いまや働く男女の半数近くが経験しているという、社内恋愛。同じ社内にいるからこそ感じる楽しいところ、大変なところの両方があるというのが一般的なイメージかと思われるが、JTBモチベーションズの調査では興味深い結果が出ている。アンケートでは、まず仕事に対するモチベーションと職場に好感を持っている異性の有無を聞き、相関性を調べた。その結果、
・「職場や仕事の関係で好感を持っている、気になる異性がいる」と回答をした人では「自分自身の仕事に対するやる気は高いと思う」が74.2%だったのに対し、「好感を持てる異性がいない」人では、42.4%だった。
また、「職場内で好感を持っている異性がいる」と答えた人を対象に、複数回答でその理由を聞いたところ、女性では
・「性格や考え方に好感が持てるから」78.4%
・「仕事に前向きに取り組む姿に好感が持てるから」72.5%
・「仕事ができること、成果をあげていることに好感が持てるから」72.5%
男性では、
・「見た目(スタイルや容貌)に好感が持てるから」90.3%
・「立ち居ふるまいやしぐさに好感が持てるから」88.7%
・「仕事ができること、成果をあげていることに好感が持てるから」41.9%
さらに、「恋人にしたい人の仕事タイプ」を聞いた同アンケートでは、女性では
・「仕事を楽しむタイプ」35.6%
・「協調タイプ」14.4%
・「スペシャリストタイプ」11.0%
だったのに対し、男性では
・「プライベート重視タイプ」35.9%
・「協調タイプ」22.3%
・「スペシャリストタイプ」2.3%
という結果だった。
「職場に好きな人がいる!!」 というだけで、ガゼン仕事もやる気になってしまうのは、意外なほど多くの人に共通しているらしい。しかし、職場の異性に好感を持つ理由については男女で大きく差がつく形となった。「女は仕事のデキる人が好き」は耳にタコができるほどよく使われる表現だが、アンケートの結果からもそれが正しいことが分かった。仕事のデキる人がいる職場では、そうでない職場よりもモチベーションがアップするというのはある意味当然である。その方が仕事がやりやすいだろうし。
それに対し、男性の場合はとにかく容姿や雰囲気を重視する傾向があるようだ。男たちはそこに美女がいれば、否応無しにやる気になってしまう単純な生き物なのかもしれない。実際に都内に住むサラリーマン、OLに社内恋愛のきっかけを聞いたところ、
「彼女が入社してきてすぐ、ひとめ惚れ」(27歳会社員)
「同期として、内定が決まったときから意識してました」(23歳会社員)
といった人が非常に多い。また、付き合ってからは女性のほうが積極的になるようである。
「毎日お昼休みはあわせてとって、非常階段でチュッチュしてます」(26歳OL)
「内線で連絡し合って仕事終わりに待ち合わせてデート。誰かに見られるとイヤだから離れた駅で遊んだりしてるけど、彼の仕事の顔とプライベートの顔のギャップが楽しい。社内でも二人っきりになるとついイタズラしたくなっちゃう」(30歳OL)
「彼は嫌がってたけど、残業してるのがたまたま私と彼だけになって……、ちょっかい出したら彼のほうも乗り気になちゃって、最後までシちゃった。普段仕事してるところでヤってるって考えただけで興奮しちゃって、ヤバかった」(25歳OL)
日本食研のように社内に「社内恋愛神社」なるものを設置し、社内恋愛を大推奨している会社ならともかく、古い体制の会社ではいまだに社内恋愛を実質的に禁止しているところも多い。そういった会社ではもしバレてしまった場合、どちらかが左遷されるケースが非常に多く、当人が自主的に退職するということも少なからず起こっている。また周囲に交際が知れ渡っている場合、もしも別れてしまったときに気まずい。男性の場合、下手なフリ方をすると女性に悪評を流され、出世に影響することもある。こうしたリスクに脅える男性を尻目に、女性は
「みんなに公言して、応援してもらいたい」(26歳OL)という人も多い。これはひとえに男女の結婚へのモチベーションの差なのかもしれない。男性のみなさんは社内の美女というエサに飛びつく前に、よ~く考えた方がよさそうだ。
(文=ヨーコ)
社内恋愛は男の夢?