インドネシア・バリ島で、牛とセックスをした10代の男性が、その牛と結婚させられるという事件が起きた。村人たちが、男性が全裸で牛と一緒に田んぼにいるところを発見。牛とセックスをしたことを認めた男性が「牛が誘ってきた」などと言い出したため、村を清める意味で強制的に牛との結婚式が執り行われたという。挙式後、牛は近くの川で溺死させられ、男性が着ていた服も流された。
海外では獣姦が法律で禁止されている国が多く、たびたび獣姦事件が警察沙汰としてニュースになる。特にキリスト教圏では、『旧約聖書』に「獣と寝る者は死刑に処される」と書かれていることもあり、獣姦がタブー視されている。だが、タブーだからこそ惹かれるのか、単に異性との接点を持てないのか、ここ数年だけでも、動物愛護協会に勤めながら引き取った犬と性交していた米国の女、他人の牧場に忍び込んで4年間に400頭以上の牛を犯した上に殺害していたブラジルの男、動物保護施設で働きながらオス犬と交尾していた米国の男(もちろん入れられる方)など、数多くの獣姦事件が新聞の三面記事をにぎわしている。
日本では、動物愛護法によって動物の虐待が禁止されているが、獣姦は規定されておらず、犯罪には当たらない。他人のペットや家畜を犯したとしても、ケガをさせたり死亡させた場合のみ、器物損壊罪となるだけである。そのためニュースになることはなく、日本人にとって獣姦は馴染みが薄い気もするが、女性が動物と交わるビデオ作品は密かな人気があり、犬がAV女優に中出しするAV作品『獣皇』(グローリークエスト)は、50作近くも続く長寿シリーズとなっている。ちなみに、獣姦ビデオに出演した某AV女優は「犬のモノが性器に入ってくると物凄く熱い。サイズは人間に近いけど、挿入してから膨らむし、感覚が全然違う」と、男だけでなく普通の女性もまず知ることができないであろう体験談を語ってくれた。
女性と獣のセックスに興奮する人々がいる一方で、世界に流通する獣姦ポルノビデオの約80%を生産していた獣姦大国・オランダが、今年2月に獣姦を禁止する法案を可決し、世界の獣姦マニアに衝撃が走った。アラブの油田がストップしたようなものであり、獣姦ビデオ存続の危機である。いや、一般人にとっては、どうでもいいことだが……。
動物虐待であることを除けば、誰にも迷惑を掛けていないように思える獣姦。しかし、人類とって深刻な被害を出しているとする見方もある。人類の脅威となっているエイズは、HIVに感染したチンパンジーと性交した人間から広まった説が有力視されており、かつて猛威を振るった性病・梅毒も元々は家畜の病気だったとする説がある。獣と交わろうなどと余計なことを考える人間がいなければ、失われずに済んだ命は多かったのかも知れない。さらに、今後行われる獣姦によって未知の難病が発生する危険性もある。
このように、人間と獣が交わることは倫理面以上に衛生面が問題となるが、病気の発生を全く心配せずに済む”異種姦”もある。
英国に住む自動車整備工の男性は、自動車を愛するあまり、ガレージで愛車を相手にセックスをするようになった。その男性は、20年間で30台以上の車と関係を持ったといい、車以外にもモーターボートやジェットスキーと情事を交わしたことがあるという。いわゆる「対物性愛」というものだと思われるが、この男性に限った趣味というわけではなく、海外には車とセックスする方法を解説するサイトが存在している。説明文によれば、車の排気管にペニスを入れて性交するそうで、英国の男性も同じ方法で車とのセックスを楽しんでいたようだ。愛車を恋人のように大事に扱う男性は少なくないが、セックスできるほど愛情を注げる者は少ないだろう。
対物性愛は、無機質な物に愛情を抱き、性的に惹きつけられてしまう倒錯趣味のことをいう。1979年にベルリンの壁と結婚した女性が世界初とされ、ボディラインがセクシーだという理由でエッフェル塔と結婚したスウェーデン人女性、マッキントッシュ(パワーマックG3)を恋人にした米国のゲイ男性などのケースが報告されている。いずれも対象の物体にキスをしたり、顔をうずめるなど、愛情たっぷりの”性的接触”を楽しんでいる。
動物や自動車とのセックスは、どうやっても一方的な愛情・性欲処理となるため、何らかのトラウマによってコミュニケーション能力が不足したことに由来する性癖ではないかと分析したくなるが、エッフェル塔やパソコン本体と恋人関係になるという荒唐無稽なケースになると、そんな分析すら無意味に思えてきてしまう。種族の壁どころか、有機物と無機物の絶対的な垣根すら越えようとする人間の性の奥深さは、奈落に続いているのではないかと思えるほど底が知れない。仮に底があったとしても、そんな恐ろしいものは絶対に見たくないが…。
わが日本でも数年前、愛しの二次元キャラのフィギュアに精液をぶっかけ、その画像をネット上にアップするという謎のパフォーマンスが流行したことがあった。まるで卵に精子をかけるオスのシャケのような行動だが、これも対物性愛の一種といえるだろう。二次元キャラを「嫁」と言い切る人々が存在する日本は、実は世界有数の対物性愛大国なのかもしれない。
(文=ローリングクレイドル/Yellow Tear Drops)
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