かつてソリッドシチュエーションスリラーというジャンルの映画が流行った。代表的なのは『CUBE』や『SAW』シリーズだろうか。
ソリッドシチュエーションスリラーとは、限られた空間の中で繰り広げられる人間の極限状態をスリリングに描いた作品を指す。そのエロゲー版と言えるものが、CLOCKUPが2011年にリリースされた『euphoria』だ。
以下、簡単なあらすじ。
目が覚めると主人公と6人のヒロインたちが白い密室に閉じ込められていた。異常な状況に混乱する彼らに、突如として謎の声が「これからゲームを開始します」と告げる。
この部屋から脱出するためには、主人公が『開錠者』となってヒロインのひとりを『鍵穴』に設定し、指定された行為を行って『鍵を開ける』必要がある。それは理不尽かつ過激で、背徳的な内容であった。
ここはどこで、一体誰が、何を目的に? 主人公たちは果たしてこの部屋から脱出できるのか!?
発売当時、脱糞・食糞から斬首・内臓解体のグロまで過激描写のてんこ盛りで完全に人を選ぶ内容であったものの、骨のあるシナリオと完全無欠な変態なキャラクターたちの魅力で、高い人気を獲得した。鬱ゲーとも凌辱ゲーとも言える性格を持った作品である。しかし、プレイする人によっては最高の抜きゲーにもなる稀有な作品でもあった。中古市場では高値となり、後にHD版までもが発売され、CLOCKUPきっての人気作となった。
そのエロアニメ版はPoROreが制作したが、まず主要ヒロインふたりを中心に物語が展開する『euphoria ~真中合歓 地獄始動編~』『euphoria ~帆刈叶 楽園終焉編~』が発売された。その後、『euphoria ~白夜凛音 輪廻転生編~』『euphoria ~「蒔羽梨香」「葵菜月」蘇る地獄絵図編~』、そして原作のトゥルーエンドをベースにした『euphoria ~地下の戦慄ゲーム、地上のスカトロ地獄。笑う黒幕は……幼なじみ!? 編~』と続いた。
これで完結かと思いきや、さらに2016年になって別ルートがベースの『euphoria ~目指す楽園は神聖なる儀式の先に。救世主の母は……白夜凛音!? 編~』までもが発売され、ゲーム発売から数年が経ってからもシリーズ化され、人気の強さがうかがえた。
タイトルの通り、ヒロインのルートを個別に楽しむことができる。よって各30分の短い尺であるものの、キャラクターのドS拷問変態シーンは十二分に楽しめる仕様だ。作画も全作品通してレベルが高い。
ただ、尺の中にかなり詰め込んでいるので、原作に登場した全てプレイが楽しめるわけではない。例えば帆刈叶の食糞(※原作では合歓が食糞する)や白夜凛音のチンカス食いなどは軽く紹介程度で終わる。しかし『euphoria』といばコレ! とファンなら必ず思い浮かべるであろうチューブ肛門連結からの強制食糞の場面はきっちり描いてくれる。
ストーリーは一応原作をなぞっている。しかし謎解きや伏線は小出しにしかされず、キャラクターの心理描写も最低限に抑えられているので、全容をエロアニメだけで理解することは100%不可能だ。アニメだけでは意味不明の連続となる。ストーリーをきちんと理解したい方は、原作をプレイするしかない。
原作ファンはアニメオリジナルエンディングが用意されているので、そちらを目的に鑑賞するのもいいだろう。青葉りんご氏のアニメ版主題歌『パンドラの楽園』もヘヴィーメタルなナンバーで非常にかっこいい。
(文=穴リスト猫)
【視聴はこちらから!】
■『euphoria ~真中合歓 地獄始動編』
■『euphoria ~帆刈叶 楽園終焉編~』
■『euphoria ~白夜凛音 輪廻転生編~』
■『euphoria ~「蒔羽梨香」「葵菜月」蘇る地獄絵図編~』
■『euphoria ~地下の戦慄ゲーム、地上のスカトロ地獄。笑う黒幕は……幼なじみ!? 編~』