朝日新聞が5日付の朝刊で「K-POPブームに陰りが見え始めた」と報じたことが話題になっている。同紙は韓流に好意的なスタンスだったが、朝日新聞の会員サービス「アスパラクラブ」で30~60歳代の3,164人にアンケートを実施したところ、韓流ブーム終焉を予感させる結果が出たようだ。
記事に掲載された結果によると、「K-POPに関心がある」と答えた人が29%だったのに対し、「ない」と応えたのは71%。今後については「ブームが続く」と答えた人は29%だったが、「近いうちにブームは終わる」が47%、「すでに終わった」が25%という厳しい結果だった。さらに、K-POPを好きか嫌いかに関しても「どちらかと言うと嫌い」が39%、「嫌い」が22%に上り、半数以上がK-POPに嫌悪感を抱いていることが明らかになった。
同紙によると、日本デビューした主なK-POPグループは昨年は15組だったが今年は8組。オリコンデータを基にデビュー作の初週売上げを集計すると、昨年は平均3万7,000枚だったが、今年は1万8,000枚に半減しているという。K-POPブームの縮小は数字にも表れているようだ。
「竹島問題によって、今まで何となくK-POPブームに乗せられていたライト層の目が覚めてしまった。ただでさえ、韓流アーティストが大挙して押し寄せたため市場は飽和状態。変わり映えのしないアーティストにファンが飽き飽きしていたところに竹島問題が起きたことで、ブームから離れるきっかけになってしまった。もともと強引に作られたブームでしたし、もう人々の目をごまかすことはできないでしょう」(芸能関係者)
だが、熱狂的な韓流ファンは離れておらず、人気K-POPアーティストの来日公演のチケットは争奪戦となっており、韓流の聖地である東京・新大久保も盛況。コアなファン層は「政治問題と韓流は別問題」ととらえている人が多く、竹島問題があっても韓流からは離れる気がないようだ。韓流ショップの売り上げも下がっておらず、ブーム終息の影響は少ないといわれている。
「ファンの年齢層が比較的高く、お金と時間のある女性が多い。ブームが終わってライトなファン層が離れても、お金を使って全国どこからでもライブに駆け付けるコアなファンは一定数いますから、日本でのK-POPビジネスが破滅することは絶対にない。ファンの人数が減ったとしても、売り上げは大きくは変わらないということです。むしろ、ブームによってコアな客層をガッチリとつかんだことで息が長くなったともいえる」(韓流ショップ関係者)
とはいえ、ブームが終焉すれば一般メディアはあまり韓流を扱わなくなるだろう。だが、韓流が好きな人は専門誌などで情報を手に入れられるし、韓流嫌いな人はゴリ押しに辟易しなくて済むようになる。浮ついたブームが終了することは、双方にとっていいことなのかもしれない。
だが政治問題が絡んでいるだけに、そう単純には割り切れないようだ。
「今月2日に韓流ダンスユニット『INFINITE』が横浜・赤レンガ倉庫でミニライブ&ハイタッチイベントを開催しましたが、警備と救護のために100人のスタッフが配置されました。これほどの人数を配置するのは異例。ファンの殺到が予測されたのもありますが、それ以上に右翼や暴漢の襲撃に備えていた面が強かった。韓流に熱を上げている日本人ファンも襲われる危険性がある。今後、韓流アーティストのライブでは万全のセキュリティが求められます」(レコード会社関係者)
警備スタッフを増やす必要があるとなれば、生半可なアーティストはライブもできなくなるだろう。残るべき韓流スターだけが残り、メディアによって“捏造”されたブームの虚飾が剥げ落ちることで今後は韓流の真実の姿が見えてくるのかもしれない。
(文=佐藤勇馬/Yellow Tear Drops)