AV史上初のアフリカ難民救済チャリティー作品『裸の大陸 チャリティープロジェクト ~佐伯奈々が体を張ってアフリカの子供達のためにボランティアしてきました。 』(ソフト・オン・デマンド)に出演したことで、一躍注目の人となったマニア系AV女優の佐伯奈々ちゃん。チャレンジ精神が人一倍旺盛な彼女は、2004年のデビュー以来、体力と精神力を必要とするハードコア作品に多く出演してきた。男の頭を膣にすっぽり挿入する「スカルファック」や、口・膣・アナルの3穴に同時に射精される驚愕の4Pファック「3穴同時発射」など、並みの女優なら簡単に潰れてしまう過激な作品揃いだ。
そんな彼女が、約2年に及んだAV女優稼業を年内をもって引退することを発表。12月3日、新宿ロフトプラスワンにて行われた桃太郎映像出版主催のイベント【桃太郎Night2009 Live4】内で、盛大な引退式が行われた。
AV界に数々の偉業を残した彼女の引退を惜しむファンは多く、イベントの前売りチケットは1週間前には完売し、当日券も開演前には札止めに。また、当日、引退式に参加できなかった女優仲間、有名AV監督からもビデオレターが数多く寄せられた。その中には、漫画家のやくみつる氏や堀江貴文氏など著名人のコメントも。どれも突然の引退を惜しむと共に、新しい道を進む彼女への温かなエールばかりであった。
さて、そんなカリスマ女優の佐伯奈々ちゃんに直撃。引退直前の心境を語ってもらった。AV界に足を踏み入れた理由と、人気絶頂で引退する決意に誰もが衝撃を覚えるはず!!
──バドミントン選手からAV女優へ転向した理由は?
セックスが好きだから。あとはお金です。当時、一緒に暮らしていた友人の借金返済のために、どうしてもお金が必要だったんです。だから、3カ月で辞めようと思って始めた仕事でした。
──今時のAV女優には珍しい苦労話があったんだね。それがどうして2年も続けることになったの?
不思議と楽しかったんです。モノを作るという感覚が楽しくて。それにやっていくうちに仕事に対する責任感が出てきて。現場って思ってたより真剣勝負だし、中途半端な気持ちではできないですからね。
──さすが体育会系女優。その責任感のたまものなのか、随分かわった現場を経験してきたよね?
いろんな経験しすぎたなぁと思ってます(笑)。
──驚かされた作品が多いんだけど、やっぱり『裸の大陸』の記者会見は印象に残ってるよね。
あ~、あれ泣いてましたね、恥ずかしい(笑)。アフリカの撮影から帰ってきたら記者会見があると言われてびっくりしましたね。AV作品なんですけど、利益は全額地元の学校に寄付することになっていて、前半はボランティア活動中の映像が流れるんです。セックスなどは全くしないんですけど、そこに登場する子供にもモザイクかけなくてはいけないという問題が起きて、それはおかしいだろと訴える会見だったんです。リハーサルもやったんですけど、映像は初めて観たのでそれを見て泣いちゃって。
──ああいった場に堂々と参加できるAV女優さんって、勇気があるなぁと感心したんだけど、なぜ出演しようと思ったの?
私ができることなら全てやりたいと思ったから。それだけなんですよ。あの記者会見がいろんなメディアで取り上げられて、芸能関係者が集まるパーティーにも呼ばれたんです。そこでボランティアをしたAV女優だと紹介されたんですね。恥ずかしかったけど、尊敬できる仕事だと言われて本当にやってよかったと思いました。
──感動モノがある一方で、マニアックな作品も多いよね。もともと変わったセックスに興味があったの?
まさかまさか。事務所の先輩にSMの話を聞いても他人事だと思ってましたし、いざ自分にその話が来た時には悩みましたね。肉体的には自信があったけど精神的にね。
──では、本当は苦手だったの?
そうですね。精神的に追い詰められるプレイは辛く感じてたんですけど、皆さんからの評判が良かったみたいで頑張れたんですね。でも、しばらくすると好きなものは好き、嫌いなものは嫌いということが分かってきて、自分の性癖を知ってからは気持ちいいと感じるようになってきたんです。今では自宅で自分の腕に蝋燭を垂らして遊ぶほどに(笑)。
──そんな女優として脂がのってきた時期に、引退を決めた理由は?
縄で拘束されているとき、誰かに抱きしめられているような安心感を感じるようになったんです。本当にフィットしときに、別世界に入り込んでしまって戻ってこれなくなるとハッとしたことも。どっちが現実で非現実なのか境目がわからなくなって、社会生活ができなくなってしまうのでは、と怖くなったんです。だから、まだ分別があるうちにやめようと思うようになりました。
──引退は勿体ないと思ったんだけど、そんな理由では仕方ないかな……。
他の人にも同じことを言われたんですよ。最初に引退を考えたのが4月。けど8月になって気が付いたんです。自分がAV女優の中のひとりではなく、佐伯奈々として認めて貰えてきたのは、今かもしれないと。その時、一瞬決意が揺らいだことは確かです。でも、このまま5年、10年とずるずるとAV女優にすがるより、今までのことが楽しい想い出だったと感じる今が引き際なんじゃないかと思うんです。
──最後の撮影ではどんなことを考えていたの?
実感がなかったですね。作品としての最後は『電撃AV引退作品 衝撃!男の頭までスッポリ入るメガマ○コ 佐伯奈々のスカルファックFINAL』(ROCKET)でした。これは女性から、「見てるだけでマ●コが痛くなって耐えられなかった」と言われた最高にハードな作品でした。終わった瞬間は、安心感がこみ上げましたね。ずっとプレッシャーを感じていたので。でも、実は最後の仕事はこれではないんです。『お嬢様のひみつ 佐伯奈々』(桃太郎映像出版)のパッケージ撮影が最後。ハードなものが多かったのに、最後に女性らしい綺麗な姿を残せたことが嬉しくて、わざわざスケジュールを入れ替えて最後の仕事にしてもらったんです。何度観ても飽きないんですよね。これを観てるだけで佐伯奈々として頑張ってきた想い出がよみがえってくるんです。
最後に、今後の予定を聞くと、ハニカミながら「3日前に彼氏ができたので、幸せに暮らしたい」と語ってくれた。女優活動としては、六本木にあるAV女優専門キャバクラ『@ヴァージン』に1月末までの出勤を決めており、そこでファンの人と語らいたいとのこと。
引退イベントの終わり、駆けつけた女優仲間に身ぐるみを剥がされ、レズ責めされながら送り出された佐伯奈々ちゃん。最後の最後まで多くの人に衝撃を与えた彼女の記憶は、これからもファンの間で語りつがれていくだろう。
(取材・文=文月みほ)
※現在、佐伯奈々引退特設サイト【まるごと佐伯奈々】も開設中。彼女の本音を探る100の質問など興味深いコンテンツが目白押しだ。
『電撃AV引退作品 衝撃! 男の頭までスッポリ入るメガマ○コ 佐伯奈々のスカルファックFINAL』
◆メーカー:ROCKET◆品番:RCT-169◆時間100分◆価格:2980円
『お嬢様のひみつ 佐伯奈々』
◆メーカー:桃太郎映像出版◆品番:DOJ-002◆時間:120分◆価格:2980円