イギリス発
経済不況の厳しいこの世の中。イギリスでも他の国と同じように、金融・銀行業界がかなりの打撃を受けているようである。しかし、それに反比例して、ある産業が不況前よりグングンと売り上げを伸ばしているということが判明した。
イギリスの小売業者TESCO社のリポートによると、2009年の12月、イギリスでなぜかスパークリング・ワインとシャンパンの販売数が08年の同時期よりも45%アップしたという。パーセンテージを数にすると、何と約50万本分の伸び、というから並大抵ではない。スパークリング・ワインやシャンパンは、海外では主にクリスマスなどホリデー時期に行われるパーティーや、お祝い事でよく消費されるアルコールである。不況で仕事量が減ったイギリスのビジネスマンたちが、急に家庭でのクリスマスパーティーに目覚めたか? それとも、夫の収入が減った主婦のヤケ飲みか? 真相は定かではないが、イギリスのシャンパン業界がホクホクしていることだけは間違いないだろう。
そしてもうひとつ、イギリスで繁盛しているのが、やはりと言おうか「ストリップ・バー」だそうだ。以前、銀行マンが不況のせいで不倫相手探しの出会い系サイトに走っているという記事があったが、これもまた同じ現象であると見られる。
ロンドンのウェスト・エンド地区にあるストリップ・バーのマネジャーは、大繁盛の理由を「銀行マンが(仕事が減って)来るようになったことと、女性客の増加だね」と語っているという。そう、やはり銀行マンだったのだ!
「最近の若い世代は、セックスに対してオープンな態度を持っているんだよ。10年前とはエライ違いだ」とはマネジャー氏の弁であるが、何かとお堅いイメージのある英国紳士たち、不況の影響でやっとセックスへの興味を取り戻したのであろうか。しかし、その興味のはけ口が家庭の外を向いている、というのにも問題アリだが……。
これらの点をつなげて考えてみると、真相はもしかしたら「銀行マンたちがストリップ・バーでシャンパンを飲みまくっている」という辺りかもしれない。
(文=相馬 佳)
逆境にめげず、順境に酔わず