2012年後半は、昼ドラが大豊作であった。9月に放送開始した『赤い糸の女』(主演:三倉茉奈/フジテレビ)が爆発的ヒットを遂げたため、後に続く『幸せの時間』(主演:田中美奈子/同)はどうなるものかと思われたが、第一話から立ちバックシーンを盛り込み、視聴者の心を鷲掴み。以降、セクシャルなシーンを連発し、遂には苦情が殺到するまでのお騒がせぶりだった。
内容は、浮気に溺れたエリートサラリーマンが家庭崩壊に直面するさまを描いた、昼ドラ特有のドロドロ愛憎劇だ。話題となったのは過激な性描写の数々で、その中でも、ハダカにエプロン姿の浮気相手にジャムやバターを塗りたくり、ワンワン吠えながら舐めまくるエリートサラリーマン役・西村和彦の熱演は大変な反響を呼んだ。しかし物語後半、その浮気相手がストーカー化し、エリートサラリーマンは窮地に追い込まれていく。
ドラマはもちろんフィクションだが、既婚・未婚に限らず、女性からのストーカー行為に悩まされた経験を持つ男性は少なくない。彼らに話を聞いたところ、そこには驚くべき共通点があった。ストーカー化する女性は、『幸せの時間』に登場する浮気相手と同じように、特異なプレイにも快く応じるタイプばかりなのだ。
これこそが、男女のストーカーの違いなのかもしれない。男性がストーカー行為を働く場合は、肉体関係はおろか、言葉をかわしたことすらない高嶺の花のような女性に、一方的に想いを暴走させるケースが目立つ。しかし、女性がストーカー化する場合はその真逆。デートやセックスをしたことがないような男性に対しては、さっさと諦めがつくのだろう。それよりも、一度でも肌を重ねた相手に対して、執着してしまうのが女という生き物なのだ。
そもそも女性は、一度のセックスで情がわきやすい性分である。これは、女性の本能によるものだ。セックスの先にある、妊娠・出産・子育てを想定し、自分と子どもを養ってくれる男性を引きつけておくために、絆を深めようとするのだろう。その、本能に基づく行動の最初にあるのがセックスである。セックスが過激であればあるほど、男性の心が離れていった時の取り乱しっぷりが尋常ではないというのはうなずける。
埼玉県在住のWEBデザイナーA氏(35歳)は、15歳年上の熟女性からのストーカー行為に悩まされた経験を持つ。距離を置くようになってからの電話攻撃がハンパなく、遂には番号変更を余儀なくされた。仕事でも使っている携帯電話だったので、フリーランスのA氏にとって、番号変更は大変な手間だった。お得意先への番号変更の通知だけでなく、名刺も刷り直さなければならない。そうまでしても縁を切りたかった熟女性は、A氏のアオカン嗜好に徹底的に付き合ってくれる、「過激プレイOK女性」だった。アオカンは、人里離れた山奥や河川敷のみならず、人目につきやすい大型駐車場や公衆トイレでも楽しんだ。第三者に見られているかもしれないシチュエーションに性的興奮を得るのはA氏の嗜好だ。一般的には、アオカンどころか、「ラブホテルじゃなく、ちゃんとしたシティホテルじゃないとイヤ!」と駄々をこねる女性も珍しくない。そう思うと、A氏の要望に全面的にイエスで応じた熟女性は、性的に貪欲なタイプと言えるだろう。
熟女性ではなく、若い女性からのストーカー行為に悩まされた男性も存在する。関西在住の会社員B氏(40代)の、「陰毛を剃らせてほしい」というリクエストに応じてくれたのが、20代前半の無職女性だった。剃毛に応じるとは、これまた「過激プレイOK女性」だ。肉体的な相性はバツグンだったが、仕事に就いていないため昼間から暇を持て余している彼女からのメールが、会社のアドレスにまで来るようになった。初対面で会社の名刺を渡してしまったのが間違いだったようだ。
「種馬にされたのかも」と過去を振り返るのは都内在住のC氏(20代後半)。膣内射精OKのセックスフレンド(20代後半)が出来て毎日ウハウハだった。膣内射精も、未婚男女にとっては「過激プレイ」の一つである。数カ月後「本命の彼氏と結婚することになった」と一方的に別れを告げられた。結婚のきっかけになったのが、その女性の妊娠。本命の彼氏と自分の血液型が同じだったため、いまだに腑に落ちない気持ちが残っているという。彼女は、C氏ではなく、本命の彼氏に対してストーカーだったのかもしれない。
過激プレイOK女性が、必ずしもストーカー化するとは限らないが、用心に越したことはないだろう。こういったご時世なので、どうしても過激プレイがしたい場合は、後腐れのない風俗店を利用するか、信頼のおける女性とだけ楽しむのが無難である。
(文=菊池 美佳子)