万国の知識の集まる世界最大の百科事典サイト、Wikipedia。記事の文体などはあくまでも百科事典でありながら、項目数は多ジャンルにわたり、2ちゃんねるの標榜する「ハッキングから夜のおかずまで」を地でいくような巨大サイトである。
そんなWikipediaが、隠れた「無修正画像のメッカ」となっていることを知れば、驚く人も少なくないだろう。
学術的な文脈の中に突如として現れる過激な画像。「読者は掲載されている画像に欲情しない」という妙な前提あってこそのこの光景に、なおさらの興奮を覚えてしまうユーザーも多いことと思われる。そう、辞書の中に卑猥な感じの語句を見つけて楽しむ中学生のように。
たとえば、Wikipediaで「ブラジャー」を調べてみるとどうなるか。文化面でのブラジャーへの考察、ブラジャーの発達の歴史とともに、そこには乳首丸出しのハーフカップブラを装着した白人巨乳女性の画像が表示される。あくまでも、「これはエロ画像ではなくて、参考資料ですよ」というスタンスだが、それでも表示されているものが乳首であることには変わりない。他にも、「BDSM」や「スパンキング」といった項目には、興奮できる画像がめじろ押しだ。
そんなWikipediaだが、さすがにこれは人目には触れさせられないという理由から、「一般のユーザーには見せられない画像」のリストを作成しているのをご存知だろうか。それこそが、伝説の「Bad_image_list」(バッドイメージリスト)だ。中には、無修正の女性器のドアップ、海外AV女優の無修正全裸画像から、「女性の放尿の瞬間」といったマニアックなものまで。セックスの様子を描いた、独特のタッチのイラストレーションも多数存在している。
ただし、中には吐瀉物や死体などのグロテスクな画像や、包茎ペニスの画像も含まれているので、ある程度の英単語の予備知識をもってから臨むことが好ましい(Bad_image_listを閲覧して、どんな結果になっても筆者は責任を負いません)。
それでは、Wikipediaに掲載されているような、被写体の側からすれば「恥ずかしい」ハズの画像は、いかにして撮影されているのだろうか。
「基本的にWikipediaの記事には権利関係のクリアーな画像しか掲載できないので、こういうのは自画撮りか、カップルによる撮影プレイの産物がほとんどですね。ChatRouletteでオナニー姿を見せる男女もそうですが、自分の恥ずかしい姿が公然と晒されていることに快感を憶える人々が、あえてそういった記事に、自らの画像を投稿しているようです」(Wikipedia編集歴4年の男性)
我々に無限の知識を与えてくれるフリーのオンライン百科事典、Wikipedia。その中にあるエロ画像も、独特の需要と供給の上に成立しているようだ……。
(文=タコ野パウル)
『Wikipedia ウィキペディア 完全活用ガイド』著:吉沢英明
著者は日本語版の管理者