これまでに経験した合コン回数2,000回以上、”お持ち帰られ率87%”と豪語する、自称肉食系モテライター・桜木ピロコ。山手線の主要駅すべての公衆トイレに「すぐヤラせてくれるよ」という口添えと共に桜木の携帯番号が書かれていたことがある、という逸話を持ち、元カレ数1,000人超えの桜木が、「モテる男とは何か」を自身の経験から紐解きます!
「よし。これからはハッタリで生きて行け」
アタシがフリーで書き手を始めると言ったときに、父親がくれた名言である。で、そんなカンジで生きてきて、まぁまぁの今があるから、ハッタリってのも大事なんだと思う。
さて、アタシがイヤな意味で「忘れられないわぁ~」と思っているあるオトコも、ハッタリ上手な輩だった。
彼は、とある有名な音楽関係者。ちょっとは名の知れた人物だ。それだけで彼は充分プライオリティが高いんだと思うけど、アタシはあんまりグッとこなかった。出会って数日後、デートの運びとなったのだが、なぁにせ、話がつまらない。食べ物の趣味も合わない。アタシはキュウリが好きじゃないの! なのに、なんか、キュウリのおつまみばっかり頼むしぃ。キュウリは下のお口でいただくものなのに。
そんな彼だから、「今日はセックスなしだな。はぁ。まったく、時間のムダだったね。こっちのマ○コは暇じゃねーんだよ」と、心で悪態をつき、明け方諦めかけて帰ろうとしていたアタシ。
「オレさぁ、300人以上とセックスしたことあるんだよね」
はい。きましたぁ~。この一言で、なぜかこれまでぼんやりとしていた彼が超絶エロスな美青年に見えてきたんだから不思議。
それまでひとつに結んでいた髪をハラリと解くと、艶やかな黒髪が浅黒い顔にかかりなんとも色っぽい! ああ。言葉はマジック。「300人とセックスしたってことはうまいんだろうなぁ」。アタシはもうそのことしか考えられずに、居酒屋で黒烏龍茶3杯しか飲んでいないのに3,000円を徴収されたにもかかわらず、のこのこと彼の家までついて行ってしまった。
結果。
最悪~。ただの早漏だった。しかも「あれぇ、いつもはこんなんじゃないのにぃ」と、ご丁寧な女々しい言い訳つき! くわぁー。ヤダヤダ。
本来であればセックスに結び付かなかったハズの関係を「ハッタリ」で乗り越えた彼。勝因はもちろん「ハッタリ」。男だったら、ちょっとくらいかましてやったほうがいいのかもしれない。人は強い生物について行くものだ。
実際、アタシにとっては都合のいい相手でしかないが、彼は一部には熱狂的なファンを持つモテ男。やっぱり「ハッタリ」って大事なんじゃないの。と、アタシは思う。
■桜木ピロコ(さくらぎ・ぴろこ)
作家。跡見学園女子大学文学部国文学科卒。同大学同学部近代日本文学研究課程修了。通商産業省貿易局安全保障貿易管理課ならびに輸出課非常勤職員、イベントコンパニオンを経てフリーランスに。趣味は合コン。近著『もっと知りたい! オンナのコのひとりえっち』大好評発売中。
オフィシャルブログhttp://ameblo.jp/sakuragi-piroko/
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