和製ドラゴン・倉田保昭VS加藤夏希! ヴァンパイア壮絶アクション映画!!

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 映画にドラマ、バラエティにと八面六臂の活躍をみせる女優・加藤夏希ちゃん。そんな彼女がひさびさの本格アクションに挑戦した、主演映画『レッド・ティアーズ』が、4月7日のシネマート新宿を皮切りに、いよいよ全国で公開される。プロデューサーを務めた生ける伝説”和製ドラゴン”倉田保昭との共演で発覚した、異色ヴァンパイアムービーの意外すぎる誕生秘話とは—-!?

──本作の見どころはなんと言っても、人間vsヴァンパイアの壮絶アクション。吸血鬼のヒロインという役柄は、実際に演じられてみてどうでした?

加藤 吸血鬼役は、10年くらいまえに『羊のうた』(02)という映画でもやらせてもらったことがあったんですけど、そのときはずっと妖艶な雰囲気のままで、アクションとかはまったくなかったんです。なので、本格的なアクションや特撮もある今回の作品は、いろいろ大変な部分もありましたけど、自分にとってはとてもやりごたえのある現場でしたね。

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──確かにやりごたえはありそうです。なにしろ、あの和製ドラゴンとタイマン勝負をしちゃうわけですから!!

加藤 そうですね。でも、実際にお会いした倉田さんは、とても優しくて紳士的なオジサマって感じで、アクションシーンの撮影のときも、「周りがフォローするから大丈夫だよ、好きに動いていいよ」って励ましてくださって、かなり助けていただきました。あと、香りもすごくダンディで(笑)。

──ドラゴンの香りは、なかなか気になります! ところで、作中に登場するヴァンパイアは、ハリウッド映画なんかでよく観るそれとはだいぶイメージが違いますよね。

加藤 海外の方が観たら、「こんなの違うよ」と思われちゃうかもしれないですけど、こうでなきゃいけないっていう決まりもないし、それはそれでアリなのかなと。外国映画に出てくるサムライとかには、私たちも多少の違和感は感じてるわけですし。

──この映画こそが、同じ吸血鬼モノとして全米で大人気の『トワイライト』シリーズに対する、日本映画界からのアンサーというわけですね(笑)。ちなみに、役にはすんなり入っていけました?

加藤 前半の清楚な感じと、覚醒してからのギャップを強調するために、監督からは「ちょっと動物的な奇妙な動きをしてほしい」っていうリクエストがあったんです。でも、ふだんの生活では吠えたり、唸ったりなんてしないから、最初はけっこう恥ずかしくて。まぁ、セットの隅っこで「これだとちょっと違うな」とか言いながら、ひとりで練習してるうちにだんだん楽しくなってきて、終わったころには自分でもビックリするぐらいの解放感を感じてたんですけどね(笑)。

redT1.jpg(c)2011 KURATA PROMOTION

──そんな練習の甲斐もあって、クライマックスに待ちかまえる倉田さんとの一騎打ちはかなりの迫力でした。まさか、ドラゴンvs軽トラックのガチ対決まであの場面で観られるとは思っていませんでしたけど(笑)

加藤 あとから聞いたんですけど、倉田さんが道を歩いているときにふと「車と人間が本気でぶつかったらどうなるんだろう」って思ったのが、この作品を作るきっかけになったらしいんですよね。だから、あのシーンこそが倉田さんのいちばんやりたかったことなんだと思いますよ。その直後の肩の外れっぷりなんかもスゴいことになってますし(笑)。

redT2.jpg(c)2011 KURATA PROMOTION

──あのシーンが作品のキモだったとは想定外すぎます! 僕なんか思わず、「ドラゴン!」って叫んでましたからね。おもしろすぎて。

加藤 作っていた当時の私たちはみんな真剣で、そこに笑いがあるなんてこれっぽっちも思ってはいなかったんですけど、あのシーンは試写会でもやっぱり笑いが起きてたみたいですね(笑)。意図していなかったこととはいえ、いい意味でエンターテインメントになっているのは、演じた私としてもうれしいし、この手のジャンルが苦手っていう人でも、逆に安心して楽しんでもらえる作品になっているんじゃないかな。

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──それにしても、ほかにもいろんな要素がこれでもかとちりばめられていますよね。演じていて混乱することはなかったですか?

加藤 監督をはじめ、スタッフのみなさんはホントに作品づくり、モノづくりが大好きな向上心にあふれた人たちばかりなので、現場では「もっとこうしよう、ああしよう」っていう議論がいつも飛び交っていて……。

──撮影が進むにつれてテーマもどんどん増えていったと?

加藤 そうなんです。当初は特撮アクションだけだったのが、サスペンス、ホラー、スプラッタ、ラブストーリー……と気づいたら盛りだくさんになってて。実は、私がヴァンパイアだってことも、撮影中の段階では「最後までバラさないようにしよう」ってことになってたくらいなんですよ(笑)。どこまで話していいのか知らないまま、ぜんぶしゃべっちゃってますけど、私が言いたいのは「今日はこのテーマだ」っていうのが明確だった分、毎日の撮影はすごく楽しかったってことですね。

──話を聞くかぎり、現場は自主映画のようなバイタリティですね! そんななかに、倉田さんはもとより、山口果林さんのような大女優まで出演されている。同じ女優として感化される部分もあったのでは?

加藤 ご本人はこういう現場が初めてでとても新鮮だったみたいで、ヴァンパイアになった姿は、それこそ「果林さん、やるんですか?」って感じだったんですけど、わりとノリノリで演じられてて(笑)。映ってないところでも私のためにお芝居をしてくださったり、果林さんにはたくさん勉強させていただきました。撮影したのが一昨年なんで、私自身、「いまならもっとうまく吠えられるのに」とか思うことも多々ありますけど(笑)。

──では最後に、読者に向けてメッセージをどうぞ。

加藤 アクション映画としてはもちろん、いろんな楽しみかたができる作品だと思いますので、観終わったあとにはぜひツッコミどころを言いあったりして盛りあがってもらえたらと思います。私としても、今回のような作品にはもっともっと携わっていきたいし、将来的には、こういう日本ならでなB級作品を引っさげて、海外の映画祭なんかにも行けたらいいなと思ってます!

──本日はありがとうございました!
(取材・文=鈴木長月/撮影=辰巳千恵)

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『レッド・ティアーズ』
4月7日(土)よりシネマート新宿、
4月14日(土)よりシネマート心斎橋・名古屋シネマスコーレ、
5月12日(土)より全国コロナシネマワールド他にて、全国順次ロードショー
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