<オーストラリア発>
男女の初婚年齢が高くなりつつある近年、25歳を過ぎたら婚期を逃した、という「クリスマスケーキ」の伝説は遠い昔の話となった。今では、セレブを含めてアラサー&アラフォーの未婚男女は珍しくもなんともない。そして、35歳以上のいわゆる「高齢」出産なども今では日常茶飯事のように思える。
しかし「女性の肉体には子どもを産める期限が付いている」というれっきとした事実は変わらないのが現状。婚活中で子どももほしい、というアラサー&アラフォー男女にとって、自分または相手の妊娠・出産年齢の限度が気になるのは、日本に限らず地球上どこでも同じなのである。
そんな女性たちのためにオーストラリアで開発されたのが「エッグ(卵子)タイマー」というシロモノだ。IVFオーストラリア(www.ivf.com.au)という不妊治療グループによって開発されたこの血液検査、自分の卵子があと何年先まで子どもを産める状態でいるのか判断できるという画期的なシステムである。
もちろん、すでに結婚していて、不妊治療を受けている夫婦にも、このシステムで女性の卵子状態の判断がすぐに出来れば、貴重な時間とお金をムダにせず、結果によって最適なオプションを選べるという利点がある。今は子どもを持つ気はないが、将来的な計画を頭に入れておきたい、という女性にとっても、知っていて損はない情報であろう。
IVFオーストラリアのメディカル・ディレクター、ピーター・イリングワース氏によると、女性はおよそ20万個の卵子を持って生まれ、年齢が高くなるとともにその数は減少。20歳の女性は普通2万個程度の卵子を持ち、40歳以降になるとその数は2,000個程度になるそうで、数字的に言えば、やはり若いときよりも妊娠の機会は低くなるわけである。しかし、妊娠というのは数字だけでなくタイミングの問題でもあり、数が少ないから妊娠しない、と一概に言えないのが神秘的な部分でもあるのだが……。
女性に選択権を与えるという点でフェミニストにも絶賛されているこのシステム、日本で利用できるかは定かでないが、妊娠・出産年齢が気になる男女は一度医師に問い合わせてみたらいかがだろうか。
(文=相馬 佳)
ゆでたまご用温度計。半生、半熟、固ゆでを色で知らせてくれる!