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『ドラクエ9』の”すれ違い通信”は新しい「出会い」のキッカケ?

『ドラゴンクエストⅨ 星空の守り人』(スクウェア・エニックス )

 日本国内で2500万台を売り上げているニンテンドーDS。そのキラーソフトとして発売された、老舗RPGシリーズの最新作『ドラゴンクエストⅨ 星空の守り人』(以下:ドラクエ9/スクウェア・エニックス )。今まで好評だった転職システムを継承し、自分の顔や服装をオリジナリティのあるキャラクターに変更できたり、DSならではの通信機能を使い、自分のクエストに最大3人まで冒険者を募ることができたりと、新システムが盛りだくさん。

 そんな最新作に新たに導入されたのが「すれ違い通信」。DS版の『ドラクエ4』にも搭載されていたのだが、今回は自分のキャラクターや地図の破片を交換したりするのが目的。その際に、数字や英文字は使用できず、全てひらがなしか打ち込めないが、簡単なメッセージもやり取りすることが可能。自分の服装や待ち合わせの場所、日時、または強引にひらがなで「ぜろきゅーぜろ……」と電話番号を入力することにより、新たな出会いのキッカケになるでのでは? DSに搭載されている赤外線通信の有効範囲は30m。DSを開いて持っていれば、すれ違った瞬間にリアルタイムで確認できる。350万本以上を出荷し、DSを持っている人の10人に1人以上が『ドラクエ9』をプレイしている計算に。さらにその中での女性の割合が10人に1人だと仮定すると、100回すれ違えば1人の女性と知り合える!?


 というワケでやって来たのは、若者の街・渋谷。う~ん、いるぞいるぞ! うら若き乙女たちが。さすがに夏休みだけあって、いかにもゲームをやっていそうな世代も多い。これは十分に期待できるのでは?

 早速、ハチ公前に陣取り、DSを待ち受け状態にしてスタンバイ。しかし、一向に受信できない。その後、1時間が経過するも、交換できたのは男のキャラクターが数人……。そこで、ゲーム離れを如実に体感してしまった渋谷を後に、ゲームの聖地・秋葉原に望みを託すことにした。

 さすが、世界にその名を轟かせる電脳都市・アキバ。駅に着くなり上限の3人に到達し、新規キャラを受信できない状態に。エスカレーターに乗りながら確認してみると、全て男キャラ……。嫌な予感はするものの、ヨドバシカメラ前に設置された「ルイーダの酒場」へ。

「ルイーダの酒場」とは、『ドラクエ9』のすれ違い通信のために用意されたスポット。いるぞいるぞ、DSを持ったプレイヤーが山のように……って、全部男! 総勢100人以上はいるであろう、いわゆるキモオタたちが所狭しとひしめき合い、熱心にDSの画面を凝視している光景は、まるで怪しい新興宗教のような雰囲気。

 そう、最初から方法が間違っていたのです。すれ違い通信を目的に出歩くのではなく、例えば嵐やSMAPのコンサートなど、周囲が完全に女性の場所に行き、そこで運良くDSユーザーで『ドラクエ9』を持ち、すれ違い通信の用意をしている……っ……て、何万分の一の確率でしょうか。

 完全に打ちひしがれて帰途に着き、駅からの暗い夜道をトボトボと歩く。アキバで鬼のように(男と)通信ができたおかげで、地図はいくつも完成したが、肝心の出会いが……。

 気が付くと、いつからいたのか、前を歩くOL風の女性。痴漢やストーカー扱いされてはかなわんと、足早に追い抜いた瞬間、彼女の手にはDSが! 追い抜いてしばらくした後、ポケットからソッとDSを取り出して画面を開くと、1人の女キャラが登録されていました。

 

『ドラゴンクエストIX 星空の守り人』

 
夏の行楽のお供に


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