「ニコニコ動画」でお馴染みの株式会社ニワンゴが、11月14日に新たなサービスを開始した。その名も「ニコニコ静画」。ユーザーがお題スレッドを作成し、ほかのユーザーはお題に合った画像やコメントを自由に投稿するという画像掲示板のようなサービスだ。お題スレッドに集められた画像は、スライドショーとして楽しむこともできる。ニコニコ動画と比べると地味さは否めないが、開始からひと月を待たずに10万枚以上の画像が投稿されている。この勢いを維持すれば、大人気サイトになり得るニコニコ静画だが、一部のネットユーザーからは反感を買っているようだ。
「このサイト、明らかに『ふたばちゃんねる』を意識しているんですよ」（インターネットユーザーE氏）
「ふたばちゃんねる」とはスレッド形式の大規模掲示板のひとつ。各種カテゴリに分けられた掲示板を持っている。中でも「二次元裏＠ふたば」（通称、虹裏）は、様々な画像が投稿される人気の画像掲示板だ。漫画を元にしたコラージュやOSの擬人化、マンガ「くそみそテクニック」のブームなど、インターネット上のオタクカルチャーに与える影響は大きい。
「『虹裏』の魅力はコラージュやネタなど、ユニークかつシュールな投稿が多いところです。７つのサーバーに分かれた虹裏には、それぞれに独特の文化があります。中には自分の好きなサーバーの空気を守りたいがために、外部からの流入者に強い抵抗感を持つユーザーもいるようですね」（E氏）
これまでも２ちゃんねるやニコニコ動画に対して敵意を持つ層は居たが、今回はさらに多くのユーザーの不安をかき立てている。
「ニコニコ静画のマスコットキャラクターは、頭の上に『ふたば』が生えています。おまけにタイトルに付けられたカギ括弧は、虹裏の一部サーバーで無記名時の投稿者名として使われています。これだけでもどこか挑発的なのですが、何よりも虹裏住人が嫌がるのは『インポート』でしょうね」（E氏）
ニコニコ静画にはURLのインポート機能がある。ウェブサイトのURLを入力し、そこに表示されている画像をそのままニコニコ静画に貼り付けることが可能だ。ふたば掲示板のスレッドをインポートすれば、そこにあるすべての画像を抽出することもできてしまう。さらにニコニコ静画のスレッド上に、インポート元のURLが張り付けられてしまうのだ。これではスレッドがインポートされる度に、空気を知らない新規ユーザーが流れ込んでくることになる。
「しかし、スルー能力の高い大人のユーザーが多い点もふたばの特徴ですからね。たとえ大量の新参者が流れ込んでも、持ち前のゆるさと連帯感で乗り切れるのではないでしょうか。そもそも『ニコ静』自体がこの先どうなるかも分かりませんよね（笑）」（E氏）
大量の流入者に不安を抱く住人という構図には、ついつい現代日本の姿をダブらせてしまう。新規ユーザーの方々にはどうか、元からある空気を壊さずに馴染んで欲しいと思うのだが……。
ネットで必要なことは、すべてネトランで学んだ！ 世代へ