【ネットナンパ】「あぁぁ、そ、それ、もっとしてください…」リスカだらけのOLが貪欲に求めてきた!

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Illustrate by ながおか

 筆者は自分が社会のドン底の負け組だということを痛いくらい分かっている。

 その理由を挙げだしたらキリがないが、このコラムを読んでいる男性読者にほとんどの面で劣っていることは間違いないだろう。

 しかし! 社会的弱者だからこそ、ちょっとしたことに大きな幸せを感じ、毎日生きていることが楽しくて仕方ない。

 これからも小さな喜びを探しながら、人様に迷惑をかけないよう社会の片隅でひっそりと生きていきたいものだ。

 もちろん、筆者にとってセックスは小さな喜びなんてものではなく、とてつもなく大きなものであることは言うまでもない。


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新宿で甘いデートしたいです(ハート)


24歳のどこにでもいるようなOLです。

最後にエッチしたのは2年くらい前なので、ちょっと寂しい…。

つかの間でもいいので、ほっとできるような優しいエッチをお願いします。


詮索されるのは苦手なので、

余裕のある紳士的な年上の男性が希望です。

勝手なお願いばかりですけど、お願いします。


書込み日時:02/0* 19:17
受付メール数 :2/15

♀アイカ(初心者マーク)
20代前半
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 いつものように出会える系サイトをあちこち物色していると、筆者が愛用している【ワクワクメール】でこんな書き込みを発見した。

 募集内容は普通な感じだったが、筆者が惹かれたのはタイトルの“甘いデート”と末尾のハートマークだ。これは、

きっと、ラブラブなエッチを求めているに違いない!


 だったら、

トロットロの甘い愛撫を叩き込んで、全身がガムシロップ漬けにされたと錯覚させてやるぜ!!


 そう意気込み、アタックを開始した。


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こんばんは、アイカさん。


都内の会社員、ショーイチ・36歳です。

さきほどアイカさんの書き込みを見つけちゃいました。

私も甘くてトロけるようなエッチが大好きなんです!

優しいくらいしか取り柄のない私ですが、

ぜひアイカさんと楽しい時間を過ごしたいです!!


もしお返事いただけたら、私の写メを送信しますね。

それを見てもらってからで構わないので、

検討してもらえたら嬉しいです!!
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 こんなメールを送ったところ、ものの5分ほどで返事がきた。そこから数通ほどやり取りし、あっさり約束は成立した。

 待ち合わせ場所は、新宿アルタ前。約束の時間より早めに着いた筆者は、周囲を見渡してそれらしい女性を探した。

 まだ来てないようだったので、寒さを避けるためアルタ脇の階段を降りて地下に向かった。

 地下に降りるとスグに、サイト経由でアイカちゃんからメールが来た。


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ちょっと早いですけどアルタ前に着きました。

ショーイチさんはどの辺りですか?
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 どうやら入れ替わりで到着したようだ。女性より早く到着しておいて紳士さをアピールするのが筆者の流儀だが、失敗に終わってしまった。

 急ぎ地上に戻り周囲を見渡すと、そこにアイカちゃんらしき女性を発見した。

 遠目では、スレンダー体型で髪の毛が茶色がかっているということしか分からなかった。

 呼吸を整えながら、ゆっくり彼女の方に向かっていく。


グヌヌヌっ。


 まず気になったのは、不潔そうな茶髪だった。パッサパサに乾いていて、頭頂部付近は黒い地毛が見えていた。

 本人は“どこにでもいるようなOL”と書き込んでいたが、とてもまともなOLには見えなかった。まぁ、OLといってもピンキリなので、そこに腹を立てるのはナンセンスだろう。

 気を取り直し、彼女に軽く会釈する。


「こんばんは、アイカちゃん?」

「あっ、はい」

「待たせちゃってごめんね。ショーイチだよ」

「は、はい。大丈夫です」


 本当は彼女より先に到着していたわけだが、ここで下手な言い訳をするのはかっこ悪い。素直に謝ったほうがスマートというものだ。

 この最初のやり取りで、違和感を覚えてしまった。アイカちゃんはうつむき加減で、口をモゴモゴと動かしながらしゃべっていたからだ。


ん? 対人恐怖症か何かなのか?


