エロ本から”付録パンティ”が消えた!? エロ本編集者が明かすその理由

thebest.jpg左『ザ・ベスト ランジェリー vol.6』右『ザ・ベスト スペシャル2010年8月号』(ともにKKベストセラーズ)

 去年から、コンビニ売りのエロ本に必ずといっていいほど付いてきた付録……パンティ。「1冊に1枚、純白パンティ!!」「OLのシミ付きパンティ封入!!」などといった煽り文句が表紙に躍り、文字通り、女性モノのパンティが雑誌付録となっていたのである。特に力を入れていたのは、KKベストセラーズが発行する「DOPE」や「ザ・ベスト」シリーズなどだ。

 一部で爆発的な支持を得ていると言われていたこの「付録パンティ」は、低迷するエロ本業界において「久々のドル箱だった」といい、業界に射した一筋の光だった。ところが悲しいかな、なんとすでに終了せざるを得ない状況に追い込まれているというのである。

 事実、先月25日発売の「ザ・ベスト」では「生パンティが付録で付いてくるのはこれが最後!」として、30代独身OLの三十路パンティ&過激生写真の特別付録を封入。同じく29日末発売の「ザ・ベスト ランジェリー」では、「パンティ付録完結編! 1週間分大放出!」と銘打ち、1冊につき7枚もの付録パンティを大放出した。まるで在庫一掃セールのような状況だ。

 内情を明かしてくれたのは、某エロ本系編集部に在籍して長い男性編集者。

「実は、僕たち編集部員にも具体的な理由は明かされていないんですが、『もう止めるから』と、それだけ。推測するに、PTA関連からエロ本を取り扱うコンビニにクレームが入って、コンビニから取次、版元へとお達しが来たのでは。コンビニでもパンツものNGなのはトーハン(セブン系列)だけで、まだニッパン系列は大丈夫みたいなんですけどね。書籍流通的に、独占している二社の片方からでも配本を拒否されたら、かなり厳しい」

 なるほど、取次に取り扱いを拒否されれば、いくら人気とはいえパンティ付録も断念せざるを得ない。それでも、よほど在庫パンティがあるのか、「ザ・ベストマガジン スペシャル」9月号では、応募者全員にパンティが当たるという特別プレゼントを企画。美女の脱ぎたて生パンティを大量に用意しているという。

 ちなみに、そもそも「付録パンティ」自体、プレゼントコーナーでの応募殺到をきっかけに開始されたものだと前出の編集者は言う。「付録パンティ」の終了を惜しんで、少し当時の話を聞いてみることにしよう。

「元々、抽選のパンプレ(パンティプレゼント)は人気がありました。ただ、それを雑誌付録にしただけでバカ売れするとは思わなかったですね。プレゼント用のパンティは、シミ付きだったり、AV女優の着用済みだったりするので、匂いを嗅いでオナニーに使うなど、応募者の用途がなんとなくイメージできる。でも、付録パンティは基本的にごくごく普通の使用前のもの。もしかしたらこっちのは女装需要とかもあったのかな、なんて編集部では言っていました」

 ちょっと待ってほしい。付録パンティについても、プレゼント用と同様に「使用済み」「シミ付き」などと謳っている雑誌は少なくなかった。あれはウソだったのか?

「まあ本物のシミつきとかはね、衛生的にもアレですし……。びしょ濡れパンティ封入とか書いてあるのに、濡れてないじゃないか!! みたいなクレームが、読者から来たこともあります。読者のみなさまには、冷静になって考えていただきたいですね。びしょ濡れのパンティなんてつけられるわけないじゃないかと」

 実に真っ当なお答えだった。さて、すでにパンティの代わりとして、ボディコンやガーターベルトを付録にしている雑誌もあるが、業界内の流れとして次の方針は固まっているのだろうか。

「とにかく下着というのがダメなので、スク水をつけようかとか編集部みんなで頭を悩ませています。個人的には、ニーハイとかいいんじゃないかとか思ってるんですけど。パンツじゃないというエクスキューズが一段階あれば、付録にしてもOKですし、また売れると思うんです。たとえば、ブルマ型の財布とか、パンティ型のハンカチとか……」

 ……エロ本編集者は、寝る間も惜しんで試行錯誤を重ねている。「付録パンティ」が消えても、きっとまた新たな試みで読者を楽しませてくれるはずだ。パンティに代わる素敵なサムシングを、楽しみに待ちたい。

Bejean (ビージーン) 2010年 08月号

 
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