2006年、芸能活動を続けながらAVデビューを果たす、奇跡の現役芸能人AV女優を発掘する一大プロジェクト「SOD STAR」がスタート。その第一弾としてAVデビューした範田紗々ちゃんは、ファンからもスタッフからも愛され、いつの間にかSOD史上もっとも長期間専属女優を努める超人気女優へと成長を遂げた。
そんな紗々ちゃんが遂にAVからの卒業を決意。この壮大な引退作を残し、新たなる道へのスタートをきった。
引退作はディスク3枚の超大作! 1枚目はラストファック4本番を収録した撮り下ろし作品。そして、残る2枚はデビュー作以降の全47タイトルを網羅したダイジェスト版と、紗々ちゃんによるベスト10作品の発表インタビューが収録されている。
では、撮り下ろしの本編から紹介しよう。引退にあたって、生まれ故郷でもある横浜の街を散策する紗々ちゃん。港の見える丘公園、中華街、山下公園など想い出の地を巡りながら、これまでの人生とAV人生を振りかえっていく。
「4年間はあっという間でした。毎日もの凄いスピードで、遅れないようにしなきゃって頑張ってました」
深い郷愁に瞳をうっすらと潤めながらも、今は泣くまいと堪える顔が健気で愛らしい。その後、スタジオに移動して最後のセックス撮影に臨むのだが、ここからがSODの憎いところ。なんと、デビュー作を撮影した同じスタジオ、同じ部屋が用意されていたのだ。
最期を飾る4回のセックスは、どれも溢れんばかりのエロスと興奮を伝える迫力に満ちたもの。言葉もなく快感を貪ることで不安や寂しさを乗り越えようとする彼女の想いが、ひしひしと伝わってくる。もしくはAVでしか味わえない高揚感を肉体と心に刻みつけようとしているのかもしれない。頬を真っ赤にして目に涙を浮かべてまぐわい、終わったと同時に涙で言葉をなくしてしまう彼女。汗と涙でメイクが流れおち、本当のすっぴんで感謝の言葉を述べる姿が、胸にキュンと衝撃を与える。
また、デビューからの全作品を振りかえる8時間にも渡るコレクションも必見。デビュー作では、まだ幼さを残すウブな美少女が、さまざまな経験を重ねて、一人のオンナとして巣立っていくまでの道筋が手に取りように分かるのだ。
今ごろは、一芸能人として懸命に”今”を突き進んでいるであろう紗々ちゃん。彼女がAV史に刻んだ功績は、本当に深く優しいエロスに満ちていたのだと、その歴史を辿り、改めて感動を受けた。
(AV評:文月みほ)
◆メーカー:SODクリエイト◆品番:STAR-226◆時間:620分◆価格:2980円