<イギリス発>
イギリスで「Gスポットの存在は疑わしい」という研究論文を今年7月に発表した学者が、世界中、特にフランス人から非難を受け、自説を曲げざるを得なくなっているらしい。
この学者はイギリス在住でロンドンの名門キングス・カレッジに勤務する学者のスイス国籍のアンドレア・ブリ女史。彼女と同僚の学者たちは、1,804人の一卵性または二卵性の双子女性たちに「自分にGスポットはあると思うか」と聞き、そのアンケート結果から「Gスポットというものが肉体的観点から、また精神的観点からも存在するとは言いがたい」という学説を発表した。なぜ双子でなければならなかったのか、そしてなぜGスポットが存在するかどうか聞くだけで実際テストすることなく論文まで書けるのか、ここでは定かでないので省略する。
この学説が発表されるやいなや、彼女の研究チームは世界中から反論の嵐を受けたという。その中でも痛烈に彼女を批判してきたのがフランス人であった。フランスの有名な婦人科医はこう言ったそうである。
「私の患者の60%はGスポットを持っている。この学説では、研究材料にイギリス人女性を使ったのがそもそもの間違いで、そんなお堅い女性たちにGスポットがあるかどうか分かるわけがない。フランスのもっとセクシーでリラックスした女性たちをテストすれば、Gスポットが本当にあることが分かるはずだ」
国同士は近くても、根底にある文化が異なるイギリス(アングロサクソン)とフランス(ラテン)。ついに両者の深い溝はGスポット論争まで及んだらしい。
さらに別のフランス人婦人科医は、
「清教徒的でリベラルなイギリス人は、何でも白黒つけなくてはいけないと思っている。セックスなんて白も黒もないあやふやなものだ。どんなことにも理由がなければいけないなどということはないのだ!」
と鼻息を荒げている。
ブリ女史はこの様な批判にタジタジとなったようで、AOLニュースに向かって「別に私はGスポットの存在を否定しているわけではない。私自身イギリス人ではないので、国民性をどうこう言われても……」と自分の研究結果を自分で疑い始めたようなコメントを残している。
Gスポットの存在はお国柄で決められてしまうのだろうか。しかし、両方の意見を聞くと、何となくフランス人の肩を持ちたくなるのは筆者だけではないはず。ちなみに、ブリ女史の祖国スイスではフランス語が自国語の一つなのだが、それは関係ないのだろうか。
(文=相馬 佳)
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