じゃあ英語もペラペラ?
「いや、全然しゃべれません(笑)。勉強大キライだったし(笑)。旅行はツアーとかじゃなくて、向こうに住んでいる母親の友だちの家に泊めてもらうって感じで。その家の子と遊んだりもしたんですけど、子ども同士だとジェスチャーで結構通じちゃうものなんですよ」
――人見知りはしないの?
「めっちゃします! でも同時に好奇心も強くて。『まずはなんでもやってみよう!』と思っちゃうタチなんです。自分の知らないこと、未知の体験をひとつずつ経験していきたいですね」
――知的好奇心が旺盛なんだね。
「たとえば食べ物でも、本当にそれを食べたいかどうかが重要なんじゃなくて『食べた』っていう経験値が欲しいんです。その好奇心ゆえに、いろんなことに手をつけて全部中途半端になっちゃったりもしますけどね(笑)」
――自分の性格を分析すると?
「優柔不断だけど行動力がある! あと、負けず嫌いだけど実は結構凹みやすいです。すぐ泣くし……」
――どんなときに?
「真剣にしゃべってる最中に感極まって泣いちゃったりとか、変なところで(笑)。テレビのドキュメンタリーや感動系の番組でもじわっときます。悔し涙を流したのは、中学校の吹奏楽部での関西大会。もともと私のいた学校は強豪校と言われていて、目標も全国大会出場でした。でも、関西大会では2位で……。悔しかったですね。私はアルトサックスを吹いていて、サックス全体のリーダーも務めてたんですけど、あの頃は生活のすべてが部活でした」
――音楽が好きなんだね。
「はい。ジャズとかよく聴いてましたね。4歳からピアノを習っていて、昔はピアニストになりたかったんです。ゆくゆくは音楽の道に、と思っていました」
――高校では続けなかったの?
「中学校で完全燃焼したんで(笑)。高校に入っても吹奏楽部はあったんですけど、だらだらムードだったんで『だったらやらない』と。で、テニス部のマネージャーをやっていました」
――珍しいね! やっぱりスポーツマンが好きなの? ナンパなタイプは嫌い?
「はい(笑)。一生懸命打ち込んで汗を流している姿に惹かれますね。ナンパとかは好きじゃないです。されてもさらっと流しちゃう。スカウトとかはとりあえず『名刺ください』って言って、もらった名刺は全部今の事務所の社長に渡しちゃう(笑)」
――見た目が好みどストライクの人でも?
「どストライクだったら……ついて行っちゃうかも!(笑)」
――(笑)。男性の意見には従うほう?
「好きな男の人がいたら、自分のやりたいことよりその人の言うことを重視しちゃいます」
――ちょっと意外かも! 休みの日は何してるの?
「街をブラブラするのが好きです。何もなさすぎてもイヤだし、でも人ゴミも好きじゃない。大阪のミナミあたりが落ち着きますね。あと札幌の田舎のほうとかも好きです。下町くらいがちょうどいいですね」
――大阪に住んでるんだよね。移動が多くて大変でしょう。東京への憧れはないの?
「ないです。東京はちょっと騒がしすぎるかな。ひとりで移動のときはiPhoneでひたすらゲームをやってるんで、意外と充実してますよ(笑)。アプリは音楽系のが多いです」
――いま住んでる部屋はどんな感じなの?
「茶色&モノトーンでしっとりと。やっぱり自分の部屋は落ち着くところにしたくて。理想はマッサージサロンの雰囲気です。暖色系のライトがあって、アロマを焚いて……みたいな。体にいい環境や自分にいいモノが大好きで、本能の赴くままにそういうことを求めてます。あと、欲を言えば猫を飼いたい! 実家ではずっと飼ってたんですよ。猫の手が大好き!」
――悩みとか、あったりする?
「いっぱいありますよー。結構深く考えちゃうんで。『楽しく生きよう!』っていうのを目標にしてるんですけど。意外とできてないのかな、とも思います。楽しく生きるために生きてる、って感じですかね」
――最後に、読者へメッセージをお願いします。
「どんどん大きくなっていくと思うので、応援して欲しい! 素直にそう思います。昔、占いで『表現することに向いている』って言われたんですよ。そうやって自己表現をして人を感動させられたらうれしいです」
インタビュー中も外見と内面のスリリングなギャップでスタッフを惹きつけっぱなしだった葵つかさちゃん。好きな”音楽”や”表現”を活かして、これからいっそう活躍してくれるに違いない。作品の内容と併せて楽しみだ!
(取材・文=飛澤良子/撮影=岡崎降生)
どうですか、焼きそば食べてるだけなのに、この可愛さ!