AVレビューを生業にして今年で13年目を迎えた筆者。毎月150タイトルほどのAVを鑑賞する日々が続き、周囲の者からはさすがに飽きたのでは? などと聞かれることも多い。しかし、人間、心底うんざりしている仕事を10年以上も続けられるものではない。では、何がそんなに楽しいのか? その答えを全て打ち明けるとなると夜が明けてしまいそうなので、まずはひとつ。無数の作品群の中から、突如としてお宝を発見することがあるからだ。それは、ごったがえす雑貨屋の中で、なぜか無造作に放置されていたダイアモンドを発見したかのような悦び。鑑定書こそないが、目利きゆえに発見できた正真正銘のお宝。しめしめと手に取り、我が物にする瞬間の昂奮ときたら!! この快感を一度知ってしまうと、もっともっとと欲がでるもの。そんな衝動が筆者の毎日を支えているのだ。
さて、なぜこのような告白をしたかと言えば、まさに鑑定書のないダイアモンドを発見した悦びをお伝え(自慢!?)したいがため。そのタイトルがこれだ。
『日常和装 キモノ美少女とセックス』稲見亜矢
(発売:ワープエンタテインメント)
高級和服に身を包み、黒髪のウィッグをつけた稲見亜矢ちゃん。その美しさは日本人形のよう。現在21歳。身長は152センチ。衣擦れの音にも似た囁き声で話す彼女は、一見すると大和撫子そのもの。しかし、会話の節々で魅せる上目使いの、つぶらな奥二重の目に漂う淫靡な笑みが、あの元モー娘。加護●依嬢にそっくり。実はこの作品、激似とはどこにも謳っていない。パッケージのイメージからは想定もできなかったこの驚きが、さらにお宝発掘の感動を高めていったのだ!
「和服を着ると穏やかな気持ちになるので好きなんです」
先程、そう言ったばかりの唇をニヤリと緩めた彼女は、オープニング早々、秘められた魔性の力を発揮しはじめる。おもむろに和服の裾をめくりあげると、はにかみながらオナニーを開始。袂をふるふる震わせながら、陰唇をくりくりと弄ぶ様は実に耽美的だ。見せつけるわけでもなく、無理矢理やらされている訳でもなく、目の前にいる中年オヤジを悦ばせたい。そんなしどけなさが感じられ、加護嬢本人のイメージと結びつき、余計に興奮を煽っていく。
その後、その中年オヤジにうっとりと奉仕をしはじめる彼女。和服からはだけた、白くふくよかな美巨乳も本人を彷彿とさせ、快楽に溺れていく危なっかしい姿もイメージ通り。プレイは浴衣姿のままで玩具責めや、お茶を立てた繊細な指先で手コキ&フェラ奉仕と続く。勃起した肉棒に茶筅同様そっと指を添え、凛と扱くさまが21歳とは思えないほど芳醇なエロスを醸し出していく。
最後には、足袋一枚だけを残して全裸を晒していく彼女。
「気持ちいいです……」
中年オヤジに貫かれる度、その男を尊敬しているとでも言いたげな、ですます体の喘ぎ声を響かせていく。そのしおらしい姿が逆に魔性的で、噂になったあの中年オヤジが世間体さえ忘れ夢中になってしまった理由も頷けるひとこまだ。最後に、肉棒に数滴に残ったザーメンをゆっくり丁寧に舐めとる彼女。予想外のタイミングでみせた行儀のよさに、感激もひとしおとなる。
勿論、ここで淫らな姿を晒しているのは加護●依嬢ではなく、AV女優の稲見亜矢嬢であることは承知している。しかし、脳と言うのは意外に単純なもので、一度思い込むと都合のいい解釈をし続けるもの。快感でうっとり横たわる顔は本人にしか見えない。どうか、皆さまにも一層の妄想力を発揮させて、激しい興奮を味わって頂きたいと願う。
(文=文月みほ)