iphone版ラブプラスの方がより身近な気がしますが......

『ラブプラス+』で日本一周!? 「仕事かワタシかどっちを選ぶの」

lpp2010.jpgKONAMIのDS用ソフト「ラブプラス+」の商品情報ページより

 昨年9月に発売され、またたく間に社会現象を巻き起こした『ラブプラス』(コナミ)。ニンテンドーDSを開けば、そこには可愛らしい彼女の姿があり、タッチすればリアクションをくれる。登場するヒロインは、高嶺愛花、小早川凛子、姉ヶ崎寧々の3人。プレイヤーは彼女たちの「彼氏」となり、部活動やアルバイトを通じて愛情を育てていく。現実の彼女とは違って、こちらから「いつでもどこでも」会えるのが彼女たちの魅力であった。タッチパネルや音声認識を生かし、彼女たちとのスキンシップが再現されたこと、また可憐なグラフィックや人気声優の登用もあって、「ラブプラスとコンビニがあれば生きていける」という名言さえ生み出す、恋愛シミュレーションゲームの金字塔を打ち立てた。

 さて、「いつでもどこでも付き合ってくれる、都合のイイ女」として出発したラブプラスの3人の彼女たちだったが、「彼氏」たちの熱は当初の予測をはるかに越えてオーバーヒート。高嶺愛花と富士登山に挑戦したり、東京から稚内までを自転車で旅行したり、しまいには姉ヶ崎寧々とのリアル結婚式を挙行してしまう強者まで出現するに至った。

「惚れてまうやろー!!」でおなじみの、あのWエンジンのチャンカワイもハマっているというラブプラス。都合のイイ女と思っていた彼女のために、いつしか身も心も捧げている、というようなことは、オトコとオンナの関係にはよくあることだが、そんな彼氏たちを沸き立たせたのが、6月24日発売予定の、新作『ラブプラス+』の発表だった。

「『ラブプラス』は、これまでに約20万本近くを売り上げたのに、中古市場にはほとんど出まわらないという、恐ろしいソフトです。今の『ラブプラス』を楽しんでいる人たちの多くが買うのは間違いないでしょうから、(売上の)初動が前作を下回ることはないでしょう。コナミの策略はさすがといえます」(中古ゲーム販売店店主)

 愛花、凛子、寧々のキャラクターは変わらず、また現行『ラブプラス』のデータも引き継ぎも可能になる予定。また、熱海へのお泊り旅行イベントも追加されるなど、まさに「彼氏」たちのツボを抑えた仕様が決定している次回作だが、同時に発表された「ご当地ラブプラス」という新機能が物議をかもしている。

 47都道府県ごとに「ご当地カプセル」が設けられ、その土地ごとの衣装がゲット可能になる、というもの。たとえば凛子を沖縄に連れていき、那覇市内の「DSステーション」にアクセスすると、シーサーのコスプレをした凛子とデートすることが可能になる、と考えられている。

 もちろん、47都道府県をひとりで踏破するのは至難のワザ。そこで、「名刺通信」機能によって、ユーザー同士でご当地カプセルを交換することもできるようになるとされている。実際、前年に発売されベストセラーとなったゲーム「ドラゴンクエスト9」では、「すれちがい通信」でのリレーによって、全国的に同じ地図データ(通称「まさゆきの地図」)が共有される、といった現象も発生した。名刺通信を使えば、難なく全国のご当地カプセルをコンプリートできるのかもしれないが……。

「自分が凛子(彼の場合)の最高の彼氏だと思ってやっているわけですから。自分よりもたくさん、凛子と旅行をしてきた他の彼氏がいるなんて思いたくない。名刺交換でのコンプリートなんてナンセンスです」(ユーザーの男性)

 都合のイイ女だと思って付き合い始めた『ラブプラス』に、まさか日本全国一周の旅を強いられるとは。ゲームの中の恋愛も現実と同様に、いやむしろ現実よりも、「過酷な長旅」なのかもしれない……。