資産家夫婦殺害事件の被害者と面識があったとして、メディアの注目を浴びたお笑い芸人・桜塚やっくん(36)。7年前に被害者となった女性が主催した愛犬の誕生日パーティーに一度だけゲスト出演したことがあっただけで、特に親しいわけではなかったようだが、かつて一世を風靡した彼を久々にメディアで目にした人も多かっただろう。
桜塚といえば、06年に「スケバン恐子」のキャラで大ブレイク。しかし、徐々に人気が下降し一発屋扱いされ、一昨年3月には女子大生を酔わせて乱暴したと準強姦容疑で書類送検。イメージ悪化でさらに仕事が激減し、完全に過去の人になっていた。現在はインディーズの女装バンドの活動をメインに、イベント出演などもしているようだが、全盛期と比べると落ち目になった感が否めない。
2010年に所属事務所を辞めて独立したこともあり、かなり生活は苦しいのではないかと心配になるが、FX(外国為替証拠金取引)などで意外にもリッチな生活を送っているようだ。夕刊紙のインタビューで収入について尋ねられた彼は「芸人の絶頂期よりは下回るものの、皆さんが想像されるより多いと思います。正直、潤っています」と答えており、昨今の株高・円安もあってかなり儲けている様子である。
桜塚のように、あまりテレビで見かけなくなっても副業で儲けているタレントは多い。その代表格といえば、ふんどし姿で獅子舞を持った裸スタイルで知られる芸人・たむらけんじ(39)。関西ではコメンテーターなどもしているたむらだが、全国ネットで見かける機会は少なくなった。しかし、彼は関西を中心に「炭火焼肉たむら」をチェーン展開し、大阪に2店舗、名古屋と奈良に1店舗を経営。食中毒騒ぎなどもあったが順調に売上を伸ばしており、関連商品として開発したカレーの販売数は昨年3月時点で100万個、にんにく肉味噌は66万個に達している。たむらが過去にテレビ番組で語ったところによると、年商6億円を超えているというから驚きだ。
桜塚と同じく『エンタの神様』(日本テレビ系)で活躍し、現在は仕事が激減したコウメ太夫(40)も副業で食いつないでいる一人。絶頂期に数千万円の年収を稼いでいた彼だが、将来が不安になり4800万円の中古アパートを一棟買い。それが功を奏し、芸能活動での収入が激減した今も大家として月35万円の稼ぎを得ているという。
また、ほんこん(49)は都内2カ所にお好み焼き店を構え、大阪・ミナミでも鍋料理店を経営。ペナルティのヒデ(41)は都内で豚しゃぶ店など4店舗を堅実に経営し、東京ダイナマイト・ハチミツ二郎(38)がプロデュースした鍋料理店も好評であり、飲食店経営で成功している芸人は多いようだ。
一方、女性タレントはファッション系ビジネスが主流。一時は露出激減で引退説すらささやかれた若槻千夏(28)は、09年に自身のブランド「WC」を設立。若い女性を中心に人気を博し、年商25億円を稼ぎだすまでに成長した。もはや若槻の本業はタレントではなく、アパレル経営といっても過言ではないほどだ。
モデルの梨花(39)は昨年に4月、代官山の駅前にアパレルや雑貨などを販売するライフスタイルショップをオープン。ルームウェアが2万円、ノート1,890円と高めの値段設定ながら売れ行きがよく、当初の目標だった年商4億を1カ月で達成し、年商10億は固いといわれている。かつて「100億円ギャル」と呼ばれ、先日離婚を発表したことでも話題になった益若つばさ(27)も健在だ。アイメイクブランドをプロデュースし、つけまつげが09年からの累計で600万個の売上を記録。1個1,260円で単純計算すると、70億円以上を売り上げていることになる。
芸能界のサイクルは早くなっており、一度脚光を浴びたタレントもすぐに飽きられ落ち目になることが多くなった。一部の大物をのぞいてテレビで稼ぐ時代は終わり、知名度や全盛期の蓄えを元手にビジネス展開していくのが今後の芸能界の主流になるかもしれない。
(文=佐藤勇馬/Yellow Tear Drops)