6月に行なわれた「AKB48選抜総選挙」では3位と、昨年の2位から順位を下げたものの、変わらずグループ内では圧倒的な人気を誇るまゆゆこと渡辺麻友。7月10日に発売される4thシングル「ラッパ練習中」の発売を控え、6月29日から放送された『音楽の日』(TBS系)で同楽曲が初披露されると、ネット上では「可愛い」「かわゆすぎ」「やっぱりまゆゆはソロの方が輝いて見える」など絶賛の声で溢れた。しかし一方で、このシングル特典の多さについて、物議をかもしているようだ。
同シングルでは、通常版に加え、期間生産限定盤、完全生産限定盤、初回生産限定盤A、初回生産限定盤B、と全5形態がリリースされる。すべてのバージョンにはランダムで「まゆゆの謎解きゲームカード」と「プレミアム抽選応募券」が封入されている。「応募券」では、名古屋、大阪で計4回行われる公演 『「ラッパ練習中」発売記念ソロライブ~Mayu’s レストラン 全曲フルコースを召し上がれ~』への招待をはじめ、『まゆゆと遊ぼう!ドッキドキお楽しみ会』と称される、サイン会、撮影会、バッジお渡し会、ウエイトレスに扮した渡辺に告白できる会、詳細は発表されていないが“渡辺を独り占めできる時間などへの招待”や、サイン入りグッズやポスターなども抽選で当たるという。
この豪華すぎる特典のため、当然ながら複数枚購入するファンも続出し、ネット上では「さすがに特典つけすぎ!」「複数購入させること前提なの?」「必死感がアリアリだな」「いっそシングル一枚三万円くらいで売っちゃえばいいのに」など、冷めた声が相次いでいる。
「6月に発売されたSUPER☆GIRLSの7thシングル『常夏ハイタッチ』やももいろクローバーZの2ndアルバム『5TH DIMENSION』もCDのみ、DVD付き、ジャケット違いや店舗によっての購入特典の違いなど購買意欲をそそるさまざまな販促活動が行われています。この商法の原点はAKB48が始めたことですし、いわばAKBのお家芸、渡辺のシングルに限った話ではないでしょう。ただ、この特典の多さにはさすがに“ただならぬ”渡辺サイドの気合いが伝わってきます。もしかしたら、8月に発売される指原がセンターを務める新曲を意識してのことなのかもしれませんね」(芸能ライター)
総選挙で一位となった指原莉乃をセンターに据えた32thシングル「恋するフォーチュンクッキー」は8月21日に発売予定。この新曲が発売される前には、渡辺のシングルが10日、その翌週17日にSKE48の12thシングル「美しい稲妻」、そして19日には島崎遥香のファースト写真集『ぱるる、困る。』(集英社)など、次代のAKBグループを担うメンバーたちの作品が立て続けにリリースされる。
次期センター候補と称される渡辺、総選挙6位、7位で見事“神7”入りした松井珠理奈と松井玲奈を擁するSKE48、そして総選挙12位ながら次世代のエース候補とも言われ、運営サイドのゴリ押しもささやかれている島崎。指原センターのシングルリリースまでの7月こそ、次世代を担うメンバーたちが“いかに”ファンから支持されているかを探る期間と捉えることもできそうだ。
AKB48のシングルは20th「桜の木になろう」から連続してミリオンを達成している。だが総選挙の投票券がついた31thシングル「さよならクロール」の194万枚のヒットを除いては、27thシングル「ギンガムチェック」以降、総売上枚数は徐々に下がっており、30thシングル「So long!」に至ってはぎりぎりミリオン達成の約110万枚、という状況である。
篠田麻里子、板野友美ら人気メンバーの相次ぐ卒業発表で求心力を失いつつあるAKBグループ。かつての勢いとさらなる発展のためには、数多いる“次世代センター”の今以上の台頭が不可欠だろう。その役目を担うのは永遠の清純派・渡辺か、新センター・指原か、はたまた勢いの止まらないSKEのダブル松井なのか。彼女たちの熱い夏が始まろうとしている。
(文=近藤チカゲ)