彼女はいるけどたまには火遊びもしてみたい、彼女はいらないけど割り切りで遊んでくれる女性は欲しい……そんな欲張りな男性が求めて止まない「セックスフレンド(セフレ)」。とはいえ、セフレポジションを甘んじて受け入れてくれる女性はそれほど多くなく、セフレという関係はトラブルの元になる場合も多い。
今回は、セフレとの蜜月天国生活から一転、泥沼別れ話地獄を味わったという野口さん(仮名/28歳)の話を紹介しよう。
すべては野口さんがハマったネットゲームから始まったという。
「6年付き合った彼女に浮気されて別れたんですよ。それから彼女作るのも怖くなっちゃって…。暇になったからネトゲを始めたらハマっちゃって。ユウナ(仮名/20歳)とはそのネトゲの協力プレイで仲良くなって、チャットでいろいろやりとりするようになったんですよ。一緒に狩りに行くのはもちろんですけど、時には狩りにも行かずにずっとチャットしてたりとかもありました。ユウナって20歳の割には大人びてるし、すごくサバサバしてる感じで、男友達と話してるような楽しさがありました。そのうちスカイプIDを交換して、ネトゲ以外でもスカイプで話す機会が多くなりましたね。いろいろ話をするうちに、お互いの住まいが関東だってわかったんです。こんな縁もあるんだな、と思って軽い気持ちで飲みに誘ったんです。好きだとかそんな感情もなく、友達として気が合うなって感じだったし」
この時、野口さんはユウナが「メンヘラ女子」だとは微塵も感じなかったそうだ。「ネット上ではいくらでも自分を良く見せることができますからね。それを見抜けなかった僕に落ち度があるんでしょうね……」と野口さんは振り返る。
「実際に会ったユウナは小柄ですごくカワイイ子でした。ただちょっと痩せぎすで不健康な感じでしたね。最初に変だな、って思ったのは、飲みに行くって約束だったのに『お腹いっぱいだからホテルに行こう』って言われたときです。女性からそんなストレートにホテルに誘われたことも初めてだし、ましてや会ってすぐでしょう? さすがにそれは……って僕も断ったんですけど、『行ってくれなきゃ痴漢されたって警察に行く』とか言うんです。そんなバカな話、ないと思うでしょう? マジなんですよ……。そうやってギャーギャー騒ぐんで、仕方なくホテル行ったんですよ。あまりにユウナが怖くて、僕はずっと無言だったんですけど、ユウナは一方的にしゃべるんです。『野口さんは理想どおりの人』とか『一生そばにいる』とか。とはいえ、ホテルにいたらヤることはひとつですよね。でも全然勃たなくて……。それについてもユウナは怒ってましたね。『なんで勃たないのよ!』って……。それからはバイブ使ってイカせてやったり、早く終われと思いながらユウナの言うことを聞いてましたよ。その日は朝まで相手させられました。女性は何度でもイケるってのはマジだったんですね……」
ドMにはたまらないシチュエーションでユウナに奉仕した野口さん。この日を境に野口さんはユウナとのセックスに溺れていく。
「携帯の番号とかアドレスは交換してなかったんですが、あのホテルの日、僕が風呂に入ってる間に携帯を見られたのか、次の日からユウナから携帯に連絡が入るようになりました。電話に出なければ10通も20通もメールで、僕から連絡するまで止まらないんです。僕が根負けして会えばセックスでしたね。ユウナは彼女気取りでしたけど、どこか出かけようとかデートしようって感じじゃなくて、とにかくセックスしたい、みたいな感じでした。ユウナは怒らせさえしなければ見た目はカワイイし、割り切ったセフレとしては上玉でしたね。ユウナのセックスはすごいんです。一度、こんな関係は嫌だと思って、女性がドン引きするような要求をすれば嫌われるんだろうと思って『おしっこ飲めよ』って言ったんですけど、ユウナは目をキラキラさせながら『うん!』って言うんですよ。なに言っても拒まないんですよ。ハードSMもスカトロも全部オッケー。その頃はユウナも自宅に帰らず、僕の家に3カ月くらい住んでましたね。朝起きて1回、夜は帰ってきたらすぐ1回、休みの日は全裸で過ごして、ヤリたくなったらヤるって感じで、セックス中毒者みたいな生活でした」
このままの生活ではダメだと悟った野口さんは、ある日ユウナに別れ話をしたという。
「もう、修羅場でしたね。手に取ったものを片っ端から投げられて、最終的に包丁を持たれたときは死を覚悟しましたね。もう混乱して、とりあえず財布だけを持って部屋を出て、その後は実家に逃げて携帯も解約しました。幸い、部屋は借家のアパートだったので、部屋にあるものを全部処分しなきゃいけないっていうのは痛かったけど、ユウナに会わずに部屋を解約できたのでホッとしました。もう二度とネトゲはしないと決めましたけど、女性不信は治りそうにありませんね……」
人から好かれようとするあまり、距離感すら無視して愛を送り続けるメンヘラ女子。彼女たちが、そのまっすぐな愛を末永く受け止めてくれる男性に巡り会えることを願って止まない。
(文=三坂稲史)
愛されるすぎるのも……ちょっとねぇ