AV界にハードコアM美少女路線を確立させた立役者として人気の高い星月まゆらちゃん。一時期は裏方としてAV制作に携わっていた彼女が、遂に1年ぶりに主演作品を発表。それが本日紹介するこの作品だ。しかしこれは、復帰作であると同時に、女優・星月まゆらにとっての引退作となってしまった。内容は、コメディータッチのドラマ大作。しかも、彼女の役どころは美貌とセックスを武器にして、父親が築いたアダルトグッズ会社を乗っ取ろうと企む痴女社長。M女のポリシーはどこへ? しかも引退などどこにも謳っていない? それらの疑問をこれから説明しよう。
父親が突然死したことを聞きつけたまゆらちゃんは、社内葬のまっただ中にドハデなミンクのコートを纏って参上。祭壇の上に土足で昇って、社員数十名が見ている中でパンティを脱ぎ捨てM字開脚したかと思うと、いきなり遺影におしっこをひっかけ罵声を浴びせる。
「何をぼ~っとしているの? タイム・イズ・マネーよ!!」
立ちつくす社員達に喝を入れ、1本づつ丁寧にザーメンを絞り出し一気に飲み干すというパフォーマンスで虜にさせていく。やがて、まゆら社長の指揮の元で一丸となった社員たちは、新製品『Dホール スッキリ』なるオナホールを開発。まゆら社長自らがイメージキャラクターとなり、コマーシャルソングを熱唱すると見事に新商品は大ヒット。めでたしめでたしとなるはずが、当の社長は浮かぬ顔でため息……。
思わずクスリと笑ってしまうエロおかしい場面が連発。しかし、その中に描かれたテーマは、アダルト業界に携わる家族の確執と誤解。さらに夫婦のセックスを義務だと考える男に代表される現代人の性意識の低下など、非常に深い。ちなみに撮影現場にお邪魔してきた筆者が目の当たりした感動シーンは、アダルトグッズ開発を手掛ける素人童貞君を優しく痴女責めし、その様子を見ていた社員たちにぶっかけかれる姿だ。精子を浴びてツヤツヤと輝くお顔の美しさとエロティシズムにしばしボ~っと見とれてしまったほど。
そんな彼女が、去る3月24日にドグマ主催のイベント内で引退を発表した。デビューから9年目ではあったが、彼女は発表の前日まで迷い、それまで誰にも打ち明けていなかったそうだ。そのため、復帰作が急遽引退作になってしまったのだ。そして、迷いの中、ラスト作品が痴女であった理由は、自らが築いたハードコア路線に対して心を痛めていたためだという。緊縛、浣腸、アナル、ゲロ……。彼女がしてきたこれらのプレイは、真性M女にとっては喜びだが、普通の女優にとっては苦痛以外の何物でもない。それを勘違いした他のAVメーカーは、次々と模倣作を作り始め、その裏で何人もの女優が引退を強いられた。この作品で彼女は自らを否定したわけではない。ただ、本物のセックスの喜び、快感、恍惚を伝えたかっただけなのだ。使命を果たし、彼女は去っていった。27歳の決断とけじめに拍手を送りたい。
ちなみに、作中に出てくる『Dホール スッキリ』なるオナホールは、4月25日にDMMサイトにて実際に発売されるので、要チェック!
(AV評:文月みほ)
◆メーカー:ドグマ◆品番:DDT-277◆時間:254分◆価格:3990円