壇蜜や吉木りさなどわずかな売れっ子を除けば、深刻なグラビア不況が続いている昨今。イメージDVD市場の主役は、15歳以下のジュニアアイドルたちであるという。
一時、中学生にTバックを履かせるなどの露出の過激化や、ジュニアアイドルDVDを手掛ける出版関係者らが児童ポルノ法違反で逮捕されるなどで、社会的な批判が強まったこともあったが、ほとぼりが冷めた後は、事件化する前と変わらないリリースが続いているようだ。
そんなジュニアアイドルの現状を、ビデオカメラマンとして業界にかかわる一色和人氏(仮名)が、現場の視点で語ってくれた。
「AVだって不況といわれていますが、成人のグラドルが過激な着エロ作品をリリースしたところで全然売れない。そんな中でも手堅いのはジュニアアイドルなんです。とはいえ、子供らしく撮るだけでは、ダメ。それなりの演出をしないとなりません」
それなりの演出とはどういうことだろう。
「15歳だろうと10歳だろうと、狙いはとにかくエロ。一応子供なので、股間のアップをひたすら撮り続けるのは問題で、カメラは顔と身体を行き来するんですが、股間部分をどれだけアップで、事務所にダメ出しをされない程度にオカズになる画を撮れるか、ばかり考えてますね。あと、定番なのは擬似フェラ。ジュニア作品にはまず何かを舐めているシーンが必ずある。例えばソフトクリームを舐めてもらうなら、クリームが絡まった舌をどれだけ見せられるか。大体それだけで1チャプターになるんで、食べきるまで延々と撮ります」
本人たちはどう思っているのか分からないが、事務所によっては、「飴やアイスはいいけど、バナナはNG」など微妙なせめぎ合いがあるとのこと。ここはメーカーの交渉どころのようだ。ちなみに、そんな少女たちを扱う業界には、真性のロリコンも多い気がしてしまうが…。
「多いですね。あるメーカーのプロデューサーは、現場で半勃起状態。アソコに水着のスジが入っているのを見かけようものなら、僕を裏に呼び出して『あれ、狙ってください!!』と大興奮。その上、編集した素材以外に、カットしてない未編集のものも全てよこせというんです。一体、何に使うんでしょうか…」
かなりグレーゾーンの世界だと思われるが、現場でトラブルに巻き込まれたことはないのだろうか。
「ジュニアの世界では一般的な演出なのですが、14歳の女の子に制服を着せて、その下に下着に見えるような白の水着を履かせて、パンチラに見立てて撮影するという現場があった後のことです。もちろん事務所の立会いの下で、本人も楽しく演じていたのですが、当日立ち会わなかった親が激怒して警察に駆け込んで、後日、メーカーに販売差し止めの内容証明が届きました。ちょうど、摘発があった直後だったので、自分も逮捕されてしまうかもと真っ青になりましたよ」
なんとも洒落にならない話だが、最終的には事務所が収めてくれたとのことだ。それにしても、このような現場で被写体となる当のジュニアアイドルたちはどう思っているのだろう。
「中学生くらいの子たちに関しては、ある程度分かって演出に応じているはずです。ただ、まだその年頃の子たちは視野が狭いので、自分がアイドルとしてブレイクするために、AKB48やモーニング娘。に入るために必要なことだと吹き込まれていたりします」
最近、ジュニアアイドルとしてトップの人気を誇っていた中学生グラドル・佐々木みゆうが、14歳にして、芸能界引退を発表したが、この汚い男の欲望の詰まった世界に嫌気が差してしまって、まだ幼いうちに芸能界を去っていく子も多いのだという。最後に、このような現場に携わることに罪悪感がないものだろうかを尋ねた。
「正直最初はありましたよ。だけど、慣れてしまうんですよね。あと、確かに最終的にはどれだけ“抜かせる”ことが出来るかが勝負のグレーな世界だとは思いますが、例えば、ジュニアアイドル出身でも、きゃりーぱみゅぱみゅとか大島優子とか長澤まさみみたいに、そこから大成していく子もいる。“芸能界の登竜門”という意味では、ある程度の役割があるのではないかと思っています。ただ、月日が流れて、小学生のときに撮ったジュニアアイドルが18歳を越えてAVに転身していたことを知ったときは複雑な気持ちになりますね」
児童ポルノの単純所持が国会で議論される中、児童のグラビアを商品化することに対しても、世間の目が、厳しくなることは必至だ。規制の波は、ジュニアアイドル業界にも押し寄せるのだろうか。
(文=フェラーリ☆星野)