1988年にデビューして以降、長きにわたりアダルト業界に君臨したAV男優・加藤鷹。数多の女優を昇天させてきた彼は、それと同時に世の男子を魅了してカリスマと呼ばれた。現在でも、タレント活動のほかプロデュース業など幅広く精力的に活躍し、今月末にはゴマブックスより電子書籍『加藤鷹のもっと豊かになれる人生の過ごし方』が配信予定だ。そんな加藤に今回インタビューを敢行。稀代のAV男優が今なお発信し続けるワケとは…。
――2013年に引退していますが、何か変化はありましたか?
加藤鷹(以下、加藤):俺はひと言も“引退”なんて言ってないんだけど…(笑)。確かに2013年にAV男優から“卒業”するとは言ったけど、まだ現役ですよ。まあ、マスコミさんが「引退」って伝えてくれたおかげで、自分のペースで活動させてもらってますけどね。
――これは失礼しました…(苦笑)。電子書籍も出ますし、まだまだこれからという感じなんですね。
加藤:最初に書いた本は1994年の『イケない女神たち』だったと思うけど、それ以降もセックスのバイブル的な本はいくつも出しているから、また何年後かに出すことになるかも(笑)。
――加藤さんのテクニックや生き方を学びたいという人は多いと思います。
加藤:俺の中では「今さら感」があったりするんだけどね(笑)。来年でデビューして30年になるけど、今の時代に「潮吹き」とか「イク、イカない」を語ってもしょうがないでしょ。そんなのもうみんな知ってることだしさ(笑)。でも、今回の本はセックスのこと以外の話題も多いんだよ。今の俺の「知識のベスト」が詰まってる感じかな。
――書籍のタイトルは『加藤鷹のもっと豊かになれる人生の過ごし方』ですが、これはどういった思いからつけたのですか?
加藤:常に「今が最高」だと思って生きていたら幸せじゃない? 「今日よりも明日」っていう精神が大事だと思うし、それをみんなにも考えてもらえたらいいな、と。実は俺、過去の自分を“しょぼい”って感じる人間なんだ。よく「あのときは良かった」なんて振り返る人がいるけど、それはちょっと違う気がする。インタビューでも「鷹さんが最高だったのは何年前ですか?」なんて聞かれることが多いけど、俺はいつも「今」って答えているよ。まあ、こんな風に考えるようになったのも、「ババア」の影響かな。
――ババアとは?
加藤:カッコつけて言うと「祖母」だけど、俺にとってはババア(笑)。そのババアによく言われたのが、「まだまだだな」だった。子どものころの俺がテストでいい点とっても、「まだまだ」って(笑)。まあ、ババアには礼儀作法とか考え方とかいろいろ影響されたよ。それに気づいたのは、40代の後半くらいになってからだけどね。だから今の俺は自分のことを「まだまだ」って思うし、これからもいろんな意味で「もっと豊かになれる」って信じてる。その思いから生まれたのが今回の書籍かな。