 ここで、書き込みにあった“初心者マーク”のことを思い出した。こういう出会いは初めてで、必要以上に緊張しているのかもしれない。

 ということで、いつもよりゆっくり話すことを心がける。


「どうかな? 実物の俺はこんな感じだけど、嫌じゃないかな?」

「え?」

「遠慮しないでいいんだよ。嫌だと思ったらこのまま帰ってもらって構わないからさ」

「そ、そんなことしません!」


 ここでやっと顔を上げたアイカちゃんは、強めの口調ではっきり答えた。その時、筆者は気づいてしまった


アイカちゃんの出っ歯具合を…。

 それは久本雅美を彷彿させ、セクシーさとは程遠いものだった。

 だが、この程度で怖気づく筆者ではない。

 きっとアイカちゃんも筆者と同じ“非モテ界の住人”に違いなく、それでもエッチしたいがために、勇気を出して出会える系サイトに登録したのだろう。

そんな気持ちを無下にはできない!


 “同類相憐れむ”の感情が湧き、さらに優しい口調で話しかけた。


「ずいぶん緊張してるみたいだけど、安心してね」

「えっ?」

「断られたら3分くらいはここでじっとしてるから、ゆっくり歩いて駅に向かっていいんだよ」

「フフフ。だから、そんなことしませんよぉ」


 ようやく笑みを浮かべてくれたアイカちゃん。しかし、笑った姿を見せたことを後悔するように、またすぐにうつむいた。

 やはり彼女は、出っ歯であることを相当気にしているようだ。筆者自身がコンプレックスだらけなので、こういう何気ない仕草にすぐ気づいてしまう。

 こういった時の対処法はいたってシンプルだ。


本人が気にしているであろう箇所に視線を向けない。


 たったそれだけのことで、気持ちはずいぶん楽になるものだ。

 その後は、彼女の口元に目がいかないように注意しながら会話した。


「それじゃあ、このままホテルに向かうってことでいいのかな?」

「は、はい。ショーイチさんさえよければ、それでお願いします」

「えっ、俺? もっちろんOKだよ」

「ほ、本当ですか?」

「うん! アイカちゃんが書いていたように詮索とかもしないから安心してね」

「は、はい。ありがとうございます」


 いつもならここで「可愛い」だの「セクシー」だのと褒めるところだが、嘘をつけない筆者は、アイカちゃんの容姿に触れることなく会話を進めた。

 こうして、ホテル街に向かって歩き始めることに。


「もしかして、ああいうサイトで遊ぶのは初めてなのかな?」

「は、はい」

「やっぱり怖いでしょ? こういう風に見ず知らずの男と会うのって」

「はい。どんな人が来るのかまったく分からないので…」

「俺のことも怖いって思ってた?」

「い、いいえ。メールの内容がすごく優しそうだったし、すぐに写真も送ってもらえたので怖いとは思わなかったです」

「それは良かったぁ。でも、いろんな人がいるから気をつけてね」

「えっ?」

「ほら、ホテルに入ってから相手の背中に入れ墨があることに気づいたり、腕に注射痕がたくさんあったりしたら怖いでしょ?」

「そ、それは怖いですね」

「だから、見た目が優しそうでも気をつけなきゃダメだよ」

「は、はい」

「あっ! 俺は正真正銘普通のエロいおっさんだからね。タトゥーも注射痕も何もないからさ」

「フフフ。はい」


 そうこうしているうちに目的のラブホテルに到着。無事にチェックインし、部屋でふたりっきりになる。

ぐぬぬぬぬッ。


 明るい室内で改めてアイカちゃんの顔を見て、眉間に縦じわが浮かびそうになった。

 我々“非モテ”人種は、相手の表情の微妙な変化を敏感に察知する能力を持つものが多い。筋金入りの非モテの筆者は、その能力に特に秀でている。

 今回は相手も同じ“非モテ”のはずなので、表に現れてしまう感情を悟られないよう注意が必要だ。

 意識して口角を少しだけ吊り上げる。表情筋がそこに集中するので、眉間に縦じわができにくくなる。その表情をキープすることを心がけて、エッチな会話を開始する。


「優しいエッチが希望って書いてたけど、もう少し具体的に教えてほしいな」

「えっ?」

「どうせエッチするなら、お互いに少しでも楽しくしたいんだ。だから、アイカちゃんが喜ぶことをなんでもしてあげたいんだよ」

「す、すごいですね」

「なにが?」

「そんな風に言われたの初めてです」

「別に特別なことじゃないよ。だって、今からするのは楽しくて気持ちいいことだよね? それを少しでも多く味わいたいっていう俺のスケベ心の表れなんだよ」

「ショーイチさんっていつもそうなんですか?」

「うん! 正真正銘のドスケベだから、エッチに関しては欲張りなんだ」

「欲張りなんですか?」

「あっ、たくさんしたいとかそういうんじゃないよ。俺が気持ち良くなりたいから、アイカちゃんにもたっくさん気持ち良くなってほしいんだ」

「ほ、本当にすごいですね。そういう考え方の男性って初めてみました」

「そ、そうかな? で、アイカちゃんはどんなエッチが好きなの?」

「優しいのが一番ですけど、今日はショーイチさんに全部お任せします」

「えっ?」

「ショーイチさんの好きなようにしてほしいってことです」

「お、おう。分かったよ。それじゃあ、全力で愛させてもらうね」

「フフフ。とっても楽しみです♪」


 できるだけ彼女の顔を見ないように会話していたが、不自然に顔をそむけるのも失礼なので、悟られないようにするのが腕の見せどころだった。

 その後、別々にシャワーを浴び、いよいよベッドイン。


「それじゃあ、ゆっくり優しくご奉仕させてもらうね」

「は、はい」

「無理に声とか出さないでいいよ。でも、嫌なことがあったら遠慮しないですぐに教えてね」

「はい。でも、今日はショーイチさんに全部お任せしますね」

「うん。絶対に痛いことや汚いことはしないから安心して楽しんでね」

「はい!」


 あらかじめ室内を暗くしておいたのだが、キスをするために顔を近づけると久本雅美の顔が浮かんできてしまう。

 相手の顔が識別できないくらい真っ暗にするというのもひとつの手だが、それも良し悪し。“私の顔を見るのが嫌で部屋を真っ暗にしたのでは?”と相手に思われたらデートは台なしだ。

 しかし、百戦、いや千戦錬磨の筆者は、こういう事態も慣れっこだ。

 まず、顔を近づけながら瞼を半分くらい閉じて薄目にする。筆者のまつげは1本1本が太くて密集しているので、瞼を半分閉じただけで視界がかなり悪くなる。その視界の悪さがちょうどいい塩梅のフィルターになって、相手の顔が分かりにくくなるのだ。

 ここで乃木坂46の西野七瀬の顔を思い浮かべ、

今からエッチするのは彼女なんだと自己暗示をかける。


 脳内スクリーンには西野の可愛い出っ歯具合が上映され、興奮しながらアイカちゃんとキスを交わしていく。

 そんなキスの最中も、相手を観察することを忘れない。2年ぶりのエッチだからか、アイカちゃんはまだまだ緊張しているようだった。

 ここは、次の愛撫に進む前に緊張をほぐしてあげるべきだろう。そう考えた筆者は、アイカちゃんの肩に手を置き、キスしながらその手を彼女の手のひらに向かって動かした。


ザララッ。


 筆者の右手が彼女の手首に触れた瞬間、指先にわずかな違和感を感じた。


こ、これはもしかして…。


 その正体を確かめようと指を動かすのは、経験上、危険だと思った。手首辺りの違和感は、リスカ跡がある可能性が高いからだ。

 そのままアイカちゃんの手のひらを握り、優しいキスを仕掛けていく。

 しばらくすると、彼女の肩の力が抜けてきた。どうやら、ようやく安心してくれたようだ。

 お次は、おっぱい愛撫の時間だ。

 体勢を入れ替える際、横目で彼女の手首を確認する。


五線譜かよっ!


 彼女の左手首にはリスカの跡が5、6本ほど平行に刻まれていた。反対側の手首にも、薄いリスカの跡が数本…。

 さらに、手首の付け根にタバコを押しつけてできたであろう火傷の跡を見つけてしまった。どれも新鮮なものではなく、数年以上は昔のものだろう。


とりあえず、見なかったことにしよう。

 Cカップほどのおっぱいを丁寧に舐め上げながら、片手を股間に向かって伸ばす。


ツルン!


 この感触は、パイパンということだろう。さらに手を伸ばすと、しっとりとしたヒダヒダに触れた。

 アイカちゃんのマンコは常に閉じていて、クパァと開かないとクリトリスにタッチできない感じだった。

 そのまま指でまさぐってもよかったが、どうせなら

中身が現れる瞬間をこの目で見たい!


 ということで、おっぱい愛撫を途中で切り上げて、クンニの体勢に移行した。

 目を凝らして観察すると、周囲には剃り残した陰毛や青々とした毛根が残っていた。エステなどで処理したものではなく、カミソリなどで剃って造られたパイパンだった。

 厳かな気持ちでクパァと開いてみる。


お、美味しそう!!


 性欲よりも食欲が疼いてしまうような美マンだ。室内は薄暗かったが、綺麗なサーモンピンクのヒダヒダはヌメヌメと光っていた。

 そのまま顔を近づけ、膣穴の周囲を丁寧にペロペロ舐め始める。

 リスカ跡のある女性のマンコを舐める際、筆者はいつも思うのだ。


生きていればこんな気持ちいいことがあるんだよ。だから二度と死のうなんて考えちゃダメだよ! と。


 こうして、いつもの5割増しの時間とテクニックでマンコを愛していった。

 筆者のような冴えないオッサンに生きている幸せを説かれてもピンとこないだろう。むしろ逆効果で、相手を不愉快な気持ちにさせるのがオチだ。だからこそ、


言葉ではなく態度で伝えるしかないのだ!!

 そんな思いが通じたのか、アイカちゃんのマンコは見る見るうちにズブ濡れになった。

 これだけ濡れてくれれば、指を挿入しても大丈夫だろう。

 中指を挿入してGスポットをコネあげながら、愛情あふれるクリ舐めを行う。

 ここまでアイカちゃんはほとんどアヘ声をあげなかったが、この同時攻撃であっさり陥落。


「あぁぁぁ、こんなに気持ちいいの初めてぇぇぇぇ!!」


 自ら発した言葉で理性の壁が吹き飛んだのか、アイカちゃんは腰をガクガク震わせ、筆者の指を奥へ奥へと導こうとしてきた。


クックックッ、こいつ可愛いなぁ…。


 動きから察するに、アイカちゃんの敏感スポットはもっと奥にありそうだ。

 しかし、ここで中指をさらに奥へ挿入するだけでは芸がなさすぎる。

 そこで、人差し指を追加で挿入。中指で奥を突きながら、人差し指でGスポットを刺激する。もちろんクリトリスをチューチューレロレロチュッパチュッパと愛しながらだ。

 この3か所同時愛撫は、筆者にとっては日常的な行為だ。だが、多くの女性にとっては生まれて初めての快感のようで、身もだえして喜んだり、驚いたりすることが多い。


「あぁぁ、そ、それ、もっとしてください…」


 なんて貪欲で素直なのだろう。出会ってからここまで、焦らずに彼女の心の垣根を取り払う努力をし続けた賜物だろう。

 赤裸々な女の性を目の当たりにして、ブルルルルルンと心と体が打ち震えた。

これぞ俺のレゾンデートル! こんな俺でも生きていていいんだという存在意義に他ならない!!


 痛みを与えないようソフトなタッチを心がけていたが、ここでブレーキから足を離しアクセルをベタ踏みして高速クンニと高速手マンに切り替える。


「ひっ、ひぃぃぃっ!! イッちゃぅぅぅぅぅぅぅ!!」


 出っ歯とリスカという強烈な武器で難攻不落に思えたアイカちゃんだったが、自己暗示のおかげであっさりと頂点に導くことができた。


ま、満足ぅぅぅぅぅぅぅ!!


 無事に彼女をイカせることができ、達成感で胸がいっぱいになった。

 ここから先はおまけみたいなもので、射精という行為がエッチの終わりを告げる合図のように思えた。


「それじゃあ、そろそろ入れるね」


 そう声をかけてからコンドームを装着、正常位で挿入した。

 ふたたび瞼を半分閉じ、脳内スクリーンに西野の姿を投影する。

 秒速数センチというスローリーなピストンだったが、自己暗示が強く効きすぎたのか、あっという間に射精の前兆が襲いかかってきた。慌てて西野を引っ込めるが、後の祭りだった。


ふぅ。


 射精の合図も出せずに、ドクドクッとザーメンをヒリ出してしまった。

 しかし、こんな事態も筆者にとっては茶飯事。ザーメンを出し切ってから「そろそろイクよ!」と声をかけてピストンを加速させる。


「ウッ! イクッ!」


 そう声に出し、たったいま射精したフリをする。

 射精後も数分間は硬く滾ったままでいられる、愚息の擬態ぶりに感謝するしかない。

 こうして、無事に終わりの合図を告げることに成功した。

 ティッシュで後処理をするため、ベッドのヘッドボードを操作して室内を明るくする。


ぐぬぬぬぬぬッ。


 賢者タイム真っ最中にアイカちゃんの顔を見るという失態を犯してしまった。

 ここで眉間の縦じわを彼女に目撃されたら、ここまでの努力が無駄になってしまう。

 かといって、急に彼女に背を向けることもできない。


エマージェンシー! エマージェンシー!!


 脳内でサイレンが響き渡る。こうなったら、最後の手段だ。

 チンコの後処理を中断し、アイカちゃんの股間に顔を埋める。そう、

お掃除クンニだ!



「え? だ、ダメっ! 汚いですよぉ!」

「汚くなんかないよ。とっても綺麗で美味しいマンコだよ」

「で、でもぉ」

「俺のお礼の気持ちなんだ。もう少しペロペロしてもいいかな?」

「は、はい…」


 このちょっと強引なお掃除クンニで、事なきを得た。

 その後、別々にシャワーを浴びてから帰り支度を行うことに。


さて、どうするべか?


 “連絡先を交換して再会を約束”という社交辞令的行為をすべきか…。

 でも、下手な約束をして裏切ることになったら、アイカちゃんを傷つけてしまうかも…。

 着替えながら悩んでいると、アイカちゃんに先手を取られてしまった。


「あ、あのぉ、ショーイチさん」

「ん? どうかした?」

「またメールでお誘いしてもいいですか?」

「うん、もちろんだよ! またサイト経由で気軽に連絡してね」

「えっ、本当ですか?」

「うん。お互いの都合があえば、また楽しく会おうね」

「はいっ!」


 こちらが承諾すると、アイカちゃんは笑顔で喜んでくれた。罪悪感にかられ、胸の奥がチクリと痛んだ。

 出会える系サイト遊びに慣れていない彼女は、ここでお互いの連絡先を交換しなかったことに何の不自然さも感じていなかった。

 筆者は、“お互いの都合があえば”という条件つきの約束をしたにすぎない。それでも笑顔で喜んでくれるだなんて…。

 その後、駅の改札口まで彼女を見送り、デートは終了した。

 問題はこれからだろう。アイカちゃんからお誘いがあったらどうすべきか。彼女を傷つけたくないので、素直に応じてあげるのが正解だろう。

 無償の愛の伝道師を自称する筆者だが、好き嫌いは当然ある。“都合があわない”などと言い訳をしながらソフトに断ってしまう可能性が高い。

 本当に彼女から誘いが来るのかは分からないが、来るべき日に備えてあれこれと脳内シミュレーションに明け暮れる筆者なのだった。

(文=所沢ショーイチ)

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