元AKB48で女優の大島優子(26)が、今秋公開予定の映画『ロマンス』(タナダユキ監督)に主演することが発表された。グループ卒業後初の主演映画になる。
大島が演じるのは特急ロマンスカーの車内販売員・北條鉢子。仕事の成績は常にトップクラスだが、優柔不断で自分に自信が持てない平凡な女性で、トップアイドルとして活躍していた大島のイメージとは対照的だ。小田急線の新宿と箱根を往復して東京に戻ってくるはずだったが、ひょうんなことから大倉孝二(40)演じる“怪しい映画プロデューサー”の箱根旅に巻き込まれ、観光名所を巡りながら人生を見つめ直すロードムービーという内容。これだけでも興味を引かれるが、大島は今作でラブホテルでのベッドシーンに初挑戦。トップアイドル女優の「濡れ場解禁」という意味でも話題になっている。
メガホンをとるタナダ監督は、07年公開の蜷川実花監督の映画『さくらん』の脚本を担当したことで脚光を浴び、その後は蒼井優(29)主演の『百万円と苦虫女』や人気小説を実写化した『ふがいない僕は空を見た』などの話題作を監督。女性の繊細な心理描写に定評があり、業界内の注目度も高い。『ロマンス』は7年ぶりのオリジナル脚本作品となり、気鋭の女性監督が意欲作の“センター”に大島を選んだ格好。タナダ監督は大島がイメージキャラクターを務める低刺激洗浄料「ミノン」のCM演出も手掛けており、息もピッタリだったようだ。
昨年出演した宮沢りえ(41)主演の映画『紙の月』で大島は第39回報知映画賞、第36回ヨコハマ映画祭の助演女優賞を受賞。日本アカデミー賞にもノミネートされている。だが、同作は主演の宮沢の体当たり濡れ場が大きくクローズアップされ、大島は原作にないオリジナルキャラクターを演じたこともあって添え物感があった。業界内でも各映画賞の受賞は「事務所のゴリ押し」との見方が強い。だからこそ、卒業後初主演となる『ロマンス』は真価が問われる作品になり、大島は昨年11月に行われた撮影に「人生すべてを懸ける」と強い決意でのぞんだ。注目のベッドシーンはラブホテルで強引に押し倒されるというアイドル時代には考えられない展開だが、これについても「アイドル色を消して鉢子になりきろう」と女優魂で乗り切っていたことを明かしている。