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筆者の自宅のトイレには、毛抜きが常に置いてある。大小問わず、自宅で用を足す時に筆者は必ず座るが、その際に毛抜きでふたつの処理を行っているのだ。
ひとつは、陰毛の白髪抜き。まだ全体の数パーセントほどだが、50歳という年齢相当に白髪が生えてきているので毎日チェックしては処理している。
そしてもうひとつは、キンタマの毛を抜くこと。こちらにも白髪が混じっているが、色に関係なく抜くようにしている。その理由はとても明確で、ツルツルキンタマのほうが舐められた時に億倍気持ちいいからである。
そんなわけで、筆者がトイレに入っている時間はとても長い。老眼が進行している真っ最中で辛い作業ではあるが、こうした日ごろの努力は欠かせない。
社会人としてまともに生きていけないくらいズボラでいい加減な性格の筆者だが、ことセックスに関しては、異様なくらい神経質で真面目なのである。
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優しい方にお会いしたいです。
10年くらい彼氏なしです。
もう慣れたつもりだけど、疼いてしまう時もあるんです。
見た目はいけてないので、それでも大丈夫っていう優しい人でお願いします。
急なお誘いですが、今日の夜に新宿でお会いできませんか?
2月1*日17時00分
受付メール数:0/5
♀カヨ
29歳
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いつものようにあちこちの出会える系サイトを物色していると、筆者愛用の【イククル】でこんな書き込みを発見した。
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筆者はすぐにピン!と来た。この書き込み主は、
筆者と同じ非モテ界の住人だろう、と。
“10年彼氏なし”と“見た目はいけてない”という言葉のせいか、まだ誰も彼女にアプローチしていなかった。
彼女が書き込んでから30分近く経っているのに…
誰からも声をかけられていないなんて、可哀そうではないか!
こうなったら、
筆者が白馬の騎士になってあげるしかない!
と鼻息を荒くしながら、アタックを開始することにした。
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こんにちは、カヨさん。
都内の会社員のショーイチ、38歳です。
さきほどカヨさんの書き込みを拝見しました。
優しいくらいしか取り柄のない私ですが、
是非カヨさんと楽しい時間を過ごしたいです。
18時以降でしたら何時でも大丈夫なので、
いくらでも都合をあわせられます!
あ!
お返事をもらえたら私の写メを送りますね。
それを見てもらってからで構わないので、
検討してもらえたら嬉しいです。
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サクッとこんなファーストメールを送ったところ、ものの5分もしないうちに返信が届いた。
そこから数通ほどメールをやり取りし、あっさりと約束は成立した。
待ち合わせ場所は、新宿アルタ前。『笑っていいとも!』が終わって5年近く経つせいか、かつてほど混み合うこともなく、最近は待ち合わせ場所として快適に使うことができる。
もう何年かすると、“いいとも”を知らない世代と待ち合わせすることになるだろう。そうなると、「アルタ前で待ち合わせ」と言っても、ピンとこない女性が増えてきそうな気がしてならない。時代の移り変わりというやつだろうが、なんとも寂しい限りだ。
感慨にふけっていると、ほぼ時間通りにカヨちゃんらしき女性が近づいてきた。
チッ!
最近、どうもハズレ続きだ。
カヨちゃんは腰のくびれが見られないダルダル体型で、特に下半身の肉がダブついているように思えた。
着衣の状態でこれなのだから、脱いだらますますゲンナリすることになりそうだ。
そのくせ胸は薄っぺらい印象で、おっぱいの大きさにも期待できそうになかった。
だが、
この程度で音を上げるほど、こちとらヤワじゃない。
これも修行の一環だと割り切り、無理やりにでも楽しい方向に持っていくしかないだろう。
そんなことを考えていると、向こうもこちらを発見したようで、真っすぐ近づいてきた。
ぐ、ぐぬぬっ…。
彼女の顔を視認した瞬間、背中に悪寒が走った。
黒縁の眼鏡をかけて登場したカヨちゃん。その眼鏡の向こう側にあったのは、ふたつの切れ込み…。
おいおい、遮光器土偶かよっ!!
ただ目が細いだけではなく、なんとも目つきが悪かった。あえて有名人に例えるのなら、元防衛大臣の石破氏だ。
なぁ、ショーイチ。たまには顔パスしたっていいんじゃね!? ここ何年も顔パスしてなかったけど、これは流石に無理筋じゃね!?
と、内なる悪魔ショーイチが語りかけてきた。
いやいや。ショーイチみたいにイケてないオッサンから顔パスされたら、彼女は深く傷ついてしまう。向こうから顔パスだと言い出さない限り、ここは応じてあげるしかないでしょ?
こちらは内なる天使ショーイチだ。
あぁぁぁ、いったいどうしたらいいのか。
生唾を何度も飲み込みながら、浅い呼吸を繰り返すばかりの筆者。
そうこうするうちに、カヨちゃんは目の前に立っていた。
「あ、あのぉ、サイトの人ですか?」
「うん。ショーイチだよ。カヨちゃんかな?」
「はいっ! そうです。良かったぁ、メールの印象通りですね」
「そ、そうかな?」
「はい。写真も貰っていたので、すぐに分かりました」
「そ、そうなんだ…」
ハキハキとした口調で明るく畳みかけてくるカヨちゃん。
愛嬌があると言えなくもないが、その口調とは裏腹に、彼女の目は微動だにしていなかった。
悪い夢でも見ているような気分になってしまう。
そんな筆者にお構いなしといった感じで会話を続けるカヨちゃん。
「今日は寒いなか、本当にありがとうございます」
「えっ、あっ、うん」
「もしかして待たせちゃいましたか?」
「い、いや。俺が早めに着いてただけだから」
「そうだったんですね。私ももう少し早く来ればよかったですね」
「そ、そんなことないよ」
そんな会話をしながらも、心の中では
顔パスしてくれ! 顔パスしてくれ! 顔パスしてくれぃ!!
と念じていた。しかし、残念ながらこちらの思いは通じなかった。どうやらカヨちゃんはテレパシー能力を持っていないようだ。
まっ、仕方あるまい。
いくら容姿に難があっても、マンコに貴賤はないはずだ。それが筆者の信条でもあるのだから、己を裏切るわけにもいかない。
彼女の容姿で無愛想だったら、速攻でクイックターンして人混みに紛れて去っていたところだ。しかし、懸命に語りかけてくるカヨちゃんに心が揺れ始めていた。
なぁに、室内を暗くすればいつも通りやれるはずだ!
そう己を納得させた。
「それじゃあ、行こうか?」
「えっ?」
「ん? このままホテルに行くのは嫌なのかな?」
「そ、そんなことないです」
「それじゃあ、ついてきて」
「は、はい」
我ながらなんて分かりやすい態度なのだろう。
相手が可愛いコだったら、土下座する勢いで感謝の気持ちを全面に押し出し、会話を途切れさせてなるものかと頭脳をフル回転させる筆者。
しかし、今回の筆者は完全に別人のようだ。とはいえ、初対面のカヨちゃんにそんなことが分かるわけもない。
よしっ! 今日はクールな男を気取って“省エネモード”で射精という排泄行為を行うべ。
彼女の数歩先を歩きながら、そう覚悟を決めた。
その後、当たり障りのない世間話をしながらホテル街に到着。
いつもよりグレードの低いラブホテルにチェックインし、ふたりきりになった。
「カヨちゃんって、ああいうサイトでよく遊んでるの?」
「そ、そうですね。半年くらい前に登録して、何人かの人とやり取りしてました」
「そうなんだぁ。で、実際にこうして会うのは俺で何人目なの?」
「え、えっとぉ。ふ、ふたり目です」
「あれ? 意外と少ないんだね」
「は、はい…」
あっ! これはもしかして、相当顔パスされているのかも。
実際に会った人数を言い淀んだ彼女の反応を見て、そう気づいてしまった。
いくらクールを気取るつもりでも、相手の傷口に塩を塗り込むような真似はしたくない。ということで、慌てて話題を切り替えることにした。
「で、カヨちゃんはどんなエッチが好きなのかな?」
「す、好きなエッチですか?」
「うん。どうせなら、今日はカヨちゃんの好きなエッチになるようにしたいな」
「え、エエッ!? そんなこと言われたの初めてです」
「そうなの? でも、どうせ楽しむなら遠慮なんてしても意味がないでしょ?」
「そ、そうですね」
「だから、正直に教えてほしいな。痛いのと汚いの以外だったら、なんでも大丈夫だからさ」
「フフフ。私も痛いのや汚いのは苦手です」
「うん、うん」
「今だけでいいので、本当の恋人みたいなエッチがしたいです」
「了解! ラブラブエッチなら俺も大好きだよ。今日は世界で一番大好きなコとエッチするつもりになるね」
「あ、ありがとうございます」
ほっ。
密かに安堵のため息を漏らす筆者。もしも、
脇の下や足の指やアナルを舐めてくれと言われていたら、ブチ切れていたかもしれない。
相手が好みの女性だったら、言われるまでもなく全身を舐めまわすことだろう。だが、
カヨちゃんは断じて違う! 断じて違うのだから!!
その後、別々にシャワーを浴び、ベッドに向かう。
室内の照明を暗くする前に、バスタオルを巻いた彼女の姿を目にしてしまった。
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やはり第一印象通り全身だらしない感じで、セクシーさの欠片も感じられなかった。
大丈夫! 大丈夫! 大丈夫!! 俺はやればできる男なんだ!!
そう言い聞かせていると、眼鏡を外したカヨちゃんと目が合ってしまった。
その瞬間、彼女が何に似ているのかはっきり分かった。石破氏だと思っていたが、
それ以上に“チベットスナギツネ”に似ていたのだ!!
ネットでチベットスナギツネの画像を初めて見たとき、できそこないのはく製みたいな顔だなと思った。正直、アイコラを疑いもした。
カヨちゃんは目が細いだけではなく目つきも悪く、筆者の中で完全にチベットスナギツネの印象と被ってしまった。
やはり、
“眼鏡を外したら意外なほど美人だった”
というのは、漫画の世界だけの話のようだ。
ということで、照明パネルを操作し、室内を限界まで暗くしてからベッドイン。
仰向けになった彼女の頭の位置を手探りで確認し、目を瞑りながらキスを仕掛ける。
脳内で松井珠理奈や高城れにの顔を思い浮かべれば、すぐにチンコがギンギンになるのが我が愚息のいいところだ。だが、今回は違った。
いくら脳内でセックスの相手を置き換えようとしても、すぐにチベットスナギツネの姿が浮かんでしまうのだ。
こ、これは手ごわいぞ!!
ここで焦ってしまうと、ますます愚息の機嫌が悪くなってしまう。心を無にして一度リセットせねばなるまい。
観自在菩薩行深般若波羅蜜多時、照見五蘊皆空度一切苦厄。舎利子。色不異空、空不異色、色即是空、空即是色…。
脳内で般若心経を諳んじながらキスを終え、おっぱい愛撫に取り掛かる。
Bカップほどのおっぱいを相手に苦戦していると、
ギュムムッ!
カヨちゃんがいきなり抱きついてきた!!
両腕を筆者の背中に回し、両足を筆者の腰の後ろでクロスさせる体勢。エイリアンの第一形態であるフェイスハガーに抱きつかれた感じだ。
ムニュムムム。
カヨちゃんのダブついた脂肪は柔らかく、吸いついてくるような感触は予想以上に気持ち良かった。
ムクムクムクっ!
これに愚息が覚醒し、あっという間にフル勃起状態に。彼女の下腹部や股の付け根にバシンバシンと当たる事態となった。
勃起したことが分かり嬉しかったのか、さらに手足に力を入れてくるカヨちゃん。
クックックッ。まるで「もっとして!」とおねだりしているみたいではないか!
彼女の奥ゆかしいとも言える反応に、すっかり気を良くする筆者。
愚息の先端からはジワワッと先走り液が滲み始め、今にもピチュクチュといやらしい音を立て始めそうだった。
筆者は羞恥心をあまり感じないタイプだが、さすがにこれは恥ずかしい。悟られまいと、無理やり彼女の抱擁から逃れてクンニの体勢に移行した。
クンニの最中に両足を首に絡められたら、生き死にの問題となってしまう。それを避けるため、両手で彼女の太ももを抑え込み、ノーハンドクンニ開始!
マンコは幸いにも無味無臭だったので、クンニに障害はなかった。
今回は省エネモードと決めていたので、いつもより熱のこもらないクンニだったのだが、カヨちゃんは面白いくらいに反応してくれた。
両足を閉じようとしたり、上半身を左右にひねってみたりと、快楽にどっぷり浸かっているようだった。
おっ、なかなか可愛い反応じゃねぇかっ!
だったら、もう一押ししてみるか!!
そう思い、カヨちゃんにあることを提案してみた。
「ねぇ、俺の頭を抱えてごらん?」
「えっ?」
「両手を俺の後頭部に置いて、マンコに押さえつけてみて」
「えっ? いいんですか?」
「うん。気持ちいいところを舐められるよう、カヨちゃんが俺の頭を動かしていいんだよ」
「わ、分かりました」
言われた通り両手を伸ばしてこちらの頭を掴むカヨちゃん。
だが、恥ずかしいのか、その手を動かそうとしなかった。
そこで、わざとクリ以外の部分を舐めてみる。
「ほら。ちゃんと動かしてくれないと、気持ちいいところを舐められないよ」
「は、はい」
恐る恐るといった感じで、筆者の頭部を動かし始めるカヨちゃん。その結果、クリをピンポイントで攻めることに。
「あ、ああぁ、き、気持ちいいです」
「もっといろいろ試してごらん。左右に激しく動かしたり、もっと押さえつけてもいいんだよ」
「は、はいぃぃ」
Mっ気が強い筆者は、こんな具合にクンニを強制されるのが大好きなのだ。このシチュエーションに興奮度が高まり、精巣はギュルンギュルンとフル回転し始めた。
まだクンニを始めて10分くらいだったが、もう入れたくなってしまった。
「も、もうダメだ。このマンコにチンチン入れたいよ!」
「は、はい」
「コンドームを着けるからちょっと待っててね」
目を開ければ、暗闇にも慣れていたのでコンドームの場所はすぐに分かるはずだった。しかし、ここでチベットスナギツネの顔を見るわけにはいかない。
手探りで枕元のゴムを取り、フル勃起している愚息になんとか装着することができた。
さて、体位はどうするべ?
ほんの数秒悩んだが、またフェイスハガーに抱きつかれたいという気持ちから、正常位を選択することにした。
内部まで濡れているのか確認できていなかったので、時間をかけて挿入。ゆっくり腰を振り始める。
ギュギュギュッ。
案の定、両腕を筆者の背中に回して抱きついてくるカヨちゃん。
お互いの上半身が密着し、なんとも言えない感触に包まれる。
ヘコヘコヘコと腰を振り続けていると、さっきと同じように、カヨちゃんは両足を筆者の後ろでクロスさせてきた。
ますます密着度が増し、発射の前兆が襲ってきた。
ググググッ。
もっとこの密着を楽しみたかったので、奥歯を噛んでこらえた。
だが、ここで彼女が予想外の動きを見せる。
グイっ、ググイッ、グイっ、ググイッ…。
まったりしたピストンが物足りなくなったのか、
両足に力を入れて、リズミカルにこちらの動きを操作しようとしてきたのだ!!
こ、このままではアカン!!
せっかくカヨちゃんがいい具合に感じ始めたのに、
あっさり発射なんてカッコ悪すぎる!
こうなったら奥の手だ。
パカッ!
エッチが始まってからずっと閉じていた目を開き、彼女の顔を直視。強烈なチベットスナギツネ顔をハッキリと視認する。その瞬間、チンコの硬さが若干失われた。
くーっ! 彼女に聞いてみたい!! 「チベットスナギツネに似てるってよく言われたりしない?」って。
もちろん、100%相手を不愉快にさせるだけなので口にはしない。
このままではチンコが完全に萎んでしまうので、再び目を閉じて彼女のリードに身を任せる。
再び発射の前兆が襲ってくると、また目を開けて彼女の顔を直視。これを数回ほど繰り返していると、ついにその時がやってきた。
「も、もう、わ、私、イキそうです!」
「お、俺もだよ。俺も、イクよっ!」
そう声をかけてからラストスパート。
ガンガンガガガガン!!
高速でがむしゃらに腰を振る筆者。
その動きに合わせようと、カヨちゃんも懸命に足を動かしてくる。
嗚呼っ、無理やり射精させられるみたいぃぃぃ! し、絞り取られちゃうゥゥゥ!!
相手にテレパシー能力があったら、あまりの気持ち悪さに吐いていたかもしれない。だが、カヨちゃんに(限らず誰もだが)そんな能力がないことは待ち合わせ場所で確認済だ。
ふぅ。
こうして無事発射となったが、「もっと! もっと!」と言わんばかりに足を動かし続けるカヨちゃん。
射精直後であっても硬いままの愚息のおかげで、筆者に数秒ほど遅れるカタチでカヨちゃんも頂点に達してくれたようだった。
安堵した筆者は、全身の力を抜いて彼女に覆いかぶさった。
全体重を預けるわけにはいかないので、両肘でバランスを取りながらカラダを密着させる。
はぁぁ、このしっとり吸いついてくる感じ、本当に気持ちいいなぁ…。
これが夏だったらすぐにカラダを離しているところだが、寒いこの時期には、カヨちゃんのような脂肪過多の女性はうってつけだ。
しばらく抱き合って余韻を味わい、チンコが萎み始める寸前にカラダを離した。
「ありがとうね、とっても気持ち良かったよ」
カヨちゃんに背中を向けながら、コンドームを処理する。
「私もすごく気持ち良かったです」
「それは良かった。それじゃあ、帰る準備を始めようか?」
「えっ? あっ、はい」
カヨちゃんは何か言いたげだったが、筆者は気づかないフリをした。
その後、連絡先の交換も再会の約束もしないままホテルを後にし、新宿駅付近まで彼女を送っていく。
「それじゃあ、気をつけて帰ってね」
「えっ、あ、あの…、はい」
ここでも何か言いたそうにしていたカヨちゃん。
不細工で非モテの筆者が言うのもおこがましいが、彼女は再会の約束をしたかったに違いない。だが、いくら無償の愛の伝道師を自称している筆者にも限界がある。
今回はなんとか上手くいったが、次回も射精できるとは限らない。それに、これから温かくなってくるので、肌の密着による快感が少なくなってくるのも間違いない。
「じゃ、俺は喫煙所で一服してから帰るからさ」
そう言って鈍感さをアピールしながら別れを告げたのだった。
その10分後、彼女からサイト経由でメールが届いた。「機会があれば、またお会いしたいです」というものだ。
社交辞令で「もちろん」と答えるのは簡単だ。しかし、変に彼女に気を持たせるのも可哀そうだ。ここは華麗にスルーするのが正解だろう。
紫煙を吐き出しながら、そっと携帯を閉じる筆者なのだった。
(文=所沢ショーイチ)
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