AKB48の大島優子が、18日に行われた映画『悪の教典』の「AKB48特別上映会」イベントを途中退席し、ブログで作品を批判したことが波紋を広げている。同映画は貴志祐介のベストセラー小説を原作に、伊藤英明の主演で三池崇史監督がメガホンをとったバイオレンスホラー。伊藤演じる高校教師が生徒たちを皆殺しにするというショッキングな内容が描かれていることから「R-15」指定を受けている。
上映後に涙を浮かべて退席し会見に出席しなかった大島は、自身のブログで「私はこの映画が嫌いです。人の命を大切にしないことは、認めません。命が奪われていくたびに、涙が止まりませんでした」と作品を批判。程なく、この一連の騒動を報じたスポーツ紙の記事がネット配信されたが、なぜか公開から1時間ほどで削除された。
19日付のブログでは「ニュースにもなったりと、お騒がせしました。伊藤英明さん、三池監督、関係者のみなさん、ご心配かけました」と謝罪し、「あまりにスクリーンの中に感情移入してしまい、取り乱してしまいました。ごめんなさい」と理由を説明。だが、作品については「でも、私はあの映画が嫌いです。すいません」と変わらぬ感想を綴っている。
わざわざ試写会に呼ばれた作品であるにもかかわらず、痛烈に批判したことで大問題に発展しているように思えるが、ファンや業界関係者の反応は意外にも冷やかだ。
「今回は、大島が映画の話題づくりに一役買っただけでしょう。AKBの運営は以前から、わざと物議を醸すような話題をメンバーに提供させ、メディアを騒がせる戦略をとっています。他のメンバーならいざ知らず、子役時代から業界で活動している大島が、こんなポカをやるわけがありません」(芸能プロ関係者)
同じ炎上騒ぎでも、河西智美がテレビ番組の節約企画から逃亡リタイアした件はガチだったようだが、今回は「ヤラセ」「炎上商法」という見方が強いようだ。ファンからも「また炎上マーケティングか」「この騒動を含めて宣伝てことだろ」「こういうやり方は飽きたよ」といった厳しい意見がネット上に書き込まれている。
熱心なファンからは「彼女は優しいから」「女優志望だから作品に入り込んでしまうタイプなんだよ」という擁護の声も上がっているが、今年大島はヤミ金融のブラックな世界をリアルに描いた映画「闇金ウシジマくん」に出演している。同映画には皆殺しシーンこそないものの、バイオレンス描写は原作と変わらず存在し、しかも大島は出会い系カフェで働く“汚れ役”を演じ切っている。彼女に過激描写の耐性がないとは考えづらく、やはり話題作りの線が濃厚に思える。
批判の声も上がっているAKBの炎上マーケティングだが、これだけ話題になったのであれば、ひとまずは成功といえるだろう。だが、これから女優として育っていこうとしている大島が、安易に映画作品を「嫌い」と言ってしまったことは、今後の芸能活動に暗い影を落としかねない。運営側にとっては確実に話題作りができる炎上マーケティングだが、メンバーにとってはもろ刃の剣なのではないだろうか。
(文=佐藤勇馬/Yellow Tear Drops)