女性だけの共同生活を営む一軒家があったらどうしましょう!
世の男性にとっては、まさに夢のような、それこそマンガみたいな設定のリアル女の花園ハウスが東中野にあるという。実際に、この共同生活をモデルにしたマンガ『ヴァージンハウス』(作:花津ハナヨ)が2007年『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)でも連載されていた。
とにかく、百聞は一見にしかず、ということで、ワクワクしながら取材に向かうことに。
駅前からトボトボ歩くと、築40年ほどのなかなか味わい深いお宅が。花園というイメージからすると……、まっ、お邪魔してみましょう。
「本当は女性だけじゃないですよ。今、5人の共同生活ですけど、そのうち1人は男性なんです」
と、のっけから何だか話が違うといった展開……。お話してくれたのはフリーで雑誌記者をしているマリコさん(仮名)。そりゃないじゃないですか、いや、その1人の男性が、うらやましいじゃないですか!
「いえ、でも彼はほとんど家にいないんですよ。仕事で世界を飛び回っていますから。私が8年くらい前に引越しを考えていたとき、仕事仲間でもあったカメラマンさんとシェアして住もうという話になって。効率を考えたら、何人かで住んだほうがいいし、で、なんだかんだで女性ばかりになってしまいました(笑)」
現在住んでいるのは、マリコさん、ストリッパーのMさん、レディコミ系漫画家のKさん、普通の会社でOLをやっているSさん、そして世界を飛び回っている写真家Iさんの5人。ここまで個性豊かなメンツだと、かなり楽しそうな共同生活が送れそうなイメージだ。入居希望者も多いのでは?
「今は部屋に空きはないですね。空きが出るとネットとかで募集してます。当初はそんなつもりではなかったんですけど、やっぱり意識的に女性ばかり入居させてましたね(笑)」
ちなみに、家賃は?
「家賃は月15万円、光熱費を含めると一人あたり3万5千円ほどですね」
共同生活で気をつけなければいけないことは何でしょう。
「あんまり干渉しないことです。実際、今誰がウチにいるのか分からないことなんか、ザラです(笑)」
女性の花園(?)ということで、一番問題になりそうなのは男性問題だと思うんですが。
「男友達が泊まりに来ることはありますが、色気のある話はぜんっぜんないですよね(笑)。最初の頃は、通称”ギャルハウス”なんて呼ばれてましたけど、今や、住んでる人たちも30代ですからね(笑)」
と、笑いながら話すマリコさん。だが、実はこのギャルハウス、DVの彼氏から逃げて来たり、問題のある実家を抜け出るために転がり込んだりといった、深刻な問題を抱えた人たちの駆け込み寺的な役割も実はあるのだとか。
肉食女子とか、カツマーとか、とかく女性が主導権を握り、世の中や文化を引っ張っていく傾向が強くなってきている今、とはいえ、仕事にせよ結婚にせよ、女性が生きていくことは大変なのです。
したたかに、しぶとく生きる女性同士(+不定期男性1名)の共同生活は、ある種の擬似家族的な関係に近いのかもしれない。
(取材・文=山崎トオル)
女×3で姦しい