【フィリピン在住ジャパニーズ・ことぶき太郎が、魅力的なフィリピン娘の生態に迫る】
「ママヤ」とは、(あとで)という意味だ。
しばらくしてから再度要求すると、「ママヤ・ナ」とちょっと強くなる。
しかし、“あとで”はなかなかやってこない。ヘタすると、ずっとやってこない。
俺は女房や子どもが、いまなすべきことに対して「ママヤ」と言うと、「ママヤとお化けは出てこない」と言って、すぐにやらせることにしている。
某日系企業の、フィリピン営業所長をしているA氏の妻はピーナだ。A氏と奥さんには20の年齢差がある。奥さんの連れ子が二人と、A氏との間にできた子どもが一人いる。A氏も日本に死別した日本人妻の子どもさんがいる。実に円満な家庭を築いている…ように見える。これは、A氏が非常に穏やかな人柄のせいであろう。奥さんも、勤勉家で身体を使うことを惜しまない女性である。
しかし、その勤勉さも行動的なことも、自分の虚栄心から来ているようである。ある程度の収入がある日本人の夫を持ち、持ち家があり、メイドとボーイを雇い、2台の車を持ち、年1回は家族で日本へ遊びに行く。そういう家の主婦が、家にこもって何も知らないでは、ご近所に示しがつかないとでも考えているようである。実際に、近所に住む知り合いのフィリピン人夫妻が、彼女のことを「生意気でうるさい」と言っていた。
確かにそんなところはある。だが、生意気でうるさいのがピーナだ。それを、コントロールするか諦めるかのどちらかである。
A氏はどうなのであろう。家に遊びに行くと、話をするのは7割が奥さんのほうである。A氏はニコニコとうなずく回数のほうが多い。
ときおりA氏がコーヒーとかタバコを要求すると「ママヤ」と返事をする。しばらくしても話を中断しないときは、A氏が立ち上がってタバコを持ってきたり、コーヒーのお替りをメイドに言いつけてくる。
やっぱり、ここでもママヤとお化けは出てこないようだ。それをA氏は知っている。
それなりの経歴と地位を保ち、フィリピン上流階級とも付き合いのあるA氏である。タガログ語の意味とシチュエーション、ピーナの性格、国民性などなど、理解して操っているのであろう。だから、ちょっと鼻の高い奥さんの「ママヤ」に嫌味はない。
この「ママヤ」を上手く使って、日本おやじをたらしこんでいるピーナのメイドがいる。
ご多分に漏れず、ゴルフ好きの退職者だ。このおやじ、日本でも結婚歴がないといっているが、定かではない。尋ねてもいないのに、自分から過去の話をするのはどうも…。そして、永住権を取得しビレッジに家を借りメイドを雇うという、お決まりのコース。
このメイドが、きれいに化粧をして、いつも清潔なTシャツにホットパンツという、メイドらしからぬ装いをしている。別に、コスプレでメイドの格好をさせなくってもいいが、それなりの格好をさせて欲しいと思う。遊びに行ったときに扱いに困る。
このメイドが何か言われると、あま~い声で「ママヤ・ナ」と日本おやじにささやくようにつぶやくのだ。「あ~と~で♪」という感じだ。あとで何をするのか、何をしてくれるのか。日本親父は、ニタニタ笑っているだけ。
このメイドをからかったことがある。
「○○さんは、やさしいね。あなたも、とっても甘くてやさしい」
返ってきた返事は、
「すけべだよ、あの人。ちんちん舐めるのが好き。」
「はっ?」
ピーナは、おしゃべりである。雇い人の恥は考えない。それから、日本おやじのすけべ度の披露が始まった。
ホットパンツを穿いているのは、日本おやじの趣味らしい。それもコットンやデニムのような固い生地ではなく、お尻や太ももにフィットして伸びる生地でなければならないという。Tシャツも薄手のもので、来客がなければノーブラだというではないか。何をしているかすぐに想像がつく。
メイドの話は、想像通りだった。Tシャツの上から乳首に触れ、ホットパンツの脇から手を滑り込ませ、盛り上がった土手や亀裂に指を這わせるのだという。洗濯をしていても、料理をしていても、掃除機をかけていても、後ろから攻めてくるらしい。
化粧をして口紅を塗っているのは、フェラチオをするためだと言うにおよんでは、口をあんぐりと開けてしまった。これは、メイドではない。断言できる。ただの玩具だ。精巧にできた性交のための大人の玩具。
ピーナが可哀想だとも感じたが、当の本人がけろっとして金を貰い、楽しんでいるのだからしょうがない。そういう眼で見ると、やや肉付きのいい身体にふくよかな胸、すらっとした脚の上部にある引き締まった臀部、柔らかなホットパンツに覆われた恥丘などが、エロっぽく見えてしまった。
「あなたのちんちんも食べてみたいな」
と言われてしまったが、さすがに同じ日本人の愛用している大人の玩具を試してみる気は起こらなかった。
「ママヤ・ナ」と微笑み返しをしたけど、お化けとママヤは出てこない。
A氏は、表で妻の虚栄心を満たしてやり、上手くコントロールしているのがわかる。お互いを尊重しあっているのだろう。日本おやじは、そのスケベ心を上手くコントロールされ、利用されている。日本で結婚歴がないのは、本当かもしれない。
A氏とその奥さんには、どこかに愛と誠実さが感じられ、円満な夫婦であるのがわかる。しかし、日本おやじとそのメイドに、愛は感じられない。スケベおやじの欲しがるものを与えて、金に換える生きた大人の玩具がそこにいて、それを指と涎で弄ぶ男がいるだけだ。
「ママヤ・ナ」
その言い方とつぶやきかた。気をつけなければ。
(文=ことぶき太郎)