――女の子とふたりっきりになってもホテルに行っても手を出さない、『草食男子』という言葉が巷で話題になっていますが、杉本さんの周りにも草食男子は存在しますか? また、どう思われますか?
杉 身近に20代の若い男性があまりいないというのもありますが、私の周りにはあまりいないですね。ひとりだけ、友だちの30代の男性に草食男子っぽい人はいるんですけど、やっぱりちょっと異質な感じで、仲間に溶け込めないでいますね。同じエネルギーの人が集まるようで、私の周りは肉食だらけ。私は草食男子には男性的な魅力はまったく感じないですね。まず男として見ることができない。やっぱり男性は狩猟本能がないと!
――杉本さんの前で草食でいられるオトコがいるとは、逆に驚きです。そこで自分が狩猟本能を目覚めさせてあげる、なんていう気持ちになったりはしないものなんでしょうか?
杉 実は、その友人を草食男子から脱却させようと私の周りの肉食女子たちは試みましたが、何を言っても無理でしたね。ガードも厚いし、しんどいことが嫌いなようです。何かに挑むというようなリスキーなことはしない。何かを思いっ切り楽しもうという気概も、快楽への欲望も見えない。そういう欲望って、他人が掻き立ててあげられるものでもないでしょう。何かきっかけを他人から与えられることはあるかもしれないけど、そのきっかけに何を感じ、どう反応するかは結局自分次第。自分の中の本能が目覚め、熱い欲望が湧いてくるのを感じないかぎり、肉食男子への道は開かれないと思いますよ。
――確かに。自発的な覚醒を待つしかないのでしょうか!? また、草食男子が増えた原因のひとつとして、AVや動画、画像などで簡単に性欲を処理できるようになったから、という点が挙げられていますが、このような社会をどう思われますか?
杉 結局どんな環境であろうと、それをどう受け止めるか、どう使うかってその人次第なんです。問題があるとつい社会や商品の存在が悪いと責任転嫁しがちだけど、そういう環境に流され感性が歪むのは、親が甘やかしているからじゃないでしょうか。過保護に育てられて渇きを知らず物質的に満たされて育つと、自分から行動をして何かを得るという狩猟本能は育ちませんよね。いつも親が満たしてくれるわけですから。そういう幼少時代を送ってきた人が、今の社会に多いのでは。人間の欲望、ひいては向上心はハングリーさの中でしか生まれないものだと思うんです。貧乏や心の渇きや人生の危機、そういうものがないと人は強くならないし、何かを手に入れて満たされたいという狩猟本能も掻き立てられないんです。
――なるほど。情報の取捨選択は自分の意志と判断で、ですね。さて、いままで伺った「草食男子」と相反するようですが、現代の日本ではフリーセックスの風潮も見受けられます。その風潮に関して何かご意見はありますか?
杉 いまは感情が希薄になっているのかな、と寂しいですね。セックスを掘り下げていこうとすると、フリーセックスでは無理だと思うんですよ。不特定多数とセックスしても何も学べない。セックスを探求するという面から見ても、不特定多数とのライトなセックスでは何も得るものはないはずです。また、病気に関しても、知識も危機感もないのかなと。スピリチュアルな話になりますが、セックスって魂の交わりでもあると思うんです。体を重ねる相手から非常に影響を受けるもの。不思議と自分のエネルギーも変わっていくような気がします。無意識にも作用するんでしょうね。逆に、軽い気持ちのセックスを続けていると「この人!」とピンとくる相手に会ったときにも感動がないというか、出逢う相手の質も変わるだろうし、セックスの意味さえも感じ取る感性が鈍ることでしょう。セックスが特別なことじゃなくなるのは、本当の愛を見つける可能性からも遠ざかることだと思います。数を自慢する男性もちらほらいるようですが、実にくだらない!恥ずかしいことだと気づいて欲しいですね。それを肉食だと勘違いしてはいけません。数より質にこだわる知性が大切!セックスはもっと真面目に大切に扱うべきです!!
(後編につづく)
男女問わず売れてマス!