古今東西、処女は神聖な存在、価値のある存在として扱われてきた。現在の日本では、非処女に対して比較的寛容な世論が形成されつつあるが、非処女が増加傾向にあるぶん、処女の価値は相対的に高まっているといえるだろう。人気アイドル声優の平野綾がフジテレビのトーク番組で恋愛経験について語り、ファンが「俺たちのあーやが非処女確定!!」と恐慌状態に陥ったことは先日お伝えしたとおりだ。
近年、ネット上では非処女に対して過激な言動をする人々のことを「処女厨」と称しているが、処女にこだわるのはなにも日本のオタクばかりではない。歌舞伎界きっての遊び人、市川海老蔵が小林麻央を妻に選んだ理由も「処女だったから」という噂がまことしやかに囁かれている。そして事実、海外では処女に破格の値段が付けられているのだ。
今月5日、英国の大衆紙THE SUNでハンガリー女性が自分の処女をネットオークションにかけ、それをイギリス人男性が20万ポンド(約2,700万円)で落札したと報じられた。しかしこの契約、現在は取り消されてしまっている。
自らをオークションにかけた女性は、17歳のブロンド女子校生。医学部への進学費用のほか、母親の借金を返済するために処女を出品したという。元々はオークションサイトを利用していたのだが、運営会社によって削除されてしまったため、自身でブログを立ち上げてオークションを継続していた。
彼女の思惑通りに膨大な数の入札があり、価格はどんどん吊り上がっていった。だが、メディアに取り上げられると同時に批判も増えていった。また、オークションの件を母親に伝えたところ、当然ながら猛反対。そして、落札した男性は彼女に対して一度限りの性交渉ではなく、結婚を求めてきた。これが決定打となったらしく、女性の側から契約をキャンセル。借金の返済は叶わなかったが、彼女の貞操は守られたようだ。
さて、処女を出品するというアイデアはかなり衝撃的だが、彼女以前にもたびたびこうした出来事はあった。
処女ネットオークションの元祖は、2008年9月に処女を出品した、カリフォルニア州に住む当時22歳の女子大生。物珍しさも手伝ってか、370万ドル(約3億2000万円)の額が付けられたのだが……。落札者はオーストラリアで不動産業者を営む男性だった。彼女に25万ドルの手付け金を払うなど、冗談で落札したわけではなかったという。しかし彼は既婚男性で、妻にバレてしまったために契約はご破算。結局手付け金も返すこととなった。
同年同月、イタリアではこの件を模倣したのか、テレビでも活躍する美人モデルのラフェーラ・フィコが自らの処女を100万ユーロ(約1億2000万円)で販売して話題となった。しかし、彼女は落札後に一方的にキャンセル。イタリアのメディアは「売名行為だ」として、こぞって大ブーイングをした。さて、この「売名行為」が成功を収めた結果かは分からないが、昨年夏にはイケメンサッカー選手、クリスティアーノ・ロナウドとの恋人関係が報じられている。一時的な遊び相手に過ぎなかった様子だが、欧州トップクラスのゴールゲッターが彼女の処女をゲットしたのだろうか……。
これまでの例は残念ながら落札後、処女を喪失するところまでは行き着いていない。ネットオークションで処女をゲットするなんて、夢のまた夢ということなのだろうか…と、諦めるのはまだ早い。実際にネットオークションから初夜まで到達したケースもあるのだ。しかも価格は日本円で約130万円というお手頃(?)プライスだ。
処女を出品したのは、18歳のルーマニア人女性。落札者は45歳のイタリア人ビジネスマンだった。海外メディアのインタビューによると二人はお互いに気に入ったらしく「次に会うときはお金を取らない」と語っているそうだ。たとえネットオークションがきっかけでも、幸せな年の差カップルが生まれたのであれば問題ないのだが、この話には続きがある。彼女が留学しているドイツでは、売春は合法である。しかし売春には50%の税金がかかるという。本人は「売春ではない」と主張していたが、金銭を対価にSEXをするのは紛れもなく売春行為だ。
ちなみに、今年の5月「Yahoo!オークション」で「落札者の家に1泊2日する権利 」を出品する女性がいたが、いたずら入札によって99億9999万円という高値が付き、最終的には運営側から削除されてしまった。性行為や処女といったオプションは付いていなかったが、実際に入札された場合にどうなっていたかは分からない。
それにつけても「処女」にはすさまじい価値があるようだ。イギリスのある調査会社のレポートによると、日本人が処女・童貞を喪失する平均年齢は2007年の時点で19.4歳だという(世界平均は19.25歳)。日本の女性には、場合によっては億単位の価値がある処女を、気軽に喪失しないようにして欲しいものだ。男性にとっては逆に、自分に億単位の価値がないと、処女を娶れないという言い方もできてしまうが。それこそ歌舞伎界のプリンスのように。
『だれでも一度は、処女だった。』著:千木良悠子、辛酸なめ子/理論社
いつか懐かしむ時も来る