よしもとアール・アンド・シー
お笑いコンビ・フットボールアワーのツッコミ・後藤輝基が、テレビ番組での発言が原因で「女性を侮辱した」とネット上で批判されている。
問題の発言は、12月6日に放送された『ロンドンハーツ』(テレビ朝日系)の新企画「見た目ビューティーカップ」でのこと。男性芸人、女性芸人、オネエタレントが3チームに分かれて”美女”に変身し、その美しさを競うという企画だった。この中でアジアン・隅田美保が、女装した狩野英孝、有吉弘行、平成ノブシコブシ・吉村崇に連敗。本物の女性である隅田が男性芸人に負けるという状況は、ブサイクが売りでもある彼女にとっておいしい流れ。
ここで後藤が隅田に「神様に生殖器、返品してこい!!」とツッコミを入れた。なかなか思い浮かばない秀逸な言葉選びであるが、これが彼女が女性であることを否定するような発言にとられ、Twitterを中心に後藤批判が噴出した。
「最悪!もう二度とテレビで見たくもない!女性軽視で、侮辱しているコメント!信じる事ができない!!!!大きな問題にするべきだ!!!!!!」
「フットボールアワーの後藤結構好きだったのに…。ちょっと酷いと思う。テレビだから笑いが起きたものの…きっと隅田さんの心、傷ついてるだろうなぁ…。隅田さんだって女性なのに。言葉にも限度ってものがあると思う」
「フットボール後藤さん、このツッコミひどすぎる….聞いて興ざめした」
このようなコメントが数多く書き込まれる事態となっている。
しかし、芸人であれば自分をおいしい状況にしてくれる厳しいツッコミは、かえってありがたいというもの。隅田がどのように感じたのかは推測の域を出ないが、バラエティーは男女が平等に”笑いの戦場”で競い合うものなのだから、普通なら後藤の発言は許容されるはずだった。
問題となった原因としては、視聴者に女性への暴言に敏感な人々がいたことに加え、言われた隅田が黙り込んでしまったのも、後藤の発言が無神経に映った要因と思われる。
バラエティーでの行き過ぎ演出といえば、今年7月に放送された『27時間テレビ めちゃ×2デジッてるッ!』(フジテレビ系)での合コン企画で、ナインティナイン・岡村隆史がバスケットボールを集中的にぶつけられる演出が”イジメ”だとして、ネット上で批判された。
こちらも本気でイジメる意図はなく、おいしい状況をつくろうとしただけなのは間違いないだろう。しかし、岡村が病み上がりであったために、以前のようなリアクションが取れず、不快に思う視聴者が続出してしまったといえる。
バラエティーでのイジメや暴言による演出は昔から問題になってはいたが、今はさらにモラルが厳しくなり、こういった演出を受け入れられない視聴者が増えているようだ。面白さを追求すれば過激にならざるを得ないところだが、相手との呼吸が合わなければ単なる暴言に映る。お笑い芸人にとって、サジ加減が難しい状況になったといえるだろう。
(文=佐藤勇馬/Yellow Tear Drops)
さすがにスマートではなかった…