Twitterで爆発的に広がる口コミ可視化の社会とは?

同人誌即売会に刃物男あらわる!!  Twitter情報拡散の未来を象徴する事件に?

※画像は”刃物男”のtwitpicより

 4月11日、同人誌即売会サンシャインクリエイション(通称サンクリ)に刃物を持った男が現れ、女性に向けて振り回し始めた……というポストが、「Twitter」上に氾濫した。一人のツイートを発端にして、事件の顛末を求める声が相次ぎ、現場にいたサンクリ参加者が事件の光景を投稿し、大きな騒動となった。

 ことの顛末は、サンクリの会場に現れた男が、以前からの知り合いと思われる女性に対してナイフを向け、ナイフを奪われた後も走って追いかけたというもの。結局、刃物男はスタッフに取り押さえられ、警察に引き渡された。その時の模様はTwitterのつぶやきまとめサイト「togetter(トゥギャッター)」にまとめられており、一瞬でTwitter上を情報が駆け巡った様子が見てとれる。ちなみにサンクリといえば、先日、スタッフがファイル共有ソフト「Winny」を使用してウイルスに感染し、参加者の住所など個人情報がネット流出した事件を起こしており、やっと一段落したところへこの騒動。「ご愁傷様」という声も多く聞こえる。

 この刃物男もTwitterにアカウントを持っており、事件前の模様やナイフを用意している姿を画像にして投稿している。彼の投稿には、他には自身の顔写真や、「殺人衝動が過去最高値なう」などと書き込まれ、現在は、「池袋警察署なう」で更新が途絶えている。また、2ちゃんねるでは彼のmixi日記も発見され、事件の原因は、片恋慕のストーキングが高じたものであるらしいことなどが情報交換されている。

 さて、今回の事件に関するネット上のコメントで特に目を引くのは、情報が流通していく過程で「これはデマではないのか」という指摘が多かった点だ。これは、先日原宿で「芸能人が来た」という口コミによって若者が殺到し、将棋倒しのパニックになった事件や、2ちゃんねるの投稿から「川崎市の高津区役所で590人分の子供手当てを申請していたアジア系の人がいた」という情報が広まったもののデマと判明した事件などが話題になっており、口コミメディアの情報拡散力と、統制の難しさが表面化してきたからだと言えよう。

 これまでも、ホームページやメールなどで「来週処分されてしまう数十匹の子猫がいます」といったデマが拡散したり、チェーンメールになるという事例はあったが、Twitterの登場でそれが数分単位で数千人・数万人に行き渡ってしまうことから、今後もこのような問題は頻発することが予想される。

 今回のこの刃物男の事件は、事故報告と推測、予測が入り乱れながら犯人情報をダイレクトに入手できてしまうようになるまで、数時間もかからなかった。Twitterの普及率が高いと思われるオタク系のイベント会場でおこった事件ゆえの伝播力であることは確かだろう。しかし、口コミメディアがこれからさらに普及していくことを考えると、この情報拡散力と集約のスピードは驚異であるとともに、脅威として現れてくる可能性も否めない。前出の通り、嘘が真実として広まってしまうことも十分に予測できるからだ。メディアの発展とともに、個々人の高い情報リテラシーがいっそう求められるようになるだろう。

 

『140文字でわかるツイッター入門』

 
それにしてもわざわざ入門して学ぶようなことなのかしら


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