世界的人気を誇るアメリカの女性歌手レディー・ガガのTwitterのフォロワー数が、個人としては史上初となる2千万人を超えたと米メディアが伝えた。2千万人といえば、日本の人口のおよそ6分の1。東京都に住んでいる全員が彼女のTwitterをフォローしても間に合わない数字だ。
一方、日本の芸能界でもっともTwitterフォロワー数が多いのは有吉弘行。今年2月に、タレントとして初めて100万人を突破したというから、その数字を見る限りガガとの差は歴然。しかし、ガガが英語でツイートするのに対し有吉は日本語。いうなればガガのツイート対象は70億人で、有吉は日本人のみ。その割合を見れば、およそガガのTwitterは350人に1人がフォローし、有吉は120人に1人がフォローしていることになる。こう考えてみると有吉もなかなかがんばっているといえるのではないだろうか。島国根性丸出しの計算をしてみたが、今記事ではそんな日本で活躍する芸能人のTwitter事情を分析してみたい。
さまざまなサイトで発表されている芸能人のフォロワー数ランキング。いずれのサイトでも、唯一100万人を突破している有吉がトップを飾っている。まずはそんな有吉のツイート状況を見てみよう。平均して日に8回から10回程度Twitterを更新している有吉。ほとんど更新しない日というのもあるが、ほぼ毎日のように更新は欠かさない。そんな彼のTwitter名物といえば、やはり彼が就寝間際につぶやく「淫夢リクエスト」だろう。
好き勝手な有吉の妄想が爆発した内容は、「高校のアンジェリーナ先輩に…」や「薬局の美人店員が、薬ではなく私がと。。。」といったもの。誰に向かってのメッセージというわけでもないが、そんな彼の日常の思いを綴ったツイートは、時折見せるファンとの交流や芸人同士のやりとりと相まって支持を得ているようだ。
また、そんな有吉に続いて、フォロワー100万人を突破目前なのがAKB48の篠田麻里子。日に平均7回から10回程度更新する彼女は、「これから○○に向かいます」や「これから○○です」といった仕事上の報告を欠かさない。有吉のように妄想したり、プライベートな事情や今の心境を語ることのほとんどないない彼女のTwitterだが、随時現状を伝える様子からは、人気アイドルの舞台裏が覗けるようで興味深い。
フォロワー数トップの有吉や2位の篠田がほぼ毎日のように更新しているのに対し、更新頻度にムラがありながらトップ3に食い込んだのは、歌手で現在芸能活動の休止を宣言している宇多田ヒカル。有吉や篠田のようにTwitter更新頻度を計算してみたが、その結果は測定不能。最近のつぶやきは、2月のバレンタインデー前後に6回ほど更新している。その前は年明けという状況だ。ブログやTwitterでは、その更新頻度が人気を左右するというのに、宇多田の場合はそれが当てはまらないようだ。それだけ彼女の影響力が大きいということだろう。また、ブログやTwitterを通して活動休止の発表をするなど、時折落とされる爆弾があるため、それを見逃すまいと多くの人がフォローしていると思われる。
また、現在収監中の身でありながら、フォロワー数80万人以上というホリエモンこと堀江貴文のTwitterも人気。長野刑務所で服役中の彼のつぶやきを更新しているのはスタッフだという。メルマガだけで年収1億円は下らないという現在の堀江にしてみれば、スタッフを使ってまでTwitterを更新するというのも大事な広告活動の一環といえる。1日平均4回から5回ほど更新される内容には、「きな粉でご飯がいけるようになった」など刑務所独特の生活からにじみ出る言葉や世評を論じる彼独特の言葉が伺える。
数十万人という規模の人々がフォローしている有名芸能人たちのTwitter。フォロワーたちが彼らのツイートを事細かに見ているとは思えないが、それでも彼らの一言が多大な影響力を持つことは間違いない。ただのつぶやきもそれなりの気を使わなければならないことだろう。また、これだけの人数にチェックされていると思うと、おちおち更新を滞ることも出来ない。宇多田のケースは稀としても、Twitterを扱う芸能人にとって、つぶやき行為が立派な芸能活動の一部になっているのはもはや当たり前なのだろう。主にテレビを主戦場とする有名芸能人がそのサイド活動としてインターネットを利用する。やがてこの構図が逆転する日がくるかもしれない。それにしてもフォロワー数100程度の弱小Twitterをしている身としては羨ましい限りである。
(文=峯尾/http://mineoneo.exblog.jp/)
著書『松本人志は夏目漱石である!』(宝島社新書)
『NHK麻里子さまのおりこうさま! 篠田麻里子の150字で答えなさい! 』
Twitterの使い方もおりこうさま?