【現役セックスワーカーの素顔と本音】バツイチホテトル嬢のセックス観・前編

bookgirl1221.jpg※イメージ画像 photo by lmaekelley from flickr

 いま現在、読書が趣味だという人は、子どもの頃の環境が影響しているのではないだろうか? 私事で恐縮だが、筆者も母親に、『若草物語』『赤毛のアン』など、女子小学生が読みやすい系統の児童文学書を数多く揃えてもらった。D子(現在20代後半)の母親も、同じようにたくさんの本をD子に買い与えた。その中から、D子が特に興味を引かれた本が、『ぼくらのSEX』だった。

 欧米ほど性教育が浸透していない日本では、家族間での性的な話題はタブー要素が強いのが現状だ。にもかかわらず、娘に『ぼくらのSEX』を買い与えたということは、D子の母親はよほど進歩的な考えの持ち主だったのだろうか? その点についてD子に問うと、「普通の母親ですよ。仕事は医療関係でしたけど」という答えが返ってきた。妹からもセックスに関する相談を受けることもあるとのこと。「初エッチが痛かったとか、その程度の相談ですけど」とD子は笑った。

「あなた自身の初エッチは?」と尋ねると、D子は少し考えてから、「初めてラブホに入って、男の人と抱き合ったのは18歳の時ですけど、挿入は19歳の時でした」と答えた。こういった部分を細かく答えてくれるあたりが、彼女の性格を表している。

 『ぼくらのSEX』の影響か、セックスに対する興味は小学校中学年の頃からあったというが、それにしては遅いロストヴァージンかもしれない。

 ずっと興味を持ち続けてきた物事をいざ体験すると、「想像以上だ!」と感激するケースと「想像と違う」と拍子抜けするケースがある。行列のできる有名ラーメン店の看板メニューなどがまさにそれ。D子の場合はどうだったのだろうか? 

「私は、一生涯かけてセックスを極めたいと思いました」

 筆者の、「でも、女の子のロストヴァージンって痛いでしょう? 全然気持ち良くないじゃんってガッカリしなかったの?」という質問に対しては、「そのうち気持ち良くなるだろうから、それまでは慣れだと思いました」とのこと。実にポジティブである。

 「一生涯かけてセックスを極めたい」と思ったものの、すぐに風俗の仕事に着手したわけではない。大学の勉強も楽しかったからだ。専攻は哲学。大学院まで進んだ。大学在学中の思い出は、なんといってもタトゥーを入れたことだろう。最近は、ファッション感覚でタトゥーを入れる人が多いので、タトゥー自体は決して珍しくないのだが、D子の場合は入れたきっかけが一風変わっていた。

「芥川賞の『蛇にピアス』を読んで、自分も入れたくなっちゃったんです」

 『ぼくらのSEX』で読書に目覚めた少女は、いつしか『蛇にピアス』を読むようになっていた。

 大学院を出たD子は、某メーカーに営業として入社する。希望していた会社なので、入社が決まった時は嬉しかった。

 ところで、「一生涯かけて極めたい」と思ったセックス活動はどうだったのだろうか? 

「大学時代から、セックス相手をスカイプで募っていました」

 いかにも現代っ子らしいやり方だ。これまでの経験人数は約80人。

「30歳までには3ケタ(100人)の大台に乗りたいですね」

 美人でスタイルもいいD子なら、繁華街を歩いていればすぐにナンパされるだろう。あと20人なんて、30歳を待たずとも、すぐに達成できるのではないだろうか? いや、D子にも好みがあるだろうから、ナンパしてきた男性誰でも、というわけにはいかないか。

「いいえ。私は絶対に断らないですよ」

 D子いわく、「1億総コミュ障といわれている今の時代に、ナンパをしようという心意気だけでもあっぱれ。そう思うと断わる気がしない」と言うのだ。いやはや、あっぱれなのは彼女のほうである。

 スカイプやナンパはさておき、真剣交際をした男性はいなかったのだろうか? 

「大学の同期と、3年付き合って結婚しました」

 ということは、D子は人妻? と思いきや、「1年半で別れました」とのこと。D子はバツイチだった。

後編へ続く

【現役セックスワーカーの素顔と本音】バックナンバー
第1話援交発、スナック経由のヘルス嬢・前編
第1話援交発、スナック経由のヘルス嬢・後編
第2話AV嬢発、デートクラブ経由の手コキ嬢・前編
第2話AV嬢発、デートクラブ経由の手コキ嬢・後編
第3話探偵ときどきソープ嬢・前編
第3話探偵ときどきソープ嬢・後編

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