さすがにパンツは飛ばないと思うが

『聖痕のクェイサー』アニメ化で、気になる各局の”湯気”調節

『聖痕のクェイサー』アニメ版公式サイトより

 秋田書店の月刊漫画誌「チャンピオンRED」で連載中の、原作吉野弘幸・作画佐藤健悦による漫画『聖痕のクェイサー』。すでにアニメ化が決まっている本作だが、発売中の「チャンピオンRED」12月号の特別付録としてオフィシャルプロモーションビデオとでもいうべき映像が収録されたDVDが付き、話題を呼んでいる。

 本作の主人公サーシャは元素の力を扱うことのできる「クェイサー」という能力者なのだが、その力を発揮するためには、女性の乳房から「聖乳(ソーマと読む)」を吸う必要があるという設定(ちなみに、クェイサーに聖乳を供するパートナーのことを「生神女(マリア)」という)。そしてお察しの通り、付録DVDの内容はといえば、乳がこれでもかとぶるんぶるん動き、乳首もどどーんと大放出、そしてその突起に口を近づけるサーシャ!!……といった描写が、惜しげもなくなされているのである。


 当然ながら地上波テレビは、子役時代の宮崎あおいちゃんならまだしも、それなりに発育した女性のおっぱいを丸々と見せることはできない。そのもどかしい構造を逆手にとって、近頃のアニメでは、女の子キャラの入浴シーンといったサービスシーンは地上波放送(=ウォーミングアップ)においてはお風呂の湯気などで大事なところをしっかりと隠し、DVDやBlu-Ray(=本気)ではそれらの邪魔な障壁をとっぱらい、ファンを喜ばせるというケースが珍しくない。夏には18禁恋愛アドベンチャーゲームから派生したアニメ『プリンセスラバー!』でも、完全なサービス回だった第6話において、お風呂シーンでキャラクターが「不自然に霞が多いわ」と発言するなどしてプチ祭状態となったのは記憶に新しいところだ。また、今期1番の秀作と名高い『とある科学の超電磁砲』でも、シャワーシーンの湯気の量が、放送局によって多かったり少なかったりと話題になった。

 となると、ここで試されるのが地上波放送を行う各局の姿勢。民放キー局での放送がなく、独立UHF放送局でしかオンエアのないアニメの場合、大事な部分の修正は各局の匙加減一つだからだ。前出の『とある科学の~』では、東京MXテレビとMBS放送以外の局でシャワーの湯気が増量されていた。また、その2社を比較した場合、『乃木坂春香の秘密 ぴゅあれっつぁ♪』のお色気シーンにおいて、MBSの方が明らかに不自然な霞が多く、首都東京に住まうアニメファンが大勝利するという構図が生まれていたりもする。ちなみに、一番大勝利だったのはAT-XことアニメシアターX版だったりするのだが、こちらはスカパー!などで視聴できる「ワンランク上のアニメ専門チャンネル」をキャッチコピーにした有料放送なので除外としておこう。

 このように、地上波放送中は光が迸るエフェクトなどで乳首などを隠して露出を抑え、ソフト販売を待ちかねたファンが「ブルーレイマダー!?」と胸踊らせるのが本流なのだが、『聖痕のクェイサー』の場合は、大きなお友達みんなのお友達こと秋田書店が機先を制し、特別付録という形で先に本気を見せてしまったのである。というか、実はそもそも付録の正式名称が、『聖痕のクェイサー 無修正PV』。なんぞこれ……。物わかりが良すぎて怖い!!

 ただ、実はこの『聖痕のクェイサー』、アニメ制作は決定して公式サイトもあるものの、10月27日現在、放送局は未発表。東京都渋谷区在住のアーバンガールとしては、独立UHF局アニメとなり、東京MXでも放送されることを強く願っております。

(文=B.I.Sachiko)

『聖痕のクェイサー 7』秋田書店

 
母乳ではなく聖乳


『乃木坂春香の秘密 ぴゅあれっつぁ♪ 第1巻』

 
お嬢様で人格者でアキバ系でドジっ娘で武闘派


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