内定取り消し、派遣切り、失業率5.2%……などなど、景気の悪いニュースばかりが飛び交う昨今の就職前線。この不況の波はAV業界にも押し寄せていて、実は「AV女優になりたくてもなれない女のコが急増中」だというから驚きだ。
とはいえ、これまで筆者は100人以上のAV女優に取材してきたが、その大半がスカウトや業界関係者の紹介によって、業界に足を踏み入れた女のコばかりだった。自薦で業界入りを希望する女性って、そんなに多かっただろうか? というワケで、中堅事務所のマネジャーに尋ねてみたところ、「最近、本当に応募が多いんですよ……」と少々ウンザリしたような声が返ってきた。
「現在の応募者は年間100人くらい。年齢は18歳から20代前半が多いですね。ただし、『なんかぁ〜、気がついたらぁ〜、オカネがなくなっちゃってぇ〜、みたいな?』という非常識なノリの女性が多いため、基本的に不採用にしています(苦笑)。100人面接して”当たりが1人いればラッキー”なんですよ」(AV事務所マネジャー)
「出せば売れる」と言われたのも今は昔。今やAV業界も売上が右肩上がりというわけではなく、少ない制作費でいかにファンを楽しませるか、という問題に試行錯誤している。こうした背景のなか、いつしか同業界はれっきとした”ビジネス”となっていったようだ。
「10年前は、現場を飛ばす(無断欠席する)女優なんてザラでしたけど、今そんなことをしたら一般企業と同じく業界から干されますからね。挨拶はもちろん、メーカーへの面接時の言葉遣いなどを含めた”常識”が必要とされています」(同マネジャー)
また、ひと昔前のAV女優には、「騙されてデビューした」や「借金で売り飛ばされた」などのダーティーなイメージがつきまとっていた。しかし、近年ではこうした印象が薄れつつあり、現役AV嬢やAV出身タレントのメディア露出によって、一般人の認識も変化しているのかもしれない。
つまり、イメージが改善されたことで”窓口は広がった”のだ。ところが、いまだにユルい業界なのだと勘違いして面接に来る女性が増えた分、倍率が上がって”門戸が狭まった”ということか。
しかしながら、この現状は「女優の質の向上」をもたらしたため、我々AVファンにはメリットが大きい。しばしば「最近のAV女優はカワイイ女のコが多い」なんて声を耳にするが、これも倍率上昇による効果なんですから。
(文=松本アグ)
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