いかに淫蕩の修行を積んでいたとしても、度肝を抜かれること必至なイベント。それが「女王様の毒艶会 新春特別公演」だ。15日、新宿のシアターPOOに集ったのはストリッパー、SM嬢、縛師など、いわゆるその道の”女王様”たち。観客をも巻き込む事態となったイベントについてリポートしよう。
会場はオープン直後から満員御礼。和やかな雰囲気ながらも、「これから何が起こるのか」と、枯れない欲望を胸に秘めた観客たちのオーラがひしひしと伝わってくる。
トップバッターは栗鳥巣嬢による”セクシーストッキングショー”。「旦那を探しに来た」と観客を物色、ストッキングを頭にかぶり引っ張り合いをし、脱げなければ勝ちという参加型のショーだ。1人目、2人目と挑戦するたびに、なぜか脱いでいく栗鳥巣嬢。草食系男子が多かったのか、最終的には自ら参戦を申し込んだ女性がパンスト合戦を勝ち取り、「新しいお姉ちゃんが誕生しました!」と予期せぬ終幕を飾った。
会場が温まってきたところで登場したのが麻琴女王様。歌舞伎町のSMクラブに務めるとあって、「脱げるM男はステージに上がってこい」と出だしからフルスロットル! 火で炙ったお玉を体に叩きつけ、熱がるM男に対して「熱くないじゃん」とさらに強打するその様は、まさにS嬢そのもの。最後には6人のM男(女性1名含む)をM字にした足をテープで縛り、あらわになったお尻に油性マジックで「2012年☆第1回毒艶会」と書き、大声で叫ばせる”サービス”で笑いを誘った。
そんな会場の空気を一気に変えたのがダリア女王様。胸に「奴隷」と書かれ首輪で繋がれたM女リナちゃんをペットのように従えて、妖艶なレズSMショーがスタートした。鞭で打たれるたびに悲痛な声を上げるリナちゃんに対して、穏やかな笑みで返すダリア女王様。規律正しいチェンバロの美しい旋律が、ステージにいる2人のギャップを際立たせ、よりエロティックな光景を演出する。縄で縛り、ローソクで責め、鞭を打ち、そして宙吊りにされるリナちゃん。望み通りの快楽をダリア女王様からもらったリナちゃんは、恍惚の表情を浮かべ崩壊寸前。最後には、ほどいた縄を口でくわえてカゴに戻す”後片付け”を自主的に行わせ、ダリア女王様の徹底した調教ぶりを見せつけた。
結奈美子ちゃんは古来から伝わるストリップ芸を披露。ストリップショーの肝でもあるポージングを柔軟な体で次々と見せつける技量に、観客からは拍手が起こる。ハイライトは「花電車」。いわゆる女性器を使ったパフォーマンスだ。ピロピロ笛を吹く「吹き戻し」は朝飯前、自作の吹き矢を装着し、フン! といきむとステージ4列目までタバコを飛ばす「吹き矢」もいとも簡単にこなす。相当な訓練が必要とされる、タコ糸でリンゴを切る「リンゴ切り」を披露した時には拍手喝采! 「奈美子嬢の切ったリンゴが食べたい」と、手を挙げる観客でステージ上には”リンゴ待ち”の行列ができたのだった。
和服で登場した夜羽エマ女王様は貫禄の舞台だった。『白い蝶のサンバ』を自作の歌詞で歌いながら、観客の女性を舞台に引き上げては舌を絡め合い、雑談を交えながら自由気ままに踊っていた。自身の聖水で火のついたローソクを勢いよく消し「ハッピーバースデイ!」と誰ともなく祝っていた。
トリを飾るのは、女性縛師の狩野千秋嬢によるM女緊縛調教ショー。M女を務めるのは大貫希ちゃん。手始めに軽く鞭で打った後、手首から縛り上げていき、徐々に自由を奪っていく狩野嬢の緊縛テクニックには、Mでなくとも目を見張るものがあった。鞭やローソク、洗濯バサミで刺激を与えながら、なす術もない体を縛っては解き、解いては縛り、次々と体勢を変えられていく。その一切無駄のない動作は、2人を強く結びつける唯一の行為にさえ見えてくる。観客の心をしっかり捉えて離さず、時を忘れて魅入ってしまうほどの大ステージだった。
手段がどうであれ、相手の心を汲み取り、肉体だけではなく精神までも高い快楽の次元へと昇華していった女王様たち。パフォーマンスを見れば、眠っていた自分の新たな一面に出会える絶好のイベントといえるだろう。幸福というものは束縛のかなたにあるのかもしれないね。
(取材=マンチカンJr)
【女王様の毒艶会 新春特別公演 メンバー出演情報】
2月6日(月)
「新宿エログロナンセンスショウ」
開演:午後7時
出演:栗鳥巣・ルーシー・ナオ~ミん・神田つばき・他多数
2月25日(土)
「桜田伝次郎・悦虐飼育残酷浣腸ショウ」
開演:午後7時
2月26日(日)
「新宿ビアンないと・2012」
開演:午後2時
出演:結奈美子&さくらみみ・蓬莱かすみ&契・栗鳥巣・ダリア&リナ・ルーシー&ルキア
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