オタク部屋の既成概念を吹っ飛ばす!?

世界中のクールなオタク部屋を集めた写真集『OTACOOL』

名前:Alodia Gosiengfiao(21歳) HOTTOYS(香港の超絶フィギュアメーカー)

 オタクというのは皆、多かれ少なかれ物を集める習性を持っている。

 例えば記者の友人にいるフィギュアオタは、自宅のみならず、わざわざ借りたレンタル倉庫までフィギュアで溢れかえらせている。

「探して見つけて自分だけの物にするところに感動があるんだよ。こうして並べてるのは、まあ手に入れたっていう勲章的な意味だな」

 トロフィーやメダルを飾るのと同じだとうそぶく彼の職業は、玩具量販店の店員。売り物を職場から家へ運ぶために、そこそこ高水準な給与の大半を費やす一方、カップ麺さえ「高くて買えない」という金銭感覚は理解に苦しむ。しかし、コレクションを眺めて悦に入る彼の表情を見る限り「そーいうもんなんだなー」と納得せざるを得ない。

 10/23発売の『OTACOOL WORLDWIDE OTAKU ROOMS』(発行:壽屋/発売:新紀元社)は、そのようなディープオタの部屋を撮影した写真集である。

 「ダニー・チュー.com」という海外に向けて日本のサブカルチャー情報を発信するポータルサイトの投稿企画に寄せられた画像が元になっており、紹介される108部屋の内訳は、ヨーロッパ、アジア、北米、南米、オセアニアに渡り約30ヶ国。地球を股にかけた一大プロジェクトである。

 掲載されているオタク部屋の多くは、スタイリッシュでクール。中には壁から天井までビッチリ隙間なくポスターで埋め尽くされている、一瞬ギョッとするような極彩色の部屋などもあるが、じっくり観察し、そのポスターがいかに考えてレイアウトされているか気付くと、熟考を重ね折り目正しくポスターを貼っていった家主の几帳面でガチオタなキャラクターがうかがわれ、ついニヤニヤしてしまう。

 同書の中で自身の部屋を公開している”ダニー・チュー.com”運営者のダニー氏は、フィギュアをセンス良く飾るには空間を広く見せる必要があると主張する。

 テーブルや棚をガラスやアクリル製のものにして、下から照明を当てることでフィギュアが落とす影が消え、部屋全体が明るい雰囲気になるというのだ。後は観葉植物を置いて柔らかい印象を出し、配置と掃除を気遣えばOTACOOLな部屋の完成!

 いまや日本を代表する文化となった「OTAKU」。そのクールなライフスタイルに、浸ってみないか?

(文=瀧昌臣)

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