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日本におけるSMの歴史を語る中で欠かすことのできない人物を一人挙げるとしたら、”緊縛”の祖と謳われた長田英吉氏は、避けて通れないだろう。長田氏は戦後1960年頃より性風俗界で始まったSMパフォーマンスの草分け的存在で、彼に縛られたいと志願する女性は後を絶たず、最盛期には1日に何千人もの観客を相手にショーを敢行していたという伝説の緊縛師である──。
ところかわって現代、夏の余韻を引きずる蒸し暑い夜。縛りたい人・縛られたい人・縛られてる女のコをナマで見たい人……そんなSM嗜好をお持ちの紳士淑女がこぞって参加する、年に一度のSMの祭典、『SM神社祭』が開催されました。このイベントは2001年に逝去された氏を神として崇め、弟子である「オサダ・ゼミナール」の面々が緊縛パフォーマンスによって氏を偲ぶというもの。
そんな大仰なお祭りに、SもMもわからない緊縛ド素人が入っていいものかしら……と多少の逡巡を覚えながらも、未知の世界へ入場してみたわ! ステージ上には、御大を祀った神棚がセッティングされ、ものものしい雰囲気の中でショーが開幕。長田氏の意向を引き継ぎ、氏の主宰したSM塾「オサダ・ゼミナール」を継承した長田一美先生を筆頭に、巫女さん姿のゼミ生たちがお目見えしました。
意外にも、SMという言葉から連想されるハードなプレイにはなかなか突入せず、SM体操の歌(「ラジオ体操第一」の替え歌)、SM音頭、SMショートコント……多様な演目がゆるやか~に展開されていく。がっ! 本日のメインイベント”緊縛ショー”の開始とともに、すっかり和んでいた観客に渇を入れるかのように長田一美の眼光がサングラスの奥でキラリと光った。(確かに光ったのよ!)
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先生を含む3人の女性縄師が、艶やかな巫女姿の女のコたちを太い麻縄で縛りあげていくその光景は、思わず呼吸を止めてしまうほどの迫力。先生の熟達した手さばきは勿論のこと、注目は桃色の着物を身に纏った日本人形のようなロリ少女・八代椿ちゃんのドSっぷり!! M女の乳首を舐め陰部を弄び、被虐心に俯く巫女の顔をクッと持ち上げるロリ少女。なんという構図! 今にも唾を吐きかけんばかりの不敵な笑みを浮かべながら縛りあげていく姿に、M属性の薄い筆者も正直ゾクゾクいたしました!!
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ラストは長田一美先生の自縛ショー。文字通り、自分で自分の肉体を縛り、挙句宙吊りになるという高度なパフォーマンスにもう拍手の嵐です。天井付近に用意されたフックに縄をかけ、両手両足を吊り空中で静止する四点吊りは、赤いライトに照らされてたまらなく淫靡でございました。不覚にも、感動。
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終演後、ドSロリ少女・八代椿ちゃんはこう呟いていたわ。「縛りには終わりがないんです。もっと、もっとと追求すると、いつまでも縛り続けてしまう……」。
ああ、飽くなき緊縛への欲求! 倒錯した美の世界へあなたも足を踏み入れてはいかがでしょう。例大祭は来年も9月に行われる予定です。
(文=カマ田サンディ)
この縛られたがりめ!