よくアダルトビデオのシチュエーションモノで保険のセールスレディが契約を取るために、自らの体を使って男性を落とし込む、いわゆる枕営業的なものがある。
なんともファンタジーな妄想物語のようにも思えるが、実際にそれを経験したことがある。
【風俗嬢と体の関係~おとはの場合~】
「んお、もうこんな時間か…」
まだ開き切らない目を擦りながら、枕元に置いてある携帯で時間を確認する。
13:07
店長として今の店で働き始めてから数カ月、何回目の休みだろうか。
月に1回取れればいいこの休暇の間に、溜まっている家のことを終わらせなければならない。
私は重い体を引き起こして、さっそく部屋の掃除に取り掛かるのだった。
ピンポーン。
掃除も一段落して少し休憩していた時にインターホンが鳴る。
「お忙しいところ申し訳ありません。○○保険をご紹介させているのですが、5分だけでもお時間いただけないでしょうか?」
モニターを見てみると、緩いウエーブの掛かったミディアムヘアに、薄めの化粧の女性が映っていた。
少し大きめの口はセクシーで、色白なアナウンサー系の美人。その顔と声に見覚えがあった。
私はつい懐かしくなって、彼女を玄関先まで迎えに行った。
「お忙しいところありがとうございま…えっ、店長!?」
「あはは、久しぶりだね、おとはちゃん」
彼女は目を真ん丸にして驚いていた。
そりゃそうだ。飛び込み営業したのが、自分が務めていたデリヘルの店長の家だっただなんて、驚かない方がおかしい。
「店長の家だったんですかぁ!?」
「うん、俺の家だよ(笑)。上がってく?」
「じゃあ、ちょっとだけお邪魔します」
彼女は特に躊躇することもなく、私の家に上がるのだった